今週の儲かる繁盛店の視点 第61話:「ムダを減らせる会社とそうでない会社の違い」
「イトウサン、ムダはあると思うのだが、その具体的な見つけ方が良く分からなくって・・・」
—-少し前に ご相談にお見えになって、人時を取り組まれておられるチェーンの社長の声です。
人件費のコスト管理を見よう見まねで、やってきたのだけれど、どうやってムダを発見し利益改善させるか?
店舗に指示をしても 遅々として進まないことから、尋ねてこられました。
店舗では、営業の波があるため、たくさんのムダが日々発生します。
まず、どこから取り組めばいいのかという点では 店舗の「ムダを減らす」ことが最初になります。
週次でも日次であっても、売上見込みの波に対して人時を 柔軟に組める仕組みがあればそのムダは減るようになります。
それにはまず、売上の予測の波に対して、必要人時を設定して勤務人時を引き当てていくことになります。
ここで、問題になるのが、店長はいつも多めに人員体制を持ちたがる傾向にあるということです。
実際に一日作業の流れをつくり、そこに人時を割り当ててみると分かるのですが、「商品品出しが,間に合わなかったらどうしよう?」「レジで並ばせて,しまったらどうしよう?」など不安要因が出てくるため多く人員を持ってしまうわけです。
ところが、こういった要因は全く根拠なく、理由はただ1つ、「業務毎の作業時間がはっきりと決まっていないこと」と申し上げております。
業務ごとの標準時間さえ決まっていれば、商品数量に応じて作業時間が読めるわけですから、わざわざ多めの人時を持っておく必要はありません。
一方ではこの、業務毎の作業の手順を決めておかなければ、人によって時間内に完了できない人が出てきてロスが発生してしまいます。
そのためには、業務手順書の作成とその事前トレーニングが必要となります。
このようにして店舗の「ムダを減らす」ことが最初のステップとなります。
次ぎのステップとして、店舗の「ムダを無くす」方法があり、これは不要な業務を止めることです。
これを行うためには、業務項目一覧表を作成して業務棚卸しをしていきます。
創業から今日に至るまで、成長とともに業務のやり方は大きく変わってきているはずです。
かつてはやらなければならない業務でも 今はやらなくてもよくなった業務もすべて書き出し業務項目一覧表に記載していきます。
面白いことに、良く見ていきますと店舗業務の中には、「点検業務」のように著しく人時がかかるにもかかわらず 生産性がゼロの業務も数多く存在します。
このような、業務は主管部に対して不要な業務を止めることを期限付きで要請をしていきます。
「ムダを減らす」と「ムダを無くす」この2つを示すことで数多くのムダは発見できます。
大事なことは、ムダが見えないことで利益をどれくらい毀損しているのかという仮説を立てることです。
業務ごとのムダの発見と人時管理の関係を明確にしていくことが、売上利益確保の鍵となります。
さあ、貴社では、「ムダの見つけ方」どのように示されておられますか?
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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