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今週の儲かる繁盛店の視点 第158話:「顧客の信頼回復で成長するチェーンと出来ないチェーンの違い」

「いやあ~ 先生 こんなに品切れがあると思いませんでした。」

先月より品切れ改善プログラムを始められた 中堅チェーンの社長の一言です。

 

——-目的は 点検ではありません 品切れを無くすことです。ここからが重要です。とキッパリ申し上げました。

 

こちらのチェーンでは、これまで真剣に品切れ点検はやられたことがありませんでした。

「品切れ」点検?そんな後ろ向きな点検に意味があるのか?という雰囲気があって、定着できず、それより、新しい商品やチラシで客数を 伸ばすことのほうが、重要と考えていたからです。

ところが、ここ数年売上客数の低迷が続き、要因を調べていくうちに、他社ではどうやっているのか?ということが気がかりとなり、社長自らが、セミナーにお見えになりました。

 

——-お読みいただいている、みなさんに質問ですが、昨日の品切れ件数は、何件ありましたでしょうか? 

 とお聞きしますと・・・

みなさん「うっ!」と言葉に詰まります。

「品切れは」本来そのお店ならあると思って来店された、お客様の大切な時間を奪うことになります。

いいかえれば、貴社のお店で、お客様をがっかりさせたコトが何回あったか?ということを示した数と言えます。

しかし、先のチェーンのように、このようなことは、中々、表面化しにくいものであります。

発見が遅れる理由の一つに、商品が品切れしていても それを指摘してくれる、お客様は1%とういう実態があります。

そもそも、お客様の目的は買い物ですから、商品が無ければ、99%のお客様は無言でAmazonやコンビニエンスストアに流れますので 教えてはいただけないのです。

一度そちらに流れてしまった お客様を引き戻すのは容易なことではありません。

 

たかが、品切れで、と考えがちですが、

 

実際に、計測してみると、商品の場所を聞いて、案内されて、品切れていて、担当社員を探して、入荷日を聴くまでの時間は3分~5分です。

仮に1日に100件の品切れが発生すれば300分、のべ5時間もお客様の手待ち時間をとらせていることになります。

スーパーマーケットの場合、平均品切れ数が160件くらいですから、ここから試算すれば一日8時間もお客様をまたせてる状況にあるといえます。

「うちに限って・・・」 と思われる社長がおられましたら、是非一度調べてみることをおすすめします。

アパレルチェーンも同じです。人気定番の色のサイズ切れは、顧客のブランドスイッチの格好の材料といえます。

今どき、うちはファッションメーカーだからといって、品切れは当たり前のような企業は、あと数年で市場から離脱するのは火を見るより明らかです。

ユニクロ、しまむら、青山の強さは品切れをさせないことへの挑戦が、圧倒的な顧客の支持を得ていることは紛れもない事実であります。

 

また、品切れは、お客様の信頼を失うだけでなく、従業員にも多大なムダ作業をしいていることとなります。

商品を探す時間に 1日に8時間かかっているとしたら、年間2920時間になり、毎月、社員一人分以上の給料をこれに費やしてることになります。

実際に、小売りチェーンの日々の業務が時間内に終わることができないのは、こうした見えない作業に予想以上に手間がかかっている事実を直視しなくては、働き方改革は絵に書いた餅と言えます。

さらに、新規採用にも大きく影響してきます。

 

普通にまじめに働こうとしている人であれば、会社が同じ問題を改善せずに、やらされる職場に理不尽なものを感じて当然といえます。

品切れの多い店舗は、お客様からもお叱りのも多く、職場はギスギスし、生産性が向上することはありません。

人が集まらない、また入ってもすぐやめてしまう企業は、こういった致命的なことを繰り返しています。

一方で、この実態を掌握しているチェーンでは、品切れが改善できれば、年間社員一人分の労働時間が確保でき、その分お客様に、付加価値の高いサービスが提供できる。という計画にすでに着手し 人時生産性を向上させています。

社長自らが、課題解決の前向きな企業には、優秀な人材は集まり、益々人時生産性は高くなるのは至極当然のことです。

さあ、貴社におかれましても、お客様に満足していただく場を 今日いくつ増やし、客数回復をさせることができましたか?

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。


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