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今週の儲かる繁盛店の視点 第163話:「その他大勢から抜き出るチェーンと出来ないチェーンの違い」

「先生、ムダ探しは全店でやらなくてはだめでしょうか?」とあるチェーンの経営者からのご相談です。

——-ハイ、だめです、キッパリと申し上げました。

1店舗で出てきたムダを、それを他店でやれば済むと思っても、そうはなりません。

店舗は、おおよそのレイアウトや品揃えは一緒であっても、買に来るお客様は違いますし、働いているパートナー社員も違います。それぞれの人が考え方をもっているわけで、そこに多くのヒントがあるからです。

2~3店舗のチェーンで、これから増やされたい方にも、このやり方をおすすめしています。それも一回だけではなく、何回もやるようにです。

トヨタやウォルマートが成長し続けるのは、規模が小さなときから業務改革で、人時生産性を上げる努力を怠らなかったからです。

売上は、どんなに努力しても、その時々によっていい時も、良くないときもあります。

利益をもう一段回増やすには、将来の成長戦略コストをつくる流れが必要であり、それには業務改革は欠かすことはできません。

もちろん、売上を上げる努力はし続けなければなりませんが、天候や競合出店やAmazonをどんなに分析をしたところで、言い訳になるだけなので、むしろ変えるコトのできない情報には関わらない方が、成長のスピードは上がると言えます。

皆さんは、一番売れた時やいい時の状態って記憶にのこってますよね、開店初日に砂糖や醤油を何百ケース売ったとか、何千万の売上を記録したとか?どうしてもこういう成功的体験があると、いつかまたそういう日がくるだろう。と思ってしまうものです。

また、競合店の新規開店を見に行ったりすると、やはり同じような感覚がよみがえってきます。

ところが、誰しも売れなかった時のことは、あまり記憶にないのです。しかし、そのどちらが長い期間であったか?と考えると、売れたのは一瞬で、売上に苦しんだ期間は大変長い期間であったりするものです。

そういった、一瞬の売上を仕込むときでも、企画を立て、売り方に時間をかけて、準備するから盛り上がり、次へとつながるわけです。

今は、人手不足の状況でそういった売上の取り方を続けることが難しくなってきています。

そうなると、売上をとってから何かをやるという発想から、人時生産性を上げるために何をすべきか?という根本的な考えを見直すことが必要となってきます。

「それが出来ないからこまってるんですよ」という声が聞こえてきそうですが

実を言うと、その状況を変えるのは、そんなに難しいことではありません。

儲かる企業として、目指すべきは、どこにもできる店舗コンディションをどこにも出来ないレベルでやり遂げることです。

企業がそこを目指して考えを示すことで、社員の意識が変わり行動がかわります。

そしてその取り組みに夢中になることで、気が付けば地域で一番になっていたり、業界のトップにいた。ということはよくあることです。

先の企業で出てきたムダ探しを通じ、従業員やお客様の多様な声に耳を傾け、社員の心を夢中にさせること自体にお金はかかりません。

むしろ、それだけで成長資金は十分確保できるはずと私は断言しています。

業務改革とは経営戦略です、つまり、自社がどういう環境におかれているか?を俯瞰することからはいらなくては、何も変えることは出来ません。

経営者はともすれば、目先のできること、目立つこと、結果が大きく出ることといったことをやりたがりますが、それが済んだらその先はどうするのか?と聞いても、答えられない経営者が実に多いのには残念なかぎりです。

生産性をあげたい、社員の給料を上げたい、地域一番になりたい、そういったことを掲げるのであれば、そのゴールへ向け、現在のポジションを確認し、その道筋を描き、かかる時間やコスト、を設定し突き進むべきです。

この社長の考えかた一つで、社員にムダな時間を過ごさせるか、生産性の高い環境をあたえ、社員と企業成長させることができるかどうかの明暗が分かれます。

 

企業が描くビジョンは、とてつもなくハードルの高いものでなくてはなりません「こんなことできるのか?だったら私たちもそれに備えてどんどん先を見て進もう」という考える社員を創造していくためです。

米国テスラモータースCEOのイーロンマスク氏。彼は電気自動車をつくって儲けるために、テスラを買収したのではありません。

彼のゴールは人類を火星に送りそこで暮らすための街づくりです。

空気のない世界、ガソリンスタンドもない世界では、ガソリン車は使えません。地球からもっていって、すぐに使えて、自動運転で使える車でないとダメなわけです。

その一環として、電気自動車を作っている通過点に過ぎないのです。

そこには、効果がでたら次に進むとか、投資予算を確保していくといった、画一的な発想ではこのプランは実現されません。

私たちの企業に置き換えるならば、10年後には、月に世界第一号のチェーンを開業することを目標にする。といった発想をしたとき、社員の心に火が付きます。

さあ、貴社では、壮大はビジョンを掲げ、社員の心を熱くするしくみは、ととのっておられますでしょうか?

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。


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