fbpx
  • TEL : 03-5771-8283
  • 〒107-0062 東京都港区南青山1丁目26-16 5F
トップ > コラム・今週の儲かる繁盛店の視点 > 第314話:「他社との違いをどう作るかで、悩む会社は根本的な問題があります。それは…?」

今週の儲かる繁盛店の視点 第314話:「他社との違いをどう作るかで、悩む会社は根本的な問題があります。それは…?」

少し前に、とある研修企業から、生産性に関するテーマでこんな研修をやってもらえないか?というご相談をお受けしました。それは、上手くいってる企業にいって、それを見て学びそれを解説していく。というもの。

――――それ、絶対だめですね。と即答しました。

「そうなんですよ、とある企業の協力を得て、企画としては大好評だったんですが、その後に結びつかなかった。先生の本を読むととても現場に詳しいので、ひょっとしたら、上手くいくのではないかと思い、ご相談させていただきました」とのこと

――――だとしたら なおさらです。

そもそも自社で店舗格差が解決できない会社が、他社の良い店をみてその通りになると思う方が、おかしいと思いませんか?と申し上げると。

「ですよね…」といってご納得いただきました

例えば スーパーマーケットのA社が、生産性の高いB社のある店の店長の動きについて、24時間視察させてもらったとします。

たしかに、「あれはすごい」「あれはいい。すごい勉強になった」参加者は口々に言います。研修イベントとしては、かなり受けがいいのです。

その数カ月後 参加した企業で、これを導入することができた企業があるかどうか調べると、それをやっている会社は1社もなかった。ということです。

ここで誰もが疑問に思うことがあります。

同じ業種で、同じ形式で、同じものを売ってるだけなのに?どうして、その具体的なことを、マネすら出来ないのか?ということです。

理由は
「具体的事例」は、そのまま導入することが出来ないからです。

何でもそうですが、その具体的な活動を自社に取り込むためには、一旦抽象化させ、そこから自社流のやり方に置きかえて、初めて具現化することができるものだからです

前述の例で、A社が生産性の高いB社の、店舗のバックヤードや店長の動きといった、通常見ることができない「具体的な事例」を目の当たりにすれば、これはどういう意味か?、こんな時どうする?。といった質問が飛び交い企画として大いに盛り上がります。

具体的なことゆえ、会話はそこで終わり、そこから発想が拡がらないのです。

抽象化とは、A社とB社という異なる会社の中にも、その共通要素は何か?と、自問自答していく思考法です。

先の例で例えますと…

Q: B社の店長の一日の業務の流れはどうなっているのか?
A: 出社、店内外巡回、メールチェック、売場チェック、昼食、昼ミーティング業務のチェック、夜ミーティング、退社。 

Q: これらに共通する要素は何か?
A: 目標値との差異。是正指導。好事例の賞賛と共有。

Q: この要素をA社が自社に取り入れることは出来るか?と考えてみると…

A社の目標値は売上で、その目標差異を重視しているものの、売上と人件費の関係に縛りがないため、ここから人件費がこぼれ落ちていく。ということが見えてきます。

それに対してB社の目標値は、人時売上であり、それを上げていくためには 売上の変動あわせ人件費の要素となる人時(ニンジ)コントロールが重要なポイントとなってきます。

両社とも、店長業務の流れはほぼ一緒でも、企業としての目標が異なることから、店長のやるべきことが変わり、出てくる結果に大きく差が出ていたのです。
この目標値を変えないことには、何も変わらないのは当然のことといえましょう。

なんでもそうですが、企業として、取り組むべきことは、こうした抽象化思考であり、他社の好事例ばかりに気をとられていると、視界が狭くなり、結局のところ具体的な打ち手についても、すぐに行き詰ってしまうのです。

そもそも「他社と違ったことをする」というのが利益の源となるわけで、そうした抽象化思考が無ければ、戦略的な構想はできないのです。

「人時売上だと他社の比較は、難しくなるのでは?」という声が聞こえてきそうですが…

――――他を気せず、自社を題材にやってください。と申し上げています

自社を研究材料に取り組むことには数々のメリットがあるからで、その知識や経験は全て社のノウハウとなります。移動や宿泊代もかかりません。

そもそも、問題は競合にあるのではなく、自社内にあるわけで、そこに集中して取り組むことで、今の利益の2倍、3倍を手にすることも決して難しいことではない。ということです。

詳しくはセミナーでお伝えしてますが、少し触れますと

自社の日々の業務構造がどうなっているのかを 数値化し把握していくことになります。

「そんな 人も お金もないし」、という声が聞こえてきそうですが 

――――御社の人件費に年間いくら使われているのかお考えになったことありますか?とお聞きすると

「うーん」と言葉に詰まります

人件費には、毎年売上の13%以上もの、巨額な資金が投じられています。儲かる企業と言うのは、この使い方が全く違い、それは、人時売上(1人当たり時間売上げ高)に如実に現れます。

利益に苦しむ企業の多くは、人件費を前年でベースに考えますが、人時売上が高く高収益な企業は、そのための、研究開発チームがあり、論理的かつ科学的に考えるということです。

まず人時売上目標に基づく、人件費予算を設定し、それを執行させていくためには何をいつから実施すれば、いいのか指針を出し、それを経営が承認して進めていきます。

「なぜ人件費だけなのか?」という声も聞こえてきそうですが

最大経費の人件費でできるなら、他の経費も同じようにできるはず、という考えに社内で向き合うことができるからです。

人時生産性の高い企業と言うのは、人件費に限らず全ての費目がそうなっていているから企業の利益率が圧倒的に高いのです。

これによって、他の企業にはない、仕組み作りのための投資枠が確保できることになります。

ご指導させていただいている企業に中には、この新型コロナ騒動から得た「非接触・蜜回避」といったヒントを 新しい生活スタイルに置きかえ、新たな一歩にふみだされている企業もあります。

さあ、貴社では まだ、手詰まり感で一杯のところで立ち止まりますか?それとも自由な発想で、大きく羽ばたきますか?


スーパー・GMS・ホームセンター・専門店チェーン社長向けセミナー、人時売上が劇的に変わる人時売上最大化のすすめ方、今期経常利益率プラス3%を確実にする実践手法を大公開