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今週の儲かる繁盛店の視点 第321話:「なぜ、中小企業ほど生産性改善は大きな効果をもたらすのか?その理由は〇〇!?」

東京では20日間も雨模様の日が断続して、どうやら梅雨明けは来週にずれ込みそうです。「感染者増」というの連日のマスコミ報道でモヤモヤする中、雨空が続くとやる気も停滞気味になりがちですが、経営を担うものとして、そんなことを言ってる暇はありません。

私共のような企業にとって大事なコトは、独自サービスを提供して顧問先企業の収益力を上げることですが、それを普及させていくために、自らの生産性を上げることから目を離してはならない、ということです。

こう言いますと、「創業間もない企業は 生産性よりまず売上なのでは?」という声が聞こえてきそうですが、

――― 企業として、生産性改善に着手しなければ、成長どころか生き残ることすら出来ないのは、どの業界も同じです。と申し上げています。

例えば、自分でなくても出来る、経理や総務といったことは人手を介さず自動で回るようにしておくことはもちろんですが、

一方、自らが関わる、Webサイトの更新や情報発信は、常にどこからでも、自社パソコンのネットワークへ接続できるようになっていることが必須となります。こういったことを構築することで、興味を持っていただいた経営者のお役に立てるサービスを、安定提供することが出来るわけです。

企業の生産性向上を実現するために、実際にやったことが無ければ、それを指導することなど出来ないわけですが、そういう伊藤自身、つい数年前まで、全くのIT音痴のひとりであったのは紛れもない事実です。デジタル部分で生産性の仕組みを作っていくということを、パソコン本体のうしろの蓋をあけて、線をつなぎあわせるもの?と思っていて、ITの専門家から大笑いされたくらいです。

ITに詳しい専門家の方から指導を受けるようになり、分かったことは、数えきれない程あります。デジタルの仕組みを作っていくということは、パソコン端末などのハードではなく、ソフトの中身を繋ぎ合わせていくということで、それを理解するには一度、自分でやってみなくてはならない。ということでした。

理由はシンプルで、

①サーバー内どこに何が入っているかわかるのは自分しかいない。

②万が一データを消去してしまった場合は自己責任となる。

③プロのSEを常用するのはコスト面から難しい。

ということだからですが、そこから苦闘は続くことになりました。

キーワード検索して、上から3つくらいの情報に目を通し、進めていくわけですが、分からない言葉が出てきたら、さらに検索して意味を調べていく。といった、気の遠くなる作業を週に何時間か時間をとってやっていくことになります。

進めていくうちに、今まで見えていなかったいろいろなことに気づくようになり、そこには、経営の業務改革と通じるものが多くふくまれている。ということでした。

たとえば、ひとりの人間が出来る業務というのは、大差はありませんやりかたひとつで大きく変わるということです。あたりまえのことと思われがちですが、少し見方を変えますと、人の作業速度を上げようというやり方や 人を多く投入するやり方は、生産性は変わらないということです。

作業速度より、多少時間がかかっても、仕事を始める前までに、その前作業の準備が終わっていてすぐに使える状態になっている方が大事だということです。

わたしたちはともすれば、量の多い部分に目がいきがちですが、こうした視点でみていくと、細々としたこと、意外にも多く時間をかけている「前作業・後作業」というものがあり、そこに改善の仕組みを入れることで、使える時間は大きく変わってきます。

少し前に、お見えになった、ある小売りチェーンの社長さんから「朝の品出しが間に合っていない。これを部門の壁を越えて応援とかでやる方法がないだろうか?」といったご相談を頂いたときのことです。

スーパーマーケットの場合、全体業務時間の約半分が、商品加工と品出しにかかっていることから、この業務量を減らすことが出来るか?ということが、どこでも問題になっています。

ところが、それを気合や精神論で無理に減らそうとすると、商品加工が雑になったり、点検漏れが発生し、店の信用に直結するため、人の手でこまめに、補充する従来のやり方でやっていました。

そうこうしてるうちに、少子高齢化問題の影響を受け、従来のやり方では、特定の人が残業になったり、高齢者まで枠を拡げないと採用確保できないといったことがあったのは、まだ記憶に新しいといえます。

店長やチーフは、商品加工・品出し応援するために、毎朝7時前に出社し、それが管理職の時間外労働の増大要因となり、問題化していきました。

雑務から店長やマネジャーを解放することが大事と分かっていても、長年やってきたやり方を変えるのは難しく、どこから手をつければいいのか?わからなくなっていたのです。

――――作業指示はどのように出されていますか?とお聞きすると

「こちらです」と従業員別の一日のシフトが書かれている紙を持って来られます。

――――大変失礼ですが、このシフト表は、何を基準に作られているのでしょうか?と申し上げると

「うーん」と歯切れが悪くなります。

仮説として、朝は多く人が必要という固定概念があって雇用契約されているのの、品出しは完全に終わっていない。それが、昼まで尾を引き、品切れが多いことから、店の顧客満足度は低く、売上停滞の悪循環が続いている…

ここで、検証すべきことを挙げるとすると

「朝に全ての業務が集中している」
   「必要資料が自動出力となってない」
   「作業量に合わせた人員体制の調整がされてない」

といったことが浮かび上がってきます。

一方で、プロジェクトとして、取り組んでおられる企業では、手間のかかってる特定業務を調べ、事前作業や、後作業を減らすことで、商品加工や品出しに要する時間は減ってきています。

また、朝の業務過多逓減へ向け、グロサリー納品時間を夜間に変更し、品出し時間を変更することで、問題は大きく解決に向かいました。

これによって、開店時には売場に商品がキチンと並び、お客様を笑顔でお迎えできる余裕をもつことが出来、「店員の接客態度」「品切れがない」といった顧客満足度指数が、大きく改善したことは言うまでもありません。

本来であれば、こういったことが全て一発で、できる様になれば、良いのでしょうが、そういったものにしていくためには、トライ&エラーでやっていかないと、いきなり仕組みを入れただけでは、どうしても動かないものだからです。

経営が掲げる目標に近づけるためには、こうした、細かいとこほど手作業で直していくことが多く、こういったところに、どれだけ経営資源を注入することができるかで、その成功度合いが決まってきます。

チェーンでは最初の1店舗 2店舗で先行投資をし、そこで生み出された資金のあるうちに、多店化波及させる時間との戦いになります。

そういう意味では、店舗数の少ないチェーンは、無理に拡げる必要がないことから、短期間で投資回収を進める事ができる為、生産性改善をやればやるほど、時間的に優位にたつことができると言えるのです。

さあ、まだ「うちは規模が小さいから生産性は関係ない」と言い続けますか?それとも、次のステージを見据え、人時売上に着手してみますか?
頑張ってください。応援しています。


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