今週の儲かる繁盛店の視点 第352話:「なぜ、言ったことが実行されないのか?それは、意識やコミュニケーションの問題ではありません。御社には重要な2つの○○が欠けているから」
「先生、ありがとうございました、本を何度も読ませていただきましたが、この通りにやるのはホントに難しいですね」とある講演でお会いした社長さんからのご相談です。
経営として、本を読まれ啓蒙活動に活かされることはとても大事ですが、現実的に、それを直接どうビジネスに活かすか?と考えれば、単なる啓蒙で終わらず企業業績は大きく変わってきます。
例えば、今まで観た映画で感動したのは何ですか?と聞かれた時、ひとつふたつ思い浮かぶものがあると思いますが、自ら舞台に立って登壇したときのことはハッキリと覚えているものです。
本も同じで「読む」だけであれば映画を見てると同じで、「その通りに完全コピーしてやる」となれば、なんとか結果をださなくては…と意識が変わるものだからです。
「うちの社員は 感想文を書けと言わないと 本など読みませんから…」という声が聞こえてきそうですが、
語弊を恐れず申し上げれば、会社は学校ではなく、ビジネスとしてお金を稼ぐ場だということです。
そう言う意味では、運営部長や店長に「読まなくてもいいから、この本の通りにやって、出来なことがあったら相談しなさい」といった方が何倍も知恵働かせるでしょうし、結果的に企業業績も上がるからです。
伊藤自身も本は、年間150冊以上購入していますが、これが多いか少ないかは別として、全て読んでいるわけではありません。
仮に、一冊約200ページの本をまともに読もうとすると約3時間はかかりますから、最初の30ページを基準に、ビジネスに使えないと思ったらその場で、読むのを止めます。
そうしないと時間が足りず、良い本と出会うことができないからです。
幸運にも、自分の求めていた本に出合えた時は、読み直すだけでなく、著者にアポイントをとって話を聴きに行きます。それがご縁でお付き合いさせていただくのは、人脈づくりの醍醐味といえます。
自分のビジネスを成長させるにはどうしたらいいか?ワクワクしながら準備をやりつづけるから夢中になれる、まして、夢の実現を応援してくれる人であれば、教えを乞うたくなるのは本能といえます。
そういう意味では、拙著をお読みいただきその想いをお聞きし、夢の実現をお手伝いするのは大変重要な役目だと思っています。
前出の社長にお会いした時も、色とりどり付箋をいっぱいに貼り端が擦り切れた拙著を前に「ここなんですよ」「もうその通りなんです」「なんとかやってみたいんです」と、熱い口調で語られ、そのときはお帰りになられました。
ところが、つい先日、再びご連絡があり、これまでやってきた、作業指示書とLSPソフトの見直しを含め検討したいと、ご相談にお見えになったのです。
生産性改善の手法も、日々進化しておりますので、基本的な考えは同じでも、時流に合わせ、バージョンアップされたものにしていくもの、ほんの少しのズレで、稼げる金額が数千万~数億と大きく変わってきます。
人時割レイバースケジュールひとつとっても、「小売業で細かいことやったってどうせできないから、だいたいこんな感じで…」といったアバウトなやり方でやってしまうと、
「ん?なんかおかしい?」「少し違うのでは?」と、導入したものの、期待通りの結果にならない…と気づいてからでは手遅れということです。
実際にお手伝いさせていただいている企業では、社長が理想とする店を、本に書かかれた手順のとおりに、1店舗作ってみてください。と申し上げています。
「そんな簡単に出来たら苦労しません」という声が聞こえてきそうですが、
ここで大事なことは、「出来ないことは何か」を知るということです。そうすることによって、店舗だけでなく、本部機能に何が必要で、組織や仕組みをどう創っていけばいいのか?自ずと見えてくるからです。そこをプロジェクトで補強することで、大きく理想に近づくことが出来るからです。
社員個人の意識やコミュニケーション力に依存しても夢は実現できません、社長がビジョンを掲げ、社が総力を挙げて取り組むことで初めて、貴社らしい「個店力最大化」が実現することができるからです。
さあ、貴社では まだ、啓蒙活動で満足し取り組みを先延ばししますか?それとも、社長が理想とする店づくりを掲げ成長の突破口を見つけますか? 次にその成功を手に入れるのはあなたです。