今週の儲かる繁盛店の視点 第119話:「成長を続けるために必要なこととは?」
第119話:「成長を続けるために必要なこととは?」
「今は、そこそこの利益もとれてます。しかしこの先このやり方が通用するかどうかは見えない。今までのやり方の見直しをかけていきたい。」
とある チェーン経営者からのご相談です。
今まで強いフォーマットを 作り続け利益を伸ばし続けた強いチェーンです。
中期計画を策定するにあたって、今の戦略にかげりが見えた時点で手を打つというのは、強いチェーンならではの手法であります。
目の前の課題といえば、これから先5年10年と勝ち続けるためにどうすべきか?ということになります。
このチェーンに限らず、人口減少が始まってからというもの、売れ方が変わってきています。
例年今頃のシーズンですと、野菜放出とか、北海道収穫祭といった催事で売り上げの底上げができていましたが、最近は、思うように売上がとれない状況が続いています。
団塊世代の定年退職、少子高齢化シニア層の個食化といったことから、食が細くなりつつあるのに、今まで通り他社より先んじて、安く大量に買ってもらう。といった過去のやり方は通用しなくなっています。
人口増加の時代は、規模の拡大、薄利多売を続けることで、とれた売り上げも今は、売上がジワジワと減ってきています。
今まで、経常利益率3%以上取り続けてきた企業でもこのままでは、お金が残せなくなってきて、この先、どう手を打つか行動しなければならない時期に突入してます。
一方で今まで躍進してきた企業は、カリスマ的経営者が一人で考え一人で決断をし企業をひっぱってきました。
こういうときはどうやって手を打つべきか、ありとあらゆるパターンを想像し、その匂いを嗅ぎ分け、そのつど勝ちパターンを作り上げてきました。
ひとりのたぐいまれなるカリスマ経営者によって、支えられてきた企業はそれは立派なものです。
これからは、その理念を生かし、今後は誰もがその企業を支え成長を維持させることができる「しくみづくり」が必要な時期となってきます。
では、その「しくみ」は、いったいどうやってつくればいいのか?ということになりますが、例えば、自動車産業であれば、そういった場合、いったんは全てを分解して、使われている部品や部分部分の組み合わせや機能を調べ上げることから始まります。
有名な話では、トヨタ自動車が新車を発売するとホンダ技研や三菱自動車系列の企業が即座に一斉に購入し分解し研究する。
その逆もしかりで、そこまでやるから、日本の自動車産業はグローバルで優位に戦いづつけることが出来るといえます。
小売りチェーンの場合、自動車のように買ってきて分解するわけにはいきませんが、まずは自社の店舗の仕組みがどうなっているかは知っておかねばなりません。
商品が店舗に入荷して、加工され、陳列され、接客販売でどうやってお客様の手元に渡るのか?
ある種、店舗を工場に見立てて生産性を高める方法を常に改善することは十分できます。
「そんなことやって、売上があがるのか?単なるコスト削減じゃないか」という声も聞こえてきそうですが、毎年売上利益を上げ続ける自信があれば、やる必要などありません。しかし、売上は時の条件によって変わりやすいもので、上がるときもあれば、下がるときもあり、実際に下がり続けるほうが多くなってきています。
私は、成長チェーンの条件として、必要最低利益を経常3%以上更新する仕組みを持つことが重要である。
としてますが、これが確保できない場合は、成長戦略コスト確保のために、コスト削減で産まなければなならいと断言しています。
これをせずに、チラシで客数を伸ばしても、広告代理店の利益が上がることはあっても、貴社に残るお金は増えることはありません。
断っておきますが、けしてチラシが悪いと言ってるわけではありません。
新聞購読率が毎年下がる中、効果が期待できないところにお金を投じるのではなく、店舗力を高める準備に時間をとったほうが、圧倒的に投資回収が高いからです。
個店力を上げる効果がどれくらいのものかは、ここでは申し上げませんが、中長期計画の柱として打ち立てることのできるレベルであることは確かといえます。
店舗のムダを見つけ、利益を増やす業務に再配分する仕組みをつくるには、一定の時間がかかります。
そういった研究であったり、討議を定期的に進めることで、気づけば残る利益の桁が変わっていたということはよくある話です。
中期計画は一夜にしてはならずです。さて貴社では、中期計画について考える時間を定期的にとっておられますか?
今日も最後までお読みいただきありがとうござました。
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