今週の儲かる繁盛店の視点 第493話:「なぜ、目の前で起きている問題の本質を見抜けないと高収益は実現できないのか?」
先週末は、肌寒い雨模様でしたが、皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか?
我が家も今シーズン初の鍋が登場、体に優しいしヘルシーとの理由からか初回は豆乳鍋でした。
一方で、気温はちょうどいいのに、なんだか、肩がこる、疲労が残る?と感じる今日この頃でもあります。
実は、秋と肩こりの関係は結構あるようで、気温が下がると血流が悪くなり肩がこるとのこと。
それはしかたないと、諦めるのは簡単ですが、そう思ってしまうと人は行動できなくなくなるものです。そうならないためにと意識すれば、あれこれ考えつくものです。
シンプルに考えれば、天気情報をみてこまめに着るものを調整したり、日ごろから運動をして気候の変化に慣れるようにすることで体調維持はできるものです。
ビジネスをも同じで、今は売れてるから…とか、人が集まらないから…といって、環境を理由に何もしないと後になって、あれ?こんなはずでは…というのはよくあることです。
先日も・・・
「先生、業務改革のプロジェクトは、専任者でないとダメでしょうか?」 少し前にセミナーに参加された、とあるチェーンの社長さんからのご相談です。
お話をお聞きすると、食品売上が伸びていて、今、社員を店舗から抜いてしまうと、上がった売上が落ちてしまうのではないか?とのこと。
――――もう少し具体的に教えていただけますか?
「かつて、募集をかけても人が集まらないため、本社員を採用し店舗に配置し、パートタイマー不足の穴埋めをしてきた経緯があります。今、伸びてる売場は15%近く伸びていますし、欠員もあるので、そこから引っ張るのは難しいと思います」
――――その店舗の定員は何人ですか?
「え!」と、口こもられます。
そのお店では何人いれば、満足のいくサービスが出来、利益を毎年上げていくことができるのか?というものがあれば、目標値との差異が分かり、何をすればよいかある程度対応方法は見えてきます。
言い方をかえますと、そういったことが不明確なまま、人を入れたから、売上があがってる…という周囲情報を鵜呑みにするのは、利益率低下の危険性をはらんでいるということです。
さらに注意しなければならないことは、「集まらない」という理由から、パートタイムで済む仕事を、フルタイム本社員で穴埋めをしてきたということです。
一見、柔軟に活用できそうな本社員ですが、単価は高く契約時間も長いことから、パートタイムの仕事をするのは不向きということです。
作業指示書があって、人を細かく活用できる体制であればまだしも、現実的に、すべての仕事は個人任せになってるため、暫定的に取り組んだやり方を、早急に見直しをかけていかなくてはなくてはならないということです。
そうはいっても、何をどうするということはすぐには出来ないことから、まずは、実態調査から問題を特定していきます。そういったことを担うのが、業務改革プロジェクトメンバーということです。
業務改革や改善は単年で終わりはありませんから、その翌年以降もどこに問題があるのか?誰でもわかるように、作業内容や数値を明らかにしていくことも必要になってきます。
企画立案から実行着地まで一貫性をもって、店舗ロス改善を進めていくためにも専任メンバーが必要。と申し上げるのはこうした理由からです。
「プロジェクトとなると、今よりもっと忙しくなるのでは…」という声が聞こえてきそうですが、
実際に、この手法で、売上営業利益率を3年以内に3倍、中には5倍以上にした企業は数えきれないほどあります。
興味深いのは、そういった企業ほど、「考える時間がもてるようになった」「時間が余るようになった」とみなさん口にされるということです。
かつてのように、あれもこれもやって売上だけを目指そうとすれば、忙しくなるのは当然といます。
人口減が進むこれからの時代、売上はそのままでも利益増になることに絞ってやる店が増えれば増えるほど、こういうことが起きるというのはむしろ自然の流れということです。
さあ、貴社では、まだ、社内の売上げ優先という言葉を鵜呑みにし、高収益へのスタートをさらに先延ばしにしますか?それとも、すぐに行動し、社内の期待を超える利益を実現しますか?