今週の儲かる繁盛店の視点 第513話:「売上減の真の理由と向きあおうとしない企業の行く末は?」
「先生、ここにきて売上の伸びが、落ちてきているので、何とかしなくてはと思ってまして…」とあるスーパーマーケットチェーンの社長さんからのご相談です。
お話をお聞きすると、値上げが一巡し、節約意識の高まりから、売上の伸びが毎月か下がってきている。とのこと。
―――もうすこし、具体的に教えていただけますか?
うちの地域では値上げが落ち着いてきたことから、競合各社が、再び価格を強く打ち出してきていて、そこにお客さんが流れてしまってるんです。
―――なるほど、他にありますか?
新規にドラッグストアが自社の店舗の近くに、出店してきているということがあります。
――― どんな些細な事でも構いません。他にありますか?
競合の店舗では、開店時に商品を完璧に並べ、全ての売り場が決まっているのに対し、なぜか、ウチはそれができない。ここは、以前から問題だとおもっています。
―――商品を完璧に並べる…とは、具体的にはどういうことか教えていただけますか?
開店時に定番商品の品切れがなく、全ての売場が手直しがされてる状態です。
―――競合の価格、競合の新規出店、朝の品切れ…といったことがでてきましたが、特に解決されたいのは何ですか?
「朝の品切れです」
―――朝の品切れ問題については、目標があるかと思いますが、それに向け、これまでやってきたことについて、教えていただけますか?
「はい、朝は部門を越えた応援体制で品出しをやってます。しかし、加工や調理が必要な生鮮では、応援を受けいれることが難しいとこもあります。特に鮮魚、惣菜といった部門は人が集まりにくく、常に不足した状態なままです。
あまり大きな声でいえませんが、これ以上人を入れると人件費がオーバーしてしまう。ということもあって、それも悩みの種です」
――――何があれば、解決出来ますか?
「作業指示書のようなものがあれば、本当に必要な人員がわかるので、上手く人を活用できるのでは…と思っています」
―――自社に合う作業指示書をどのように作っていけばいいのか?ということについて、一緒に考える時間にするということでいかがでしょうか?
「はい!よろしくお願いします」
といったふうに話は進んでいき…
社長ご自身が、朝の作業やり方に違和感を感じたのは、どういうことなのか?について、一緒に考え、整理していくことになりました。
総務省の就業基本調査によると、2023年の女性の有職率は20年前にくらべ12%増加していて、反対に男性は4.5%減少していることがわかります。
これは、働く女性が増え、定年やリストラで仕事のない男性が増えたことを表しています。今後、これはさらに進んでいくことが考えられます。
思い起こせば、20年前は、まだ、団塊世代の専業主婦層が多く、お昼の時間に買い物に来てくれました。ようは、何もしなくても売上は安定してとることができた、ということです。
あれから20年が経ち、団塊世代はすでに後期高齢者の年齢になっています。今は、その子供の団塊ジュニア世代が主役となっています。ところが、夫の賃金が団塊世代ほどあがらないことから家計の足しにと有職主婦が増えはじめ、今では女性の社会進出があたりまえになりました。
有職主婦は、かつて、時間に余裕のある専業主婦とは、生活行動が全く異なります。
例えば、平日は自分の仕事と子育て、休みの日は親の介護というのが日課です。買い物先のスーパーで、買いたい商品が品切れして無かったり、レジで待つとなると、食事の準備に間にあいません。
そのため、営業時間の長いドラッグストアやAmazonなどの通販の乗り換えるというのは、むしろ自然の流れといえます。
昔のように、朝から昼まで時間をかけ品出しして、昼のピークが過ぎたらあとは売り減らし。というやり方ではもう稼げない。というふうに大きく変わった。ということです。
もし、現状の作業を丸写ししただけの作業割当表を、使っておられるようでしたら、それは、作るだけムダになる。ということです。
有職主婦のお客様が納得できる、作業指示書になっていないからです。
売上減をカバーして利益を上げていくために必要なことは、お客様が求めていることに対し、真剣に向き合い、ひとつずつ解決し、それを作業指示書の中に組みいれていくことです。
詳しくは、個別相談、セミナーでお伝えしてますが
それなくして、悪くなることはあっても改善することはひとつもないということです。
さあ、貴社ではまだ、競合ばかりに気を取られ売上減を容認しますか?それともお客様の問題解決ができる作業指示書をつくり、大きく成功するチャンスを掴みますか?