今週の儲かる繁盛店の視点 第538話:「なぜ、人時売上を使えるようになるとグングン利益が上がるようになるのか?」
先生 店舗で人時管理をちゃんとやっていくと、本部の指示の出し方も今までどおりではだめなことがよくわかりました。
とある企業の社長さんの一言です。
これまでも、価格変更や棚替え、研修等の連絡はきめこまかく指示をだしてきたつもりでした。
ところが、店舗で人時作業指示書をこうして、やっていくと、店舗の作業を考えずに一方的に決めていくやり方では、人時売上も店舗コンディションもアップできないことがわかった。とのこと。
――――どういうことか、もう少し具体的に教えていただけますか?
今までも、店舗でかかっている作業を調べ、それに対して人員をどう配分していけばいいのかは、だいたいはわかってやってきたつもりでした。
でも、そのやり方をどんなにやり続けても利益改善は出来ませんでした。
そのやり方とは、あるべき理論数値をもとにその通りにやっていくというものでしたが、現場の実態とかけ離れていたため、どんなにがんばってやっても達成出来ない机上の空論と化していたんです。
業務改善部長もそういったことにうすうす気づいていたものの、「四の五の言わずにその通りにやってみろ!」とスパルタ式でやらせてしまったため、社長に意見を言わない社風を生む結果になってしまったのです。
その代償は計り知れず、指示待ちの社員が増えただけでなく、店長をはじめとする現場に不満がたまり、本部と店舗の信頼関係は良くなくなりました。
そういった状況でしたから、改装投資をしても、手間がかかるようになりコストが増えた。とか、賃上げしたものの各個人を生かし生産性はあがっていないといったコトが起きました。
さらに、ここ数年販管費が毎年0.5%前後で上昇していて、このままだと5年以内に利益が出なくなることに強い危機感をもたれたそうです。
そういったとき、拙著「時給2000円払っても営業利益10%だせる収益モデルの作り方」を手に取られ、まさに、こういった状態の店づくりをやってみたいと思ったのがきっかけだったそうです。
改めてこうしてちゃんとやっていくと、どこをどのように直していけばいいか?店長がちゃんと説明できる。それを本部がサポートする。
そのためにはもっとお金と時間の使い方について、知恵を絞っていかないと成果はでない。
それを横展開をする組織やシステムをつくっていくのが社長の仕事だとピンときたそうです。
そういった取り組みの結果、人時売上導入店舗の営業利益は、実施前の4倍を超えています。
かつて粗利26%で経費率25%、営業利益1%で苦しんでいたお店も、今では人時運用がうまくできるようになり、営業利益率4%台をたたき出しており、店長も「6%を目指していきます!」と益々勢いに乗っています。
こういった、店舗を 5店 10店と増やすことができれば、無理なくあなたの企業も高収益にうまれかわることができるというわけです。
この企業がやってきたことは、
店舗で何が問題なのかを明らかにし、いくら人時売上が上げることが出来るかを設計して実行していったということです。
例えば、一日限りの売上増を狙った販促手法から、週間での人時売上高が上げていく手法に変更したことです。人手をかけずに売上をアップする手法を組み合わせ、人時売上をアップを着実にしていったことにあります。
また、店舗改装も売上アップ目的から、店舗運営上の問題を100%解決し、人時がかからない設計に変更したことが、投資回収効果上げ、収益アップに結び付いていきました。
こういったことができるようになると、 店舗の一人一人の動きに無駄が無くなります。
そのため、本部からの一方的な指示の出し方ですと、店舗の品出しが間に合わず品切れになったり、レジでお客様を待たせたりということが起こります。
そこで、そういったことを数値化し、店長や本部の端末からもわかるように変更すると、価格変更や商品棚替え、研修案内などの指示の出し方についても、大きな見直しが急務と、気づかれたそうです。
社長曰く
20年かかって出来なかったことが、この取り組みによって僅か1年~2年で出来あがりつつあります。この先5年、10年のやるべきことが目印となってはっきり見えたことが、おおきな自信になってます。と笑顔で話される社長さんの姿を見ることが出来、こちらもホッとしています。
詳しくはセミナーにてお伝えしておりますが、
あなたの会社が、大きな自信につながったと笑顔でお話になれる時を、我々は応援しています。
著:伊藤 稔