今週の儲かる繁盛店の視点 第540話:「なぜ、店舗業務改善が必要なのか?やらない企業の行く末は?」
9月に入り気温が下がり、エアコン調節せずにいたら、風邪をひいてしまいました。
すぐにクリニックに行くと、ドクター曰く「のどが少し腫れてるので、今日のところは抗生剤を出しときますね」と診断を受け、一安心。
ところが、かかりつけの調剤薬局へいくと…
「その抗生物質、入荷してこないんです」
―――え。どういうこと?
「いま、国内の抗生物質の流通量が極端に減っていて入荷してこないので、受診されたクリニックの近くの薬局さんで聞いてみてください」とのこと。
急いで、来た道を戻り在庫がある店舗を見つけ、何とか買うことが出来ました。
それにしても、抗生物質の流通量が少ないとはどういうことなのか?
抗菌薬不足の発端は、原材料をつくる中国メーカーの工場の 排水処理に問題があるとして、中国当局の指導で操業できなくなったのが2019年。
また、2021年に国内後発薬メーカーで製造や品質の管理不正などが相次いで発覚し これにより業務停止処分が出され、製造、出荷の縮小が起こりました。
しかし、抗生物質を国産で作ろうと思っても、薬価法で価格が低く抑えられているため赤字になるのでどこもやらない。
コロナが終息し需要が一気に増え、ここにきて慢性的に不足してる・・・
早い話、原材料不足、作り手の不在、需要増といった問題から、簡単に治るはずの風邪が治らなかったり、手術に必要な抗生剤の入手が遅れたりという問題が起きているということです。が、なぜか?メディアではほとんど報道されていません。
抗生物質の不足問題を報じないメディア問題はさておき、効力そのものについて考えてみると
抗生物質は、体に侵入した 細菌の活動を鎮静化させるものです。今回の私の扁桃炎のケースでいえば、喉の表面の炎症を抑えるのは炎症止め薬。
一方で、粘膜から侵入した菌を根本から感染力を弱めていくのが抗生物質の役割と言えます。このふたつが上手く作用して喉を健康な状態に治していくわけです。
実はこれ、チェーンストアの人時生産性改善に良く似ています。
店舗の無駄をなくす非効率業務改善は、ムダを止める炎症薬。
一方、レイバースケジュールプログラム(LSP)はその中に潜む抵抗勢力の動きを鎮静化させる抗生物質。この二つのを上手く組み合わせ、人時売上力を引き上げていくものだからです。
こういった話をすると「コストも大事だが、売上の方が優先」とか「大事なことは、わかっているが、面倒なのでコストは手つかずのまま」といった声が聞こえてきます。
各社お考えがあるので、どうこう言うつもりはありません。
問題は、会社のコスト流出しているのに、自覚症状がないということです。
生活習慣病検査で異常値がでていたにもかかわらず体質改善を怠り、突然、心筋梗塞、脳梗塞を発症するように、
気づけば、高コスト化していて、経費の粗利越え?・・・といった、笑うに笑えない状態になってからでは手遅れ。ということです。
高コスト化で利益1%程度しかだせていない企業の体質というのは、ある日突然そうなったのではありません。店舗業務改善をやったことがなく、何年もかけ余分な経費が積み重なった結果です。
言わずもがな、数年以内に、そのような企業の看板が消えることはあっても、大きく売上利益を伸ばす。ということは、まず、ありません。
これは、全てのビジネスで同じです。
製造業でも建築業でも自動車でも、毎年売上を伸ばし続けることが出来るのは、わずか数パーセントというのが一般的です。
人口が増えてた時代は、売上、コストの順番でやっても回すことは出来ました。人が多くいたので売上は上げやすく、人件費も低く抑えることが出来たからです。
しかし、人口減少が進むと、人件費はアップしていきます。そのため、ます既存店のコストを下げる店舗業務改善策から考え、その上に、新店や新商品をプラスして売上を伸ばしていくことができていないと、利益計画がたてられないわけです。
断っておきますが、コスト改善だけが 経営の目的だと言ってるわけではありません。
企業が健全に成長していくためには、売上→コストの考え方ではなく、コスト→売上の収益アップ策が必要になるということです。
特に、SM、GMS、HC小売チェーンは、表面売上が数百億と高い反面、利益率1%の超薄利のため、コスト管理の精度が重要なキーとなります。
そのため、1人一人の働き方によって収入が変わるマンパワービジネスの管理できるか否かで大きく結果が変わってきます。
もし、その一人一人の動きを見えるようにして、ムダを無くし効率的に動かすことが出来たらどうでしょうか?
それによって、人時売上を上げて利益率を1.5~2倍にするのはもはや夢ではないということです。
資金の余裕が出来ると、見える景色が変わってきます。融資でも増資でもなく100%自社調達ですから余計な縛りがありません。
そのお金を使わなければ剰余金になってつみあがっていきます。
計画的な店舗改装、設備投資ができるようになります。賃上げはもちろん、スキルを持った人材の採用確保、成長戦略のノウハウ導入。
今まで、中々手を加えたくても手を付けることが出来なかった部分への投資ができるようになるとから、さらに、投資効率があがっていくことになります。
詳しくは、セミナーでお伝えしていますが、2~100店舗規模のチェーン企業が次々と企業資金力を高め成長を実現されています。
さあ、貴社では、まだ、売上げアップのための高コスト戦略を続けますか?
それとも、経費が下がる仕組みで高収益チェーン企業の仲間入りをしますか?
著: 伊藤稔