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今週の儲かる繁盛店の視点 第546話:「なぜ、業務改善プロジェクトが進まないのか?業革が出来ない企業の行く末は?」

「先生、全て後手に回ってしまっていて、うまくいかないんです。

コロナの時も他社が売上を上げてたのに、ウチは売上を落としていました。

不採算店舗を閉鎖し一時的に良くなったもののそこからの回復に苦戦してます。

うちのように十数店舗のチェーンでも人時売上を使った生産性改善ってできるものでしょうか?」

少し前にセミナーにお越しになったとある企業の社長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、最低賃金基準がもっとも低い地域だそうで、これが毎年上がっているため、早急に、人件費をコントロール出来るようにしなくてはならない状況が迫っておられるとのこと。

一方、店を回っていると、「人が足りない、集まらない」という声が聞こえきます。そこで、人の過不足のバラツキを是正していこうとすると…

個々の契約がそれぞれ違うので簡単には出来ない。とか、手が空かないように別作業をやらせている…といった意見がでてきて、一向に改善が進まない。

こういった状況の中、ひとりひとりの販売力を知り、そこから、どうやって改善すればいいのか?お知りになりたいとのこと。

――――御社がどういった状況なのか?情報がない中、いい加減なことは申し上げられないので、お応えできる範囲で答えさせていただきますね。

まず、ひとりひとりの販売力を知るとは、人時売上高のことかとおもいますが、あってますか?

「はい、そうです」

1つ実験店舗を決めて、人時実績表を片手に、売場ごとになぜ予算差異が出るのか?その要因を見つけることからはじめていきます。日々の人件費超過は何が問題なのか特定できれば、店長として改善すべきことが分かり、即効で数値が良くなっていくからです。

これとは別に、実験店舗では、業務改善チームが非効率作業についてヒアリングを行っていきムダ作業の改善を行っていきます。

非効率業務改善が進むと店全体の業務量が減りますので、それによって人件費は下がっていくというのが業務改善の大きな流れになります。

注意しなくてはいけないのは、御社のようなSM企業では 人に作業がついてしまっているため、業務を減らしても、なかなか人件費が減らないということです。

人に仕事がついてるというのは、個人の出勤予定や個人ペース任せの作業になっていることをいいます。

例えば、

「Aさんにしかできない作業があって、Aさんの代わりが出来る人がいない」とか「Bさんにしかできないこの作業はBさんが来る別日にでもやってもらおう」ということです。

いわゆる 特定の人しかできない「でも、しか」作業に依存したやり方のことを言います。

「出来る人に仕事をやってもらうことの何が問題なのでしょうか?」という声が聞こえてきそうですが

少し考えていただければわかることですが、本来、その作業はいつやれば、その店の利益が最大化するのか?というのは、店長と売場責任者にしかわかりません。

つまり、お客様が満足いく売場をつくり、店舗利益は最大化するには、何時にその作業が完了していなくてはならないのかは、売場責任者から指示が出されることが前提となります。

それを売場責任者は365日分設定し、そのスケジュール通りに作業を行われたかを確認することによって、利益が上がっていく。ようにするということです。

もし、こういった仕組みがなく、個人のペースで作業をさせてしまうとどうなるか?

店はオープンしていてるのに、「刺身を切る人がいないので刺身盛り合わせは出来ません」とか、「パンを焼く人がいないので ISBのパンは提供できません」とか、「レジを打てる人が少ないのでレジでお待ちいただきます」とか「お酒の発注担当者が休みなのでビールなどの品切れしてる商品があります」等々・・・ということが起きます。

「品切れ」「レジでお待たせする」状態が3回~4回続けば、普通のお客様であれば、アマゾンで注文するか?よその店に行くので、店の売上客数が徐々に減っていきます。

いわゆる「人がいないんです」という言葉がでてくる企業というのは、こういったことで、売上アップと人件費改善のチャンスを逃しているということです。

こう申し上げますと

「そういった改善も、一年もたてばその効果は終わりなのではないか?」という声が聞こえてきそうですが・・・

机上では一見そのように見えますが、実際実務としてやっていくとそうはならないのが、ビジネスの面白さといえます。

と申しますのは、

非効率業務改善策の全体を100とした場合、店ですぐ出来るような小さな改善は2割程度しかなく、残りの8割は本部の承認が得られなければできないものだからです。

最も多いのが、予算の関係上、単年投資できなかったり、創業以来長年やり続けてきた啓蒙活動的なものや、先代からのつきあいのある取引先や協力会社との関係から、いきなりカットや追加といった変更するのが難しいことがたくさんあるからです。

そういう意味では、問題特定ができれば、そこから何年目にそれを実行させていくのか?という企画立案はできますので、そのプラン提示こそが最初にやるべきことになります。

そこができると、2年目、3年目、4年目にやるべきことはコレ、というふうに現実味を帯びた利益計画が出来上がるようになっていきます。

こう言いますと・・・

――――プロジェクトは組んでるが進まない。という声も聞こえてきます。

プロジェクトで目標達成するには、次の3つの大事なポイントがあります。

・ゴール掲げ、達成手順を体系化する
・調査は短期間に実施。全てシンプル化していく
・成功体験を実体験する

まずは、目標を掲げどういったステップで一年後の目標に到達していくのか?という道筋をたてることです。

ステップの段差は出来る小さくし、ムリなく、それを登って行けばゴールを到達できるようになっているかが重要になります。

ステップを登っていくためには様々な調査も必要になってきます。ここでのポイントはその調査にかかる時間を必要最短化させていくことです。

調査結果は基本的に全て数値化していくわけですが、中には数値化できないモノもあるためそれは言葉で記録していきます。

数値化だけにこだわりすぎるあまりそこがボトルネックになって進めなくなったり、方向がそれてしまったりするのを避けるためです。

そして、最も大事なことは成果を出し続けることです。

人の心は弱いものです。どんな素晴らしい企画も成功体験ナシに、前に進めることはできないからです。

しかし、プロジェクトに失敗はつきものです。

ここで、ネガティブになれば負けだということを肝に銘じ、プロジェクトメンバーへの感謝と賞賛を忘れなければ、必ず成功を手にできるということです。

各社お考えがあるので、どうこう言うつもりはありません。

上手くいかないプロジェクトを嘆くのではなく、「現場のひとつひとつの声に耳を傾け、それを前に進めための原動力にできるかどうかによって、得られる成果は何千倍も変わってくる」ということです。

詳しくはセミナーでお話していますが、

そういった企業に成功していただくために、サポートするのが私たちの使命です。

がんばりましょう!応援しています。

著:伊藤 稔


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