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今週の儲かる繁盛店の視点 第554話:「EDLPで成功する企業と失敗する企業の違い」

 

「先生 本にEDLPについて書かれてますよね。ウチでもやってみたいのですが・・・」セミナーに参加されたとある企業の社長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、EDLP型の競合スーパーが出店してきて、じわじわと客数が減ってきているとのこと。

出店したきた当初はそれほど影響はなかったので たいしたことないと思っていたのですが、1年たったぐらいから前年実績を割り始め、これはまずいと思い、相談におみえになったそうです。

ーーーーそのお気持ちとてもよくわかります。

とはっきり申し上げました。

 

EDLPの新規競合が出てきた地域のチェーンの社長さんは 皆同じようなことを言われるからです。

というのは、EDLPは日替わりチラシを打たないため、日によって大きな売上変動影響を受けることがあまりありません。

実際にEDLPの競合店を見に行って気づくのは、「それほど混んでいない」ということです。その状況から「うちの店の方が混んでるからまだ大丈夫」と見た目からあまり影響がない?と感じる。ということです。

「売上変動が少ない」「お店も混んでない」といった情報が揃えば、影響がないと認知してしまうもの。なぜなら 人は情報の8割を視覚から得て物事を判断する生き物だからです

最初は、微量のお客様がEDLP店に毎日少しずつ流れだし、しばらくして、数字がおかしくなって気づけば、赤字ギリギリに…というのはよくある話なのです。

前出の企業様も競合出店時の影響度がマイナス0.1%減であったため、はじめは誤差とおもっていたようですが

しかし、何かおかしい…と社長が気づかれ、手遅れになるまえだったのは不幸中の幸いと言えます。

例えば、0.1%の影響度だとすると、毎日1500人のお客様が来る店であれば15人です。

年商10億以上店舗をいくつもかかえておられるスーパー企業であれば、見落とされても無理はない範囲といえるでしょう。

しかし、客単価2000円とすると年間約1000万円もあり、締めてみてマイナスが増えていたことに気づき、「このままではヤバい」となるわけです。

EDLPとは…ゆっくりと変化する環境や危機に、対応することの難しさを戒めた心理戦といえます。

●お客様にとってのEDLPとは

一方でお客様にとっては、日替わりチラシが訴求されれば、その時々に、何処に行こうかと目移りするものです。

しかし、毎日がお買い得のEDLP店の場合、そういったチラシを打たないため、一度、買い物にいって他より安いことがわかれば、チラシを見る手間がなくなるので、直接店に行くことになります。

そうなってからでは、時、既に遅しということです。

そもそも、同じ品質の商品が、毎日安いわけですから、お客様の都合で好きな時にお得な買い物が出来ます。

それだけでも有職主婦にとっては十分魅力的なものとなっている。というのが、見逃せない重要なポイントだからです。

ある意味、いつでも欲しい時に、一定の安さで買うことのできるアマゾンと、リアル店舗の間を行くポジショニングで商売をしていくといったイメージですので、その便利さを知ったお客様がどんどん増えていく構図になっているということです。

 

●店舗人時生産性を上げる仕組みが出来ていることが必須

前職ウォルマート西友時代も、長年やり続けてきたハイ&ローからEDLP戦略に切り換えたことが黒字転換のきっかけとなりました。

それによって、周辺競合は力を弱めていき、一人勝ち状態になっていったのです。

業績賞与が出せるようになり、店長給与も年俸1千万を超すことになったことは、

拙著「時給2000円払っても営業利益率10%出せる収益モデルの作り方」の中で書かせていただきました。

なによりも良かったのは、商品原価交渉経営から店舗人時売上中心の戦略に変えたことで、成長に必要な資金を自力で生み出せるようになったことです。

店舗の生産性上げることで、それが商品価格を引き下げ、給与も上げることへと繋がる逆のスパイラルを作ったことで、自らの利益をコントロールできるようになったのです。

表向きEDLPを語る企業はたくさんあります。

しかし、それをやるためにはEDLC(毎日がローコスト)が出来て、高収益体制が作れることが前提になります。

セールスパワーを振りかざした原価交渉による安売りや安易なPBづくりは長続きしません。なぜならば、メーカーや取引先に主導権を握られた経営だからです。

インフレの今だからこそ、いつでも、欲しい時に 安い商品が買えることが、最大の威力を発揮します。

そのためには、小売り側が主導権をもって、EDLPのステップに進んでいことが条件になるということです。

そういったEDLP推進することができるようになって、はじめて、お客様が、社員が、メーカーがあなたの企業を支援をしてくださるようになるということです。

詳しくはセミナーでお伝えしますが、

EDLPで地域で一人勝ちされたいあなた、セミナー会場でお会いしましょう。

著:伊藤稔


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