今週の儲かる繁盛店の視点 第130話:「見えにくいコトを見えるように出来るチェーンと出来ないチェーンの違いです」
第130話:
「見えにくいコトを見えるように出来るチェーンと出来ないチェーンの違い」
「やっと見えてきました。どういうものを使い、どういうタイミングで伝え、確認していけば、いいのか」とあるチェーンの社長のつぶやきです。
業務改革に限らず、指示事項が伝わるのには時間がかかります。
極端な話、伝わらないまま、あっという間に1年過ぎてしまうことがあることもたくさんあります。
社長にすれば、そんな難しいことじゃないのに、なぜできないのか?と思うこともたくさんあると思います。
冷静に考えてみていただければわかるのですが、裏を返せば、たくさんのコトは伝わらないということです。
出来るだけ短い言葉で伝え、最大効果を生みだすことを考える。ということになります。
「そんな、そんな都合のいい言葉など、すぐ見つからない」という声が聞こえてきそうですが、社員が求めるのは、企業がどこを目指していて、それはいまどこまで進んでいるのか?という情報です。
どんな立派な目標を掲げても、その後の経過を何も伝えなければ、絵に書いた餅ですので、何もかわりません。
その進捗状況をコンパクトに定期的にメッセージを出していくことが必要です。
社長ご自身の言葉で、今月はこんな取り組みをやった結果こういう効果が得られた。
次の四半期で、○○店舗で取り組んでいく。1年後はこうなる 3年後にはここを目指す。というひとことであります。
ここで、大切なのは 伝えるべき情報を絞るということです。売上利益、坪売り、坪差益率、支持率・・・いくらでも伝えたい数値はありますが、増えるほど伝わらなくなります。
その中で、伊藤が、日ごろ申し上げているのが、「人時実績」推移がどう変化し、何に取り組んだからこの店ではこういった結果になった。
という事例説明をしてください。ということであります。
この「人時実績」は何もしなければ、数値は全く変わりませんが、生産性をあげようと行動をとることで敏感に変わってくる数値のひとつです。
例えば、売上は横ばいであっても、少ない人数でやる改善が進めば「人時実績」はおのずと下がり人時生産性は上昇します。
何もしなければ、変わらない数値でもありますので、しっかりウオッチングしていくことで、サービス残業等のワークルールの点検にも活用できるものでもあります。
この数値を戦略的に活用することで、3年~5年の中期ビジョンはかなり明確になってきます。
ビジョンとはいわゆる目標値ですが、これは社長が目指す理想のチェーンを思い描き、それを実現すればどのくらいの結果がでるか。というものです。
先ほどのチェーン企業では、社長のビジョンは明確でした。
しかし、達成方法手順というものをここ数年かけて、確実に自社のものにしようと果敢に取り組まれた結果が出たことで、この先大きく発展成長されることと思います。
かつてチェーン各社はいい売場、価格競争、差別化商品といったある意味ハイコストで売り上げをあげる手法をとってきました。
今は、周りを見渡せば、半径500m内の競合だけでなくAmazonや楽天が脅威となっていて、これからは、欲しいとき必要な分をローコストで提供できることがビジョン達成の条件であることは火を見るより明らかです。
少し前までは、人時を使った作業指示書=レイバースケジュールを5年~7年かけて定着させていました。
今は先ほどのチェーン企業のように1年~2年で動かせる時代に入っています。
そして数年後には半年ぐらいで導入できる時代がまもなくきます。
ローコスト運営を基盤とした、店舗コンディション改善手法をいかに早く、導入活用することができるかどうかが、リアル店舗チェーンの勝ち組の姿であるといえます。
時代は急速に変化しています。将来を見据え素早く行動するためには、高い目標が必要です。
社長が悩んで考え抜き、「とてつもない目標」を提示した瞬間に企業の成長は始まります。
目指すべきは、流行・話題に惑わされることなく、店舗のムダコストを顧客満足度向上に活用し、自社の店舗を最高レベルに磨き上げていくことです。
さあ、貴社では「とてつもない高い目標値」決める覚悟できましたでしょうか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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