今週の儲かる繁盛店の視点 第44話「売りに集中できる企業と、出来ない企業の違い」
「イトウさん、うちも人時管理のオペレーションを真剣にやらないといけないと思ってる。何ができるのかを知りたい」あるチェーンの社長からのご相談です。
店舗作業は個人に委ねられます。その個人の労働力を集めて 最終的な売り物に繋げる仕組みです。
業種によっては、店長含め5人ぐらいの専門ショップもあれば、200人ぐらいの大型店もあります。
うちは人数が少ないから関係ない、ではなくて、むしろ少ないからこそこの管理が重要なのです。
特に、アルバイト社員が殆どのところほど、店によってやり方がまちまちです。
店長が変わるたびに、やり方も変わります。仕事の速い人や遅い人もいます。
こういった状況で、無駄なく効率的に仕事が 引き継がれているものなのか?非常に疑問です。
この課題を解消するために、作業毎にやり方手順を決め 作業指示に落とし込んでいきます
ここまでは、初級篇です。
中級は、効率的な店舗運営体制を作り上げます。
そして上級では、ムダをかき集めて塊にして、利益の取れる商品販売にその労働力を配分させます。
今後は、少子高齢化人口減により売上のパイは減り、逆に労働人口の減少により人件費は高騰していきます。
また、店舗の施設維持費は老朽化とともに上昇します、このままいくと店を維持すら出来なくなってしまいます。
利益が残せないとういうことは、次期の戦略コストが生み出せず、成長が止まるということです。
成長するには、人時管理を導入し使いこなし利益を残すことが、必要となります。
よくお聞ききするのが、レジ担当だけは人時管理システムを導入してますというご意見です。
「レジだけに導入して、どうするのでしょうか?」とハッキリ申し上げてます。
店舗は全ての売場と後方部門で運営をしているわけでして、それぞれの部署の時間帯別の緩急業務を洗い出し、流動的に人時を動かして始めて利益に結びつきます。
こんな片手落ちの人時管理は全く無意味としか言いようがありませんので、すぐ全館入れてもらうようにしております。
人時システムを導入しましたら、それを運用できるプロに相談することは絶対に必要です。
一店舗数百万のシステム自体は一円も利益は生み出しません。
それを使ってどうやって資金を捻出し、再配分をしていくかは、取り扱い説明書には書かれておりません。
人時管理とは、一回聞いただけでは、中々理解できないことが多いのも事実です。
大事なことは、システム導入したあとも 詳しい人間を探して店に来てもらいケースバイケースで、効果ある使い方を実践していくことです。
小売業は労働集約産業の代表格ですから、ここを動かせることにより事業構造の進化が遂げられます。
グローバルでは当たりまえなのですが、日本でこの人時管理が普及しない背景には、実際に動かし実践的に活用できる人が少ないからです。
チェーン店経営をやるならば、もうこのツールが使いこなせなければ、今後の成長戦略は無理ですよ。キッパリ申し上げてます。
単に、商品陳列やレジの単純作業を標準化するとういう初歩的な使い方から、実際に接客販売にどれぐらい人時を配分すべきか?売上がとれるやり方をどう標準化すべきか?
その活用範囲は無限大といえます。
なんでもそうですが、机上論と実践論は全く違います。
あるべき論で全てがうまくいけば、日本のチェーン店は全て繁盛しているはずですが、実際にはそうならないのは何故でしょうか?
実務に裏づけされた実践論でないと、絶対に結果は出せないからです。
全国各社の事例を集め理論を組み立てた、評論家の方々の言うとおりにやってしまい 結果的にうまくいかなかった企業もおられます。
実際に効果を出しつつ、変革をさせていくには 決まった手順があり、「聞こえの良いノウハウ本」のようなやり方では絶対に進みません。
個人の作業内容に関わることですから、逆に耳障りのよくない、泥臭いことや 厳しいことの方が多々あります。
しかし、一旦チェーンとして その地に出店したからには、こういったことを実践しその地域の生活者の利にかなう商品を提供してはじめて お客様から支持されるのです。
目先の「儲ける」ことだけのために、赤字店舗撤退、業態変更などをするくらいなら 今すぐ社長としてすぐ降板すべきと申し上げたい。
「儲ける」と「儲かる」には 大きな違いがあります、ひと儲けしようとおもったら決して儲からない。
しかし、地域の人の幸せと豊かさを願った、事業活動は結果的に儲かるものであります。
さあ、貴社では 人時管理を導入しただけで終わりますか?それとも、運営面の効果的な手法を手に入れ成功のを選びますか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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