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今週の儲かる繁盛店の視点 第483話:「なぜ、他の企業が苦戦している時こそ、利益を伸ばし続けることが大事なのか?」

Uターン台風?何のことと思いきや、沖縄付近に一週間も停滞していて、停電や欠航便で、生活や経済に大きな影響を与えています。

最近は、自然災害も線状降水帯のように集中的に大量の雨が降って被害を及ぼすものと、今回のように台風が居座る状態が長引くことで甚大な被害を及ぼすことが分かってきました。

長引くといえば、ウクライナ侵攻もいまだに出口が見えない状況ですし、3年続いたコロナによって、アパレル業界や外食業界は営業できないといった壊滅的な状況に直面しました。

しかし、多くの企業はリストラでしのぎを削り、会員アプリへの入会促進や、リアルタイムでの店舗間在庫把握を活かした販売強化といった、生産性に繋がるやり方に果敢にチャレンジし今復活を目指し売上を伸ばしはじめています。

外食もクリンナップ、セルフオーダーや無人会計といったことに次々にチャレンジしてきたことが新たな顧客開拓に繋がっているといえます。

一方、食品日用品小売りチェーン業界はどうかといえば、自粛中も通常営業ができたことに加え、巣ごもり・値上げといった「思いがけず売れた」ことが重なり、増収増益したかと思えば、翌年は大幅減益といったジェットコースター状態の経営が続いています。

語弊を恐れず申し上げれば、特需対応に追われたことを理由に対策を怠ってきたということです。

売上が伸びたこと自体はいいことなのですが、問題は一時的な売上アップした翌年、減収減益になるといった諦めムードが蔓延し社内が疲弊するということです。

先日も 

「先生、値上げで多少売上は良くても、来期売上どうなるか?全く予想がたたないのです」セミナーにご参加いただいた社長さんからのご相談です。

お話をお聞きすると、給与ベースアップや最低賃金の変更で人件費が膨れ、このままいくと来期は大幅コスト増となる。必要なとこに人が不足しているとの声はあっても、明らかにムダなとこにも人がいて、効率的に人を使うことが出来ていない。ということで、ご相談にお見えになりました。

ご指導をさせていただいてる企業の中でも、伸びた売り上げに対してかかったコストはどうであった?ということがデータとして残っていて、来期は、どこを押さえればいいのか?といったことが分かる仕組みがそろっているところは毎年好結果を出されています。

その経費の中で構成比の高い人件費の要となる人時数がどうであったか?ということをしっかりとらえることができているかどうか?で出てくる結果は全く違ってきます。

この実態を押さえていきませんと、人件費がどのように使われているのか把握できないことから、単に売上予算が高い日は人を多く投入する。といった判断がなされ、知らぬ間に人件費が増えていくのです。

「売上が高いところに人を投入して何が悪いのか?」という声も聞こえてきそうですが

――――店舗の売上と作業には必ずズレがあるものだからです。貴社ではこういったことをどのように捉えておられますか?とお聞きすると

「え?」と言葉に詰まります。

分かりやすい例で申し上げますと、食品グロサリーや日用品などの場合、売上の高い日に人時を集中させる傾向にあります。

ところが実際に人手がかかるのは、売れる前と売れた後の商品補充時であって、これを、売上の高い日に出勤強化体制を組んでしまうと、必要なとこに人が足りず、余計ないとこに人が張り付き、人件費が効果的に使われていない状況が起こるのです。

また、店の人件費コストは、すべて売上が計上されるとこに張り付いているわけではありません。

そのため、売上を持たないレジ、庶務経理、清掃、といったすべての管理部門にどれくらいの人時数が必要で、どのよう売上と紐づけていくのか?といった基準づくりも必要になってきます。

早い話、日々の売上を取るのに、店舗では何人時をかけてやるのが適正なのか、といった目標数値が定まっていなければ、骨を折って苦労しても、効果が全然ない中で商売をやり続けてるようなもので士気が上がらないのは無理もないといえるでしょう。

各社お考えがあるのでどうこういうつもりはありませんが、売上が良い時はほんの一瞬で、むしろそれ以外の時の方が圧倒的に長いということです。

直近では、ここ一年間での食品値上げ品目数は累計3万品目を超えそれにより、スーパー各社は前代未聞の売上の伸びを示しています。

しかし、欧米諸国のインフレ抑制政策が奏功し、既に8月を機に値下げ品目数は減少に転じ、昨年最も値上げ品目数が多かった10月の今年の値上げ品目見込みも4割減とでています。

そういう意味では、売上減を踏まえた、人時数はどうあるべきかという対策を直ぐにとっておかないかぎり、年末以降に再び「食品スーパー大幅減益」の新聞見出しが並ぶのは必至ということです。

実際ご支援させていただいている企業では、食品スーパー各社が巣ごもり特需後、軒並み大幅減益になった時も、着実に利益を伸ばし続けていて5期連続、中には7期連続増益しつづけた企業もあります。

業界企業が苦戦する状況を横目に自社が増益していることが実感できた時、社員の会社に対する貢献意欲は最も高くなるものです。

実際、今期も人時売上に対する取り組みに余念がなく、今年のように値上げバブルが起こった翌年こそが、腕の見せ所といって闘志を燃やしておられます。

さあ、貴社では、まだ、先が見えない、売上利益目標一本の経営を続けますか?それとも、社内全員が明るい未来を目指せる人時売上目標で大きく飛躍しますか?


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