今週の儲かる繁盛店の視点 今週の儲かる繁盛店の視点Vol.29「リスクをプラス転換させ成長する会社としない会社の違い」
第29話:「リスクをプラス転換させ成長する会社としない会社の違い」
「年末になると人手不足で困るんですよ。お子さんが風邪次に本人が風邪引いて一週間ぐらい休む人が続出。
品切れやレジが並んで 売上ダウン。だからといって急に人は採用できないし・・・」
—– 毎年どこかの店舗で必ず見受ける光景です。
店舗では こうならないために普段からいろいろな予防策があります。
棚不足 食品衛生管理 品質鮮度管理 労働衛生管理といったことは点検項目があって回避できますが、突発休管理といった点検表がない項目はその要因を潰していくしかありません。
突発休を引き起こす原因は従業員への無関心と店舗清掃不備が9割です。
職場では「おはようございます」と従業員に声をかけその顔を見ればその人の健康状態がわかります、店長は毎日 出勤してやるべきことは、あなたの健康管理をちゃんと見てますよという意思表示です。
朝礼時に「風邪が流行っているので、少しでも体調の悪い時はムリせず出社しないこと」と毎日言うことで、着実に突発休は減ります。
また、店内の清掃状態がよくないと 風邪をひく人が増えます。
店内の清掃点検状態を点検し「汚いところはこうやって こういう頻度でやりなさい」と武器を与えてあげれば、風邪の原因である塵やホコリが減少し皆風邪をひかなくなるのです。
「突発休が多くて 売上が悪い」「風邪ひきが多くて・・・」という店長はこうした予防活動を行っていけばリスクは回避できます。
予防活動と聞くとどこか管理的に聞こえますが、一番役立つのは営業現場です。
警察が行うパトロールは、直接どろぼうを捕えるのではなく、その犯罪予防にあります。
日頃、お客様に対して「いらっしゃいませ」という目的は何?と聞かれてもあまりにも当たり前すぎてピント来ないと思いますが、これは「顧客流出の予防活動」です。
店でいえば、店内巡回パトロールは、直接売り込みではなくて、顧客流失予防といえます。
「いらっしゃいませ 何かお探しですか?」と言うのは店内の不満を放置しないための 店内巡回パトロールなのです。
「いらっしゃいませ」から「顧客対話」に切り替える方法で競合と差別化した手法。
「毎月一回、単身赴任している息子さんに、食材と水をダンボールに入れて宅配便で送るお客様」
「部下の為に、月一回やる自宅でやる慰労会の焼肉用のお肉を買いに来る工務店社長」
「骨の少ない、惣菜のお魚を毎日買いにくる おばあちゃん」・・・
これは 私が「何かお探しですか?」とお声がけしたお客様の一例ですが、これをお店の従業員に任せておくと「みな断ってしまいます」。
どれも コンビ二や巨大店舗ではめんどくさがってやってくれないことばかり、それをあえて一緒になって買物サポートしたことでお店のファンになってくれた方々です。
店長自らが 毎日数時間レジ付近に立って「何かお探しですか?」と語りかけるだけでお客様の心を掴むことができます。
お客様も店長と話せると嬉しいようで、「あんた店長?ワタシここに30年住んでるけど 店長の顔初めて見たよ」なんて年配の人が結構いらっしゃいます。
「直接店長と話せる店」としてこれだけでも、競合に十分差別化できるのです。
たかが・・・お買物サポート、されど・・・お買物サポート。
この買物サポートが好評であったため、お買物をお手伝いするコンシェルジュ機能として「お客様係」の人員を朝から晩まで配置することにしました。
開始当時は午前中の4時間を予定して売場兼任でやってました。が、実際に混むのは昼時と夕方であったためフルタイム人員を配置変更しました。
やることはただ1つ 店頭レジ付近にいて「いらっしゃいませ、なにかお探しですか」といって「買物サポート」をすることです。
言わば店長の替わりになってやってくれる人員をつけ「お客様係り」としたことです。
たかが、お買物サポートですが、これによりクレームが激減したこと、ここから年間1000人のお客様のレポートが集まりはじめたのです。
「いらっしゃいませ」という挨拶は認知と敬意の表現活動。
店内で声をかけるのは 「相手をお客様である前に 一人の親しい人として認めてますよ~」ってことを行動として表してます。
これが混雑した街中だったら「キャッチセールス」となってしまいますが、店舗内ですから、一方的な行為でも悪気はしません。
この、好立地で「いらっしゃいませ」の声かけこそが、接点をつくり購入に繋がる、インターネットや通販にはない醍醐味と言えます。
貴社のお店はお客様に対して「いらっしゃいませ」と言っていますか?と聞かれたらどうされますか?
社長や店長の前では「いらっしゃいませ」は言っていても、それ以外の時はどうなっているかはわかりません?
実際に私服で自社のお店にお客として行ってみれば判ります。誰一人自分に気づいてもらえないことに・・・
いや、そんなことナイとおっしゃる方はぜひこの年末に見ておいていただきたい店が2つあります。
1つは自社の店。
そして、もう1つは セブンイレブンかユニクロです。「いらっしゃいませ」の数を勘定してみてください。
店内で最低2回は「いらっしゃいませ」がありますよね。
お客様を無視しない言葉「いらっしゃいませ」が顧客流失を防ぐのにどんなに役立っているかを実感できます。
さて、貴社のお店では 顧客に扮したあなたに何回「いらっしゃいませ」と敬意を表してくれましたか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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