今週の儲かる繁盛店の視点 今週の儲かる繁盛店の視点Vol.30「ベンチマーク設定で成長する会社としない会社の違い」
第30話:「ベンチマーク設定で成長する会社としない会社の違い」
「 イトウさん、 我社はどこをベンチマークにすべきか?我社と同規模 同様の形態の売上店舗が無いので目指すべきモデルがなくてハッキリ従業員に説明ができない。」
というご質問をよく受けます。
———そもそも、全く同様店舗チェーンがこの世にあったら とっくにやられているか、そのチェーンの傘下に飲み込まれていたでしょう。
独自の路線をとっておられるから、存続できているわけです。
特に、小売チェーンの場合は売上規模でどこを目指すとかいう議論が良く出ますが、お客様の欲求に応えることに集中するほうが遠回りをせずに、競合に衝撃を与えられるのは紛れも無い事実です。
比較すべきは 過去の自社の状態と売上です。
目指す方向が異なる競合と比較しても、他社をうらやんで、「あそこがいい、あれが違う、あれがあるから勝てない、、、」とできない言い訳の羅列になるだけです。
ゴールが異なれば、やることも、備えも、点検項目も変わってきます。
2015年度方針が決まったら、その状態とはいったいどんものなのかを具体的な目標値を決めなければなりません。
会社の売上、利益を上げる為に 店舗を売れる状態にする構成項目を明文化し数値化しておく必要があります。
例えば、品切れの件数です。
毎朝11時に棚にあるべき商品の品切れ件数を点検し結果を週間単位で見ていきます。
商品品切れ状態は、複合要因が入り混じってますから、実測値からその要因を探っていきます。
要因で多いのは
カット商品で棚スペースが空いてしまっている。(フェイス変更の遅れ)
商品陳列が間に合っていない。(陳列人時不足)
商品陳列量が不足していて間に合っていない。(最大陳列量の修正)
メーカー品切れ。(品切れレポート確認忘れ)などです。
また、店ごとに数十件~数百件と格差がでます。
これを金額にザックリ置き換えてみると、1アイテム1ケース売価3000円だとして50アイテム品切れしてると、15万円/店の売上ロスになってたことがわかります。
一ヶ月放置されてた場合15万円×30日=450万/店の売上ロスが考えられます。
毎日たった10分をかけて、この点検をし数値化することで、お客様の欲求が満たされ、売上減が回避され、次にとるべき行動が見えてくるのです。
そして、いつ商品陳列をするのがベストなのか?いつ発注がかけるようにすれば良いのか?等の、売上をとるための修正点も明らかになります。
「お店の清潔感」なども数値化することでかけるべき投資が明らかになる。
売場の通路、トイレ、階段、、、点検箇所と項目を点数化してやる。
個人感覚で「きれい、汚い」が実行されていたものを、床の黒ずみが1ヵ所あったら0点 なければ1点というように点数化するだけでその店の清掃状態が数値化できます。
お客様の声で 毎月必ずでてくるのが、「トイレが汚くて臭い」という声です。
該当店舗は当然 評価点数は低くでます。
実際に現場行ってみれば直ぐわかる話なのですが、その殆どが老朽化です。
原因は水周りとかの補修は建物オーナー負担となっている契約条項があるために、オーナー任せになってることが多いのです。
ここは入居店側がオーナーに申し入れをするか、現状復帰を条件に改修をしなくてはなりません。
あとは日々の清掃方法と用具を標準化してあげるだけで、評価点数は改善され、お客様から「トイレがきれいになった」とお褒めがきます。
「レジの正確さ」を数値化していくと社内の問題が浮き彫りにされる。
毎日レジでの価格違い件数と要因のカードを作成し日々潰していくのですが、これも件数を記録していきます。
日々、どこの売場でPOPと登録価格が違っているのか?その作業手順は明らかにされているのか?作業人員は充足されているのか?等の問題であれば店舗で解決できます。
しかし価格変更アイテム数は店舗でやりきれるアイテム数なのか?といった問題は本部と議論する必要があります。
B3チラシで100アイテム価格変更があるとその手間がかかります。
価格変更作業が1アイテム3分だとすると、チラシ訴求の事前300分で5人時、訴求終了時でその半分の2.5人時かかることになります。
一回チラシ訴求をすると7.5人時分のコストがかかるのですが、商品部や宣伝部で決めるチラシ商品掲載アイテム数は、ここまで計算して決定がなされているかどうか?
こう考えると、レジの正確な打刻から始まって、店の作業手順しいては商品部、宣伝部の業務まで見直さないと、レジの正確さは上がらないということも見えてきます。
「こうやれば売上が上がるようになる」という点検項目を設定し、その数値が上がれば集客や売上に結びつく仕組みこそ必要。
こういった、数値を毎月記録していくことによって、店舗毎の強み弱みが明らかになり、売れる状態を作りだせるようになっていきます。
やるべきは、全ての項目で満点が取れる店をまず1店舗作り、この状態を90日間維持しつづけることです。
店舗運営を良い状態で維持していくには、今ある、人員、人材でも十分出来うることがあることがわかります。
自社内で独自の指標をつくり、そこをベンチマークとすることが一番の集客 売上に繋がることとなります。
大事なことは、会社として「売れる店」を作って見せてこそ会社全体の仕事の進め方が変わるようになります。
「伸び悩みの店を何百店」を抱えた高コストの会社よりも、日々改善し「売れる店10店」を備える会社の方に従業員の心とお客様は引き寄せられます。
さて、貴社の店舗では2015年度課題明文化と数値化の準備体制は整っておられますでしょうか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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