今週の儲かる繁盛店の視点 第114話:「チェーン経営で利益を繰り返し生む仕組みとは 」
第114話:「チェーン経営で利益を繰り返し生む仕組みとは 」
「イトウサン 小売りチェーンはメーカーに比べると甘いですよ。 いろんな面で製造業の人ともお付き合いしますけど全然違います。ちょっとやれば飛びぬけていけるはずなんですよ」 とあるチェーン経営者のつぶやきです。
————いやはや おっしゃる通りです。
労働集約型の産業とかこつけて、結構そのへんはゆるいんだとおもいます。
労働集約産業であるからこそ、企業がひとりひとりの仕事内容を知る仕組みがなければ、目隠しをして車の運転をしているようなもので危険な状態にあるといえます。
シャープが鴻海から出資をうけ再建中ですが、シャープは買収されたと思っていますが、資本主義の視点で考えれば、出資投資案件となります。
鴻海の社長は「腐った卵しか産まない鳥はいらない」と強烈な表現をしてますが、単に「お金を産まない仕事はやらない」と言っているだけです。
欲しい時に、欲しいモノが買える今の時代に、価値のないものを開発するメーカーに対して、お客様は無言でその商品の前から立ち去ります。
それに気づくのが遅れ、お金を産まない事業、作業、商品に人時をいつまでも投入すれば立ち行かなくなるのは当然のことであります。
ここで、黒字転換していけば、幹部社員は増収増益計画を描けるようになり、これからは、それをやることがふつうとなってきます。
自社のあらゆるロスを見直し、コストを生み出しながら売れる商品を開発するやり方は正当な手順であります。
一方で小売業でも、地方都市の小売業が閉鎖する記事が先週もでていました。
「ファミリーマートによる ユニーの店舗閉鎖、サークルケーサンクスの1000店閉鎖。」
「セブンアンドアイの地方百貨店の閉鎖」等々と、人口は毎年30万~50万人と 減っていくわけで今後もスーパー、百貨店、専門店業態問わず閉鎖は増えていきます。
製造業では、「コスト削減ではあらゆる可能性を即座に検討します」となりますがこれが、小売業になると不思議なことに先のことを語ろうとしません。
大量にモノが売れた時代、差益高がすべてをカバーしてきました。こういったなごりから小売りチェーンは「売上さえあがればなんとかなる。」という思いが強いのかもしれません。
多少コストがオーバーしようが、いい売り場さえつくれば、それでいいとされてました。
また、特殊な商品や、期間限定といったものを集めることで、売場が情報発信の拠点となっていたこともありました。
ところが、今はネット通販やコンビニエンスストアが台頭し続けているように、いつでも、どこでも買えるようになりました。
売れ方の変化に合わせ、チェーン経営でも店舗運営のあり方見直していかなければなりません。
それは、いままでの売上重視のやり方から、利益重視の目標に切り替えていくことを意味します。
これまで、予算といえば売上前年比を決め、経費予算をつけていったものを根底から見直していくということです。
もし、予算未達が2年3年も続いてるとしたら、執行計画が立てられていないということです。
例えば、差益率ひとつとっても、「現場任せの状態が、何年もつづいていないか?」「それにかかる作業の見直しはされているか?」といったことを棚卸すれば、商品ロス、作業ロスが見つかったりします。
断っておきますが いい売り場づくりが、けしてだめだと言ってるわけではありません。
売り場づくりが利益創出にどれぐらい人時がかかっているかを 認識してやっているかどうかということです。
売上高が見込めない中、間違った方法を続ければ、無駄なコストがつぎ込まれることを繰り返すことになりかねないからです。
大事なことは、お金を生み出すしくみがあって、それが一目でわかる経営指標が活かされてるかどうかです。
不要な作業にお金がかかっているとしたら、それを見破るしくみがあればいいわけです。
あるいは、売上が上がらないことに、お金をかけ続けているとしたら、そういったこともみつけるポイントも必要となってきます。
こうして、お金を生まない業務をたくさん見つけ出し、それをひとつにまとめて、稼げる仕掛けに再投入することを知ることで、お金は増えるようになります。
地道に増益計画を描き、それを実行する仕組みづくりが企業を変えます。
さあ、貴社ではこうした増益計画を執行できる人材は何人おられますか?
今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。
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