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今週の儲かる繁盛店の視点 第115話:「チェーン経営でロスがなくなると何が起きるか?」

115話1

第115話:「チェーン経営でロスがなくなると何が起きるか?」

 

 
「先生、ムダを儲かるコストに置き変える?これ小売業でどうやってやるんですか?」 とあるチェーンの社長からのご質問です。

 

———–人時と店舗コンディションに目標をおき、そこに向かい手順通り進めるだけです。とお答えしています。

 

 目指すべきは、最高の売場コンディションを365日どう維持するかということになります。
 それを進めていくと、経常利益が2%から3%といったふうに変化してきます。

 

 イチロー選手が3000本安打達成は通過地点というのと同じことで、経常利益向上はその通過地点と考えてくださいと申し上げています。
 新店・既存店とわず、やるべき目標を掲げ、1店1店の一人ひとりがムダなく動くプログラムを組み立てていくこととなります
「そんなことできれば 苦労ないよ」という声が聞こえてきそうですが、これからのチェーン経営では、そういったことを評価したり、実行するインフラづくりがメインとなり仕事のやり方は大きく変わっていきます。

 

 今、苦戦をしている大手チェーンや、難しい努力を嫌うチェーンにとってみれば、「そんなことはウチには関係ない」といって、今後も薄利多売の経営を続けることと思いますが、そのやり方をどうこう言うつもりはありません。

 
  一方で、この難しいことに対して敢然と立ち向っている外資チェーンもあります。
 例えば、少し前に話題となった、コストコの採用時給の高さです。競合が出せない時間給を提示して人を採用する戦略に打って出ました。
 彼らは「我々は仲間との時間を大切にします、昇格も社員登用もある大事な人材だからこの時給をだします。」と社会に向けて宣言をしてます。
 彼らの強みは、時給は上げても、販管費を上がらない仕組みをもっているため、こうして優位に戦うことができるのです

 
 まさに、これが企業努力であり、商人としての社会的責務をはたすことにチャレンジしてるわけです。
 

 

 目的を達成するためには店舗運営の徹底的なムダ、ムリ対策をやる。ということが前提にありますし、そのために時間の管理を徹底しておこなっています。
 コストコは10数年前日本に初出店して 今、25店舗、そして今後10年で50店舗にすると明言していますが、これは実行可能な数値で、国内のGMSが低迷して閉鎖赤字続きの中、成長ビジョンをしっかりと打ち出している優良企業といえます。

 

 商売ですから売り上げはいい時も悪い時もあります。優良企業が唯一違うのは、利益を残す仕組みをいくつももっているということです。

 

 例えば、貴社の店では、こんなことはありませんか?

 
 ウチには接客の素晴らしい社員がいる店がある。しかし、そういう店ほど、個人個人の接客のレベルの差があり、接客クレームがある。

 
 ウチにはその店でしか売っていない商品を扱っている店がある。しかし、そういう店ほど「遠くからわざわざ買いに来たのに今週も品切れしてた」といった品切れクレームがある。

 
 ウチには商品知識をもった優秀な社員がいる店がある。しかし、そういう店ほど「あのひとじゃないと商品を買いたくない」と言われたことがある。

 
 このように、特定の人に作業が付いた状態だと、店舗コンディションが低下します。

 

  断っておきますが、けしてこういう有能な人を活かさない、といってるのではありません。
 それを横展開するには、あらゆるロスをあぶりだし、誰でもできる仕組みが必要となってきます。
 外資チェーンが成長し続ける理由は、こうした仕組みの上に成り立ってているからといえます。
 こうしたことに気づかずに、30年前からのやり方を繰り返せば、うまくいくほうが奇跡というものです。
 
 改装などやらなくても、業務改革で見直した作業指示書が出来上がれば、ストレスが少なくなり 作業スピードが上がるのはそのためです。
 面白いことに、取り組みを始め、数か月たちますと、一人ひとりの作業の時間の速度や働き方、言葉づかいが変わってきます。
 
 
 もちろん完璧なものは、一度にできませんから、最初は3割でも次に4割、5割とレベルアップしていけばいいのです。

 そして、儲かるパターンが作り出せたところで、出店攻勢をかけるわけです。
 多大な投資をかける出店や改装計画であればあるほど、まず社員やパートナーさんの心を掴みエキサイティングにするものでなければなりません。

 

「いろいろとテストを繰り返しやってきたことが、ここで活かされそうだ」そういった雰囲気で出店をするのと、「いやー、また出店なのか応援が大変だどうするか」というのでは、当然結果は変わってくるものです。

 

 

 こうした社長の考える理想を実現させるために、このプログラムはあります。
 そして、そこまでいくと、この言葉がどこからか聞こえるようになります。

 

「ロスをなくせば、やるべきことに集中できる」

「やるべきことに集中出来ると、考えが変わる」

「考えが変われば、行動が変わり結果が変わる」
 

 

さて、ロスを変えていく人選は決まりましたでしょうか?

 

 
 
 
 今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。

 

                          伊藤 稔

 

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