今週の儲かる繁盛店の視点 第127話:「自力で課題解決できる企業とそうでない企業の違い」
第127話:「自力で課題解決できる企業とそうでない企業の違い」
「先生! 変わった商品やメニュー提案も必要ですけど、やっぱりローコストでないともたないですね」 とある成長し続けておられるチェーンの社長の一言です。
——- 商品開発力はありますし、売り場づくりも海外のチェーンと比べても見劣りしないエキサイティングな展開をされている日本の先進的チェーンです。
「いくらいい商品を扱っても、並べ方や、それにかかる見えない部分のムダ削減は、手順通りやらないと絶対に身につかないですからうちは短期間でマスターします。」とローコストへの社長の取り組み熱意も半端じゃないから従業員が真剣そのものです。
不思議なもので、こういうところには徹底的に全面協力したくなりますから、どんどん役立つことをお伝えしていきます。
とにかく伊藤の言ったことを全部吸収しようという 熱気でいつも会議がみなぎっていますから、動きも結果がでるのも早いのでこちらとしてもやりがいがあります。
一方で、中々結果が出にくい企業は、「会議の中で社長がこれやりなさい」と指示してもなかなかできない会社であります。
一番の原因は、プロジェクトリーダーが、あれもこれも一人でやろうとして、時間切れとなってしまうことです。
それでも、結果は変わってくるのですが、その差は歴然であります。
しかし、プロジェクトリーダー一人に期待をしても、武器を与えなければ戦うことはできませんし、また、武器を与えたらその使い方を教え訓練しなくてはなりません。
「そこまで教えなきゃならないのか?」という声が聞こえてきそうですが、会社を動かす幹部育成には、とにもかくにも、こうした数多くの場数を 短期間でいくつ成功体験させることができるか?ということが必須となります。
それは店長レベルの課題解決力とは、全く異なる次元の判断の連続となりますから、
そういった人材をリーダーに据え育成する場合には、プロジェクトのゴールは何か?とういうことを日々確認していきませんと、どんどん小さな仕事に入り込み、小さくまとめて終わる方向に向きがちになります。
前職時代もそうでしたが、日本の多くの企業の場合「これは自分が無理してやればすむ。」「自分さえ我慢してればなんとかなる。」という社風があって、会議の中では、自分一人で頑張るのが美徳という暗黙の了解がありました。
会議が終わってから「人がいないし」「全部やらなきゃならない」といった不満ばかりでて、言われた必要最低限のことしか進まない不本意なことが数多くありました。
ある日、外資の傘下になってからは一変し、「ベストな状態にもっていくにはどうするか?」と考え、やると決めたら全員で協業し成功させる動きになりますからムダがなく、前へ前へと進んでいくようになっていったのです。
まさに、プロジェクトはその企業の縮図です。
ハインリッヒの法則にあるように,そこで解決できない大きな課題のそばで,ヒアリとするような29の問題があり、社内で同じような300もの無駄な作業が放置され、繰り返されていることにハット気づきます。
プロジェクト項目の何が、どこで、なぜ滞っているのか?これを放置するとどうなるか?誰もが真剣に考えます。人の体に例えれば、血の流れが悪く血管が詰まった危険な状態と 誰もがわかっていて、
長時間このまま放置すれば脳梗塞となり死にいたることもあるからです。
これを防ぐには、血液をサラサラにする治療と、血流がよくなるような体質改善をしなくてはなりません。
プロジェクトでも全く同じで、ドロドロの問題をサラサラと解決出来るようにするためには、解決手順をメンバーと共有し企業体質を変えていくことが必要となります。
成長できるチェーンはこうして 複数のプロジェクトを走らせ、自力で動く幹部人材を増やすことで、軌道に乗せていきます。
弊社ではこうした店舗業務改革のノウハウをお伝えするだけでなく、決定事項の伝え方、動かし方に至るまでフォローしております
企業ごとに、その取り組み速度は異なりますが、こういったことが解決すると他の企業の先頭に立つことが出来るのも事実です。
さあ 貴社では 幹部を育成するしくみとして社内プロジェクトを何本走らせておりますか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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