今週の儲かる繁盛店の視点 第141話:「店舗運営を中心に伸びる企業と伸びない企業の違い」
「店舗運営本部は売上を上げる店長を どうやって育成するのでしょうか?」
先日 お見えになった、とあるチェーンの経営者からのご相談です。
—–売上を上げる責任は 店舗運営ではありません ときっぱり申し上げました。
「へ? 店舗運営本部は何を指導するのでしょうか」
何をするのかというと、人時のコントロールと言えます。
これを手順通りに細部まで使いこなせる店長を作り上げることで、その企業の個店収益力は、1.5~2倍も変わってきます。
そもそも、売上や客数は コントロールできるものではありませんから、店舗運営本部は、売上利益を上げるための 別指標を決めそれを改善指導することとなります。
間違ってもやってはいけないことは、競合他店の、エンドプロモーションの写メをとってきて、「こういう陳列で大量陳列をやれ」とか「どこどこの新店を見に行きなさい」といった、箸の上げ下ろし的なマネジメントをしてはいけないということです。
競合がやってる、特別なPOPや演出、大量陳列をマネさせる前に、それを利益増に結びつけていく戦略を組み立てるのが店舗運営の仕事となります。マイクロマネジメントは店長の赤字業務を増やし百害あって一利なしです。
自社が目指すべき一店舗を社内で作りあげ、モデル店として、それを目指すようにすべきと考えます。
「どうして、社内なのか?」という声が聞こえてきそうですが、
店舗オペレーションは外から見えにくいため 競合のマネをしようとしても出来ないのでムダとなるからです。
無駄なことに時間を費やすのではなく、まずは自社で儲かるオペレーションを構築するほうが、利益を数倍 数百倍するための近道と考えるからです。
社内であれば、どうやってやっているのか?その手順仕組みがわかりますし、それを増やすことでノウハウが蓄積されます、それを広めるが店舗運営本部の役割となります。
こういった考えは、折り込みチラシにも同じことが言えます。
かつては週末1本のチラシだったのに、今は、月曜に訴求するようになり土日も緊急で入ったりする。
チラシは なし崩し的に増えてきた効果の見えないコストの一つであります。
訴求日は多少売上が上がるもの、チラシを増やすと増えるのは、宣伝費だけではありません。
ケタ違いにかかるのは人件費なのです。それを考慮せずにチラシを増やし続けた結果、月次利益減益が始まるわけです。
実際に計測してみれば、わかるのですが、特売発注、POPの付け替え、エンドの積み替えにかなりの時間が費やされていることがわかります。
断っておきますが、チラシ、POPやプロモーションがダメと言ってるわけでありません。その一つ一つの作業が利益増に結びついているかどうか?細部まで店舗運営がなされているかどうかということにあります。
チラシは一時的なのものであって、大事なことは、来ていただいたお客様に満足していただくことです。
品切れ、商品ロス、作業ロスといった、お客様をお待たせしない、ちょっとした工夫の改善が日々出来るようになれば、お客様は喜んで帰ってまた来てくれるような店になります。
一言で言えば、お客様が満足する仕組みを 毎日提供できるモデル店舗を作ることです。
労働人口が多かった時代は、男性若手社員を大量採用し、丸投げしても店舗運営はできました。
しかし、労働人口減、少子高齢化、女性の職場復帰、残業問題といった課題を同時解決すべき時代に突入していて、対応の遅れが今の全ての結果といえます。
作業項目の時間が設定され、お客様に集中できる時間が設定できれば、長時間労働を是正し、育休で復帰後の時短労働力を活かすことも可能となります。
長く契約できるだけの生産性の低い人材を使い続けるより、将来的に高い生産性が期待できるといえます。
労働集約型産業の店舗ビジネスは 人が多いため それだけ伝え育成するのに時間がかかります。
こういった仕組みも、かつては導入から実践まで 7年から10年かかると言われてきまして、私もそれに長年携わってきました。
今は日進月歩で、社長と幹部がこれについて数カ月で全容を理解することが出来、一年後には結果が享受できる時代となりました。
詳しくは、弊社セミナーでお伝えしておりますが、
利益を増やし続けるチェーンは、仕組みを細部まで使いこなすことで、数年後大きな差を手に入れています。
さあ、貴社でも、時流にあわせた増益策もうはじめておられますでしょうか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。