今週の儲かる繁盛店の視点 第147話:「短期間で結果を変える企業とそうならない企業の違い」
イトウサン、よく見たら契約と作業スケジュールがアンマッチだったんですよ。とあるチェーンの社長からのご相談です。
実は、システム会社推奨のレジのスケジュールシステムをいれても、レジ主任の残業が減らないことに社長が違和感を感じたのがきっかけでした。
トータルの人員は以前と変わらないはずなのに、なぜ人手不足なのか?今まではそれを調べる方法がなかったのですが、社長ご自身が、人時について学んでいくうちに、店がとにかく頭数だけ揃えようとして、出勤してほしい時に出勤できない人ばかり採用していた実態が見えてきたのです。
レジ主任は、シフトを埋めるために、電話やメールでシフト交渉を残業でやっていたわけです。
これでは、レジ主任の仕事量が変わらないだけでなく、店長も、結局自分がレジ応援に毎日入らざるを得ない状況にあったわけです。
「出勤シフトの交渉」というムダな仕事を無くすためにどうするか?この原因が判明したことで、不足は解消していきました。
店舗は日々業務に追われる中、どのように解決していけばいいのかわかりにくい問題が数多く内在しています。これを店舗業務改革として集中的に課題解決していくことで利益は大きく変わってきます。
「それをやったとしても 人が集まらないことには. 変わりないでしょう」という声が聞こえてきそうですが、
———では、店舗で不要と思われる作業はどれぐらいありますか?
とお聞きすると、みなさん「うーん それは 調べたことないなあ」と言葉に詰まります
店舗の作業は、増えることはあっても減ることはありません。これまで、様々な点検や、改善の名のもとに出し続けられた本部指示は、その役割を終えて、形骸化したものも数多く存在します。
本部にしてみれば、できるだけ丁寧に書いたつもりの指示書も、店舗では作業が多すぎて、新たな作業などできない状態でなのに、そこについては議論されてきませんでした。
このままいけば、上がらない利益と膨れる店舗作業コストで赤字状態になりかねません。
詳しくは セミナーでお伝えしておりますが、
このスパイラルを断ち切るには、「やめる仕事から決めていく」と申し上げています。
これにより 人手に余裕をもたせ、稼ぐ業務に再配分をしていくていくという考え方です。
背景には、ここ数年で加速化している少子高齢化が、店舗運営の在り方に大きな変化を与えてき始めてるということにあります。
人口増時代のチェーンストアは、長い時間かけて人を育成する年功序列方式で、かろうじて利益をだしてきました。
しかし、人口減の今、すぐにでも人を戦力化していく短期育成方式にしなくては間に合わない状況に直面しています。
そのためには、今までより少ない時間でサービスや商品を提供する手法を、短期間で育成することが急務となってきます。
「人時」とはなにか?「作業指示書」の目的はなにか?こういったことを 社長や運営部長がわからなければ 店長に指導することはできません。
また、社長からお店のパートナー社員までが、現状の問題点を共有できるデータや指標も必要となってきます。部分的な改善ではなく、企業全体の改革を進め結果を出していくためには調査も必要です。
このように日々やるべきことを設定し、一方で人時と作業指示書を使うことで、作業目的を明らかにしているチェーンだけが、作業量を減らし日々の中で空転している作業の問題点を解決することが出来ます。
さあ、貴社の店舗運営部長がこういった指導をしていくことができるかどうか?すぐ訊ねてみてください。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。