今週の儲かる繁盛店の視点 第157話:「顧客欲求に応え稼ぐチェーンと出来ないチェーンの違い」
「先生、品切れの改善方法って、こうやって改善していくんですね」とあるチェーンの経営者の一言です。
ローカルチェーンで頑張っておられる、地域ナンバーワン店での会話です。
前日に調査した、品切れ一覧表をもって 地区部長と伴に店を見て回りました。
品切れ件数は400件もありました。
——多いですね
地区部長からは、品切れに対する全従業員に意識を持たせます、とか、品切れカードのルールを徹底しますとか、チラシ明けの発注の精度をアップしますとか、応援体制をとって品出し速度を早くします。などなど、対処策がいっぱいでてくるのですが
——-全部だめです。
朝の10時時点の品切れ件数が400件近くありますと、いろんなことが起きます。
品切れによって、その分の売上が取れない、というのはもちろんですが、 一番多いのは、お客様から(品切れしている)商品を訊ねられるということです。
品切れは、担当者任せに放置してしまうと、だれも気づくことなく一日がすぎていきます。
この日は1時間ほどかけて、この点検に同行したのですが その間、5人ものお客様から声をかけられ訊ねられました。
この業務の大事なことは、お客様に寄り添って、自社のお店を見ていく。という点にあります。
日ごろ、店内の通路を足早に移動する店長や主任は、歩く速度が速すぎて、お客様からすると、呼び止めて、声をかけにくい存在です。
声をかけてくるお客様は、買う気満々の人です。まさに、買う気満々人とお話しできる時間を 一日に30分~60分、店長は作業スケジュールの中に組みいれることで、顧客視点での品切れ改善の重要性がハッキリと見えてきます。
店長の中には、「お客さんと話すときは、クレームの時ぐらいですよ~」なんというさみしいで店舗もありますが、そういった企業の業績がこの先どうなるかは、ご想像いただればわかると思います。
ディズニーランドで、ビッグサンダーマウンテンに身長制限で乗ることができなかった女の子が、その時スタッフから「大きくなったらまた来てね」といってと、手渡された1枚の最前列に並べる魔法のチケットが、大人になった16年後にもっていったら使えたという話は有名です。
実は、このサービスは数年前に廃止されてたにもかかわらず、スタッフは「大きくなりましたね」と笑顔で最前列に案内してくれた。ということからSNSに投稿され話題になったのです。
顧客最優先という理念が浸透し、そういうトレーニングを積んでいるからなせる業といえますが、だれもができる仕組みになっているから スタッフはそういった対応ができるのです。
「うちには どの店もそんなに人手はいないし」 という声が聞こえてきそうですが、
———店にでて接客する中で、顧客に精一杯の感謝の気持ちを表わす作業を何か設定されてますか?
ときくと、皆さん「うーん」と言葉に詰ります。
なぜなら、ここは、大手チェーンがいくら頑張っても、真似できないとこだからです。
顧客と古い付き合いであるからといって、それが永遠に続くことはありえません。
大手チェーンやAmazonやインターネット通販と有利に戦うためには、顧客が求めることに焦点をあてて、それを提供する。といった基本的なことに、他ならないからです。
いきなり、全員はやることは難しいとしても。仕組みをつくり店長にそういう指導をしていくのは、経営の責務であります。
基本的な業務といえども、どこにもまねのできないレベルで取り組んでいるから、このように語り継がれ、それがお客様を増やし続けることになるわけです。
店長自身が発注したり、レジに一日中入ることや接客することはありません。
そういう意味では、品切れ点検は、顧客視点で売場を見ていき、その原因を特定していく唯一業務であり、顧客の声を聴く場であります。
いいかえれば、貴社の店長は、一日のうち どれぐらいお客様から、情報をとっているかということになります。
詳細はセミナーでお伝えしてますが
人時生産性を上げる為に、顧客の求めに応えていくことは、重要な取り組みの一つです。
さあ、貴社でも、企業成長のための、人時生産性を上げながら、お客様の欲求に応えるしくみに、何か取り組んでおられますでしょうか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。