今週の儲かる繁盛店の視点 第168話:「新たな成長へ向け動く企業と既存の動きを繰り返す企業の違い」
「先生、先日、労基署の方が見えまして、お褒めの言葉をいただきました。これまで、厳しく指導を受けていたのがウソのようです。」
今 人時生産性を更新しつづけている、店長の一言です。
先生のところは 労働問題もやっておられるのでしょうか?とご相談を受けることがあるのですが、労働問題というよりはむしろ「人を有効に動かす」手法で結果的に労働問題もクリアになっていく。というのが近しい表現であると言えます。
一貫して申し上げていることは、「部分的な対処療法でなく、全体論としてどうプラスに転換させるかをハッキリさせていく」という点です。
理由は簡単で、指導されてから動くのと、こちらから進んで業務改革に取組んで、やるのでは改善のスピードが全く違うからです。
売上を優先し、労務管理をおろそかにする企業は、厳しく指導される時代です。
最近は、人手不足を補う管理職に過重労働が集中する傾向を注視しています。
労働環境を積極的に変え生産性を上げてく、戦略をもっておきませんと 今後は、大きなリスクを抱え続けることになります。
時代は変わり、人件費は高騰、人が集まらない中で、その実態を見つめ、見直さなくてはなりません。
「それがわからないから 困ってるんです」という声が聞こえてきそうですが、
全員の勤務状況を毎日チェックするわけにもいきませんし、売上を上げていくためには様々なことをやっていかなくてはならない、という深刻な問題があります。
まずは、店の作業量はどれくらいあって、どのくらいの人手が必要なのか?そこでの作業効率の低い業務を効率の高い業務に転換する。ことを俯瞰することから始めます。
そういった面倒なことはやりたくない、最初からうちは、売上勝負!売上という分母さえ上がれば経費はナンボ使ってもいいという、膨脹型の経営を目指すのであれば、それをどうこういうつもりはありません。
しかしながら、少子高齢化、労働人口減の中で、売上が上がりにくい中で、人海戦術中心の、売上アップ、大量採用、新規出店をつづけても、人時生産性の高い競合の前では、それがどうなるか?を理解しておくことが重要です。
一方で、新たな成長にむけ 考えを張り巡らされている企業は着眼点が異なります。
労働人口減を下支えする女性の社会進出が増えますと、仕事と家事の両立という忙しい女性が増えてくので、それにどう対応していくか?ということを考えます。
買い物顧客としては、奇をてらったイベントや大安売りセールということよりも、いついっても欲しいものが、短時間で必要な分だけ買うことができる店が望まれます。
働くには、働きたい時間内でピッタリと終わる職場制度が整っている企業が選ばれます。
それに対応できるメカニズムをもつ企業が、この先より高い生産性を上げることができると言えます。
詳しくは セミナー等でお伝えしておりますが
こういった場合、まずは、一店舗で生産性の高い店をつくっていくことになります。
しかし、これをマイペースでやっていたのでは、いつまでたっても結果は変わりません。
そこは、プロジェクトを組んで全力で集中して作り上げていくこととなります。
店舗の中でも、一つの売場からはじめていきますが、簡単な例では、品出しがあります。
一日中チョロチョロ品出しにかけてる時間を 半分で出来る時間帯に、集中して一括して行う。ここで1.5倍の時間給を支払っても、2倍の生産性が上がれば、十分元が取れることとなります。
こういった、人員配置計画を立てていかなくては、「人を有効に動かしている」とは言えないのです。
一店舗で生産性の高い店づくりにとりくむことが、企業全体の人時生産性を上げるために必要であることを理解すべきでしょう。
今、すぐに出来なくても こういったビジョンを掲げ そのゴールへ向けステップアップしていくことで、3年で差がつき5年後には安定経営のポジションにいることとなります。
さあ、貴社におかれましても、チャンスを創り出すことに、どこまで取組んでおられますでしょうか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。