今週の儲かる繁盛店の視点 第187話:「2018年成長するチェーンを実現するために」
「先生、うちは県下で、売上規模が下位なので、中位を目指したいのです」
―――売上規模で分類する?何か目指すところを間違えていませんか?とキッパリと申し上げました。
どの業界でも、経営者として、こうした間違えをしてしまうことが、必ずあります。
間違え?と申し上げましたが、それは、業態、店舗数、売上規模、といった「見えるモノ」に当てはめ考えてしまうということです。
例えば、30店のチェーンが50店のチェーンを目指そうとしたり、同じ業態の売上規模の高いチェーンのやり方を真似しようとすることですが、現実問題としてそう簡単にはできません。
しかしながら、本質的に「儲かること」を起点に考えることで、企業ごとに儲け方が違うことが分かり、解決方法を見つけることが出来ます。
例えば、国内最大売上のイオンは売上8.2兆円で、52万人の従業員がいて一人当たり売上は1600万円/年です。
一方で、世界最大のウォルマートは売上54兆円、230万人の従業員で一人当たり売上は2300万円/年です。
利益はイオンは1800億の利益を52万人で稼ぎ、ウォルマートは2兆3千億の利益を230万人で稼ぐということになります。ざっと一人あたりに換算すれば、ウォルマートは、イオン3倍の収益ということになります。
どちらがいいとか、悪いとかいうことではなく、イオンは、売上の3割を占める金融、テナントビジネスで儲けを上げて、それを小売りに回す仕組みになっています。
こういう視点でみれば イオンの核店舗はテナント誘致のために、集客策を打ったり、ゆったりと買い物ができる施設の維持管理に、お金はかけなくてはなりません。
小売りを入口にして、金融、テナント収入で稼ぐという、大手ならではの、かつての百貨店的なモデルに近しいと言えます。
それに対してウォルマートは、小売りビジネスだけで儲けを上げるビジネスモデルです。
一人当たりの売上が、儲けの支点となりますから、純粋に生産性を上げていくことに、お金をかけ、収益をあげていくことになります。
両社とも日米各国で、最大の収益をあげていますが、全く異なった「収益ビジネスモデル」になります。
今、中堅チェーンである貴社の来年の目標予算を 自社より少し上のクラスの企業を目標にするとすれば、まずは、その「収益ビジネスモデル」の分析を行い、企業変革へ向けて舵をきらなくてはなりません。
現在店舗数が少ないチェーンであっても、「収益ビジネスモデル」に着眼し、儲かる企業として、着実に頭角をあらわしてきている企業もあります。
大事なことは、経営として、同じような店舗規模、店舗数をベンチマークにするのではなく、どういうビジネスモデルで稼いでいくのか?によって、成長できるかどうかが決まってくるということです。
成長するチェーンに共通してるのは、「目に見えるモノ」の分類ではなく、その本質的な部分として、「儲かる仕組み」を探求し、それを手にいれることを切望しているということです。
さあ、貴社におかれましても、「儲かる仕組み」に自社を位置づけ、光り輝く2018年を実現させましょう。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。