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今週の儲かる繁盛店の視点 第220話:「新規ツールを手にして、成功するチェーンと失敗するチェーンの違い」

「先生、レイバースケジュールを導入したのですが、上手く使えず、人時生産性が上がってこないのです」とあるスーパーマーケットチェーンの社長からのご相談です。

――――担当者は何人いますか?

「店舗運営の担当者が、兼任でやっていますが…」とのこと

――――責任者不在どころか、担当者も兼任? それでは、社内の士気も、実績も上がることはありません。とキッパリと申し上げました。

業務改革部は、人時生産性を上げていくための、手法や考え方を立案し、数千万、数億、数十億円という資金を創り出してく重要部署です。
「兼任者が片手間で・・・・」とか「打ち出の小槌のように振れば、1万円札がどっさり降ってくる・・・・」といった絵空ごとのように軽く考えていませんか?ということです。

これまで、経営として無駄の多いやり方で、物を動かしたり、仕入れて売ったりすることに、無駄なお金を払うことは平気でも、こういったことを是正する取り組みについては、何一つやってこなかったことが 今の結果となっているのです。

セミナーでは、こういった業務改革への投資は必須ですと、必ずとお話しをしています。
「もちろん、それは、当たり前のことじゃないか」と経営者の皆さんは大きく頷かれます。

ところが、実際、やってくださいと、お話しをすると、「今、組織を調整中で…」とか,「次の人事異動で検討…」とか,「いろいろ検討した結果現状のままで…」といった調子で、「お金も、人もつけずに、現状のままで出来ないか?」といったタダ思考がムクムクと起き出して、再び迷路に迷い込み、衰退・停滞を繰り返します。

こういう繰り返しをされる企業の共通点は、過去その営業のあり方に起因しています。

 チラシに掲載される砂糖やたまごなど、日替わり売り出しに象徴されるように、目の前で、大量に物が売れるのは、本当に刺激的ですし、エキサイティングな気持ちになるものです。
チラシを使い、在庫と人員をため込んで一気に放出し、「感動を共有」するやり方で、企業統制に活用してきた。と言うことです。

こういった背景から、モノが売れ、売上が増える、といったことであれば、人を入れても、多少の残業ぐらいは目をつぶろう、というわかりやすい図式が、成り立ちます。それが経営者の思考を後押し、気づけば、売上偏重の硬直した組織となっていたのです。

冷静に考えてみればわかることですが、今は、人口減で、チラシ訴求日であっても、前年比割れということが起きています。
その「感動を共有」するカンフル剤として、チラシ本数を週に2本3本と増やすわけですが、大量に売れないことから、業務量が増えるだけで、収入は上がりません。

そこに、労働人口減というコストアップが両肩にのしかかり、減益に追い打ちがかかってきくることになります。

ここから脱却するには、その人時生産性を上げていくコトが、必須なわけですが、先のような過去の興奮経験や売上重視の組織体制が、その改革を邪魔するのです。

あるチェーンでは、経営として売上が増えることには、人を増やすことについて承認しても、業務量を減らす業務改革部の人員強化を、認めなかったため、赤字体質は一向に改善されませんでした。
社長自身が、改革のブレーキを踏んでいることに気づかず、破綻状態となり、銀行管理下となった企業もあります。

一方で、実際に、人時管理を進めるために、社長判断で、業務改革部門を新設した企業では、想像以上に各方面で 改善が進んでくことになります。
「売場の状態が安定しました」とか「良い時と悪い時の波が無くなり利益が安定しました」とか「人件費が勝手に増えることは一切なくなった」といった 効果が途中段階で現れてきています。

これは新設した、業務改革部門が、人時膨張時に、警鐘を鳴らし、運営部長に危険な水域にあることを知らせるだけでなく、放置すれば増え続ける業務を門前でチェックをし、見極める重要な役割を担うことで、人時生産性向上に大きく寄与しているからに他ありません。

こうした、社長に対して正しい報告を行う、業務改革部門を設定しなければ、人時生産性は絶対に上がることはありません。

理由は単純で、何の権限もない1人の担当者が、運営部長のような権力者に対して、警鐘をならし意見をするという、自分の立場を悪くすることを好んでやる社員は、一人もいないからです。

そうは言っても、「店で人が足りないのに、本部を増やすのはいかがなものか?」という声が聞こえてきそうですが

店舗は人が足りないのではなく、余計な業務量が多いから時間内に終わらないのです。
これは、レイバースケジュールを使いこなす技術のあるものが見れば、どこにムダがありそれはどう解決すればいいのか、すぐに見抜くことができます。

このように、新たなツールを使うとき、その道具を使うことの出来る人が居るのといないのでは、この効果は火を見るより明らかです。

業務改革部はそのツールを使いこなし、利益の出し方を考えだし、社長に進言する中枢組織です。その中枢部に、社内で最も優秀な人材を置くことで企業利益は何百~何億倍にも変わってくることとなります。そこを無人にしておき、人時生産性が上がらないというのは、本末転倒です。

同じ一人の人間でも、店舗の労働生産額が、年間300万とすれば、業務改革部の1人の人間は、3千万、3億という労働生産額を創り出すことになります。
今、店舗で働いている一人の担当者が年間で稼ぎ出す利益の10倍~100倍を生み出す業務を担うことになるわけです。

そして、日々、その仕組みが出来上がり動きだすことで、一年後に365倍の資金となって、それが、新たな商品開発や対顧客店舗コンディション力アップの原資となるのです。

新たなツールを手にして安心するのではなく、そのツールの目的活用法を理解して使いこなせるようになっているかどうか?それを育成する組織なくして、投資した新規ツールの効果を発揮させることはできないと言えます。

さあ、次にそのツールを使いこなす組織をつくり、企業を成功に導くのはあなたの番です。

今日も 最後までお読みいただきありがとうございました。


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