fbpx
  • TEL : 03-5771-8283
  • 〒107-0062 東京都港区南青山1丁目26-16 5F
トップ > コラム・今週の儲かる繁盛店の視点 > 第274話:「まず、仕組みで回せる状態を目指す。それから目指す人時売上高に見合った事業モデルにしていく。そして、仕組みの無さを痛切に感じる。」

今週の儲かる繁盛店の視点 第274話:「まず、仕組みで回せる状態を目指す。それから目指す人時売上高に見合った事業モデルにしていく。そして、仕組みの無さを痛切に感じる。」

「いつになったら 慣れるんだ!」と先日も怒ったんですけど、春の組織変更で大きく人事異動をしたんですが、人がいない。まだ職場に慣れない。新人の教育が不十分で、、、と言い訳ばかりで、一向に数値が上がってこないんです。

とある 企業の経営者からのご相談です。

聞くところによると、店舗規模も大小様々で、業務標準化が進まない上、人に仕事がついているので、人が変わると、数値も変わってしまうのでそれをなんとかされたい、とのこと。

チェーン経営で、なぜ、業務標準化が必要なのか?と申しますと、人事異動もさることながら、部門の繁忙状況に合わせ、どの店・どの部門にいっても、だれでも同じレベルで、即戦力として活用出来るようにする。と言えます。

語弊を恐れず申し上げますと、店型が異なるから標準化ができない。とか、人に仕事がついているということよりも、誰でもできるような「仕組み」を経営として作れていないから標準化が進まないということです。

一方、「仕組み」は時代とともに変わると言われており、市場にあわせ進化させたものでなくてはなりません。

かつてのように、売り出し日に商品を山積みにすればまとめ買いで、売上の少ない日のカバーをして全体売上を底上げてきた時代から、今はお客様が欲しい時に、必要な分だけを買えることを希求する環境に変わり、それに対応した発注や、在庫コントロール、品出しに転換する新たな「仕組みづくり」が求められています。

例えば、発注ひとつとっても、その変化に気づかず、昔の感覚のまま発注を続ければ、大量に発注して、残れば大量値下げで売り減らすやり方を繰り返すことになります。

必要な分だけ発注して売場を維持するやりかたに変えなくてはいけないことに気づいても、人は変わることは好まない生き物ですから、経営としてその仕組み作りに動かなければ、企業自体は変わることはありません。

先のチェーンでも、人事異動に時期には、一定の期間、在庫や人が増えていました。各自が売り込みたい気持ちで商品を抱え、売り切り値下げによる粗利棄損と、販促作業で人件費が超過し、収益が悪化する状況が続いていて、これでは社長が声を荒げたくなるのも無理はないと言えます。

そこで必要となってくるのが、一連の作業の流れが書かれた、作業指示書で、これを仕組みで正しく動かすことがまず最初となります。

そして、これを点検していくと、いろいろなことが見えてきます。例えば、午前中に商品の集中品出しをしていたことが、人時売上を低迷させていたことが分かってきます。

理由は簡単で、契約人数の多い時間帯に合わせて、品出しをしようとしていたからで、かつて、午前中は一気に品出しを終わらせていた時の名残りで、今でも8時から13時までは、人数が多くいて、それを活かすために作業を割り当てていたのです。

人口が増え売れていた時代は、ピークタイムを見込み、余剰人員に作業を割り当てたやり方でも十分、採算がとれたわけです。

しかし、人口減の今は、一日のピークタイムはあるものの、その山は徐々に平準化し、いつでもお客様は欲しいものを買いに来るような傾向になりつつあります。

そういう意味では、営業時間中は、品揃えが完全にできていないと「品切れ」と思われ「あの店は欲しい商品がない、使えない店」の分類に位置づけされてしまうということです。

先のチェーンも、その昔に決めた、エクセルを使ったLSPシートを元にした朝、昼、夜の集中品出しシフトを敷いていましたが、そういった売上の変化に対応できていないことから、人時売上が停滞し、下がることが今起こっていたのです。

なぜ、LSPを使っているのに、ある日突然人時改善が停滞しまい役に立たなくなってしまうのか?

ピークタイムに偏った、営業時間中の品出しは顧客の購買行動と合わないからです。そういう意味では、現状いる人間に品出し作業をつけるのではなく、本来品出しが必要な時間を新たに再設定し、そこに人を付ける仕組みに進化させることが必要だからです。

ここ10年のインターネットとスマホ普及とともに、誰でも24時間情報が受け取れる環境に大きく変わりました。夜中にネットニュースを観て、朝一から商品を求め買いに動く人が増えてきています。

全英オープンで優勝した女子プロゴルファーがラウンド中にもぐもぐ食べていた「駄菓子」も、朝一にスーパーに行くとすでに品切れで、菓子メーカーは増産体制に動いていた話や、オリンピックメダリストの女子カーリーングチームの食べていた、黄色い箱にチーズケーキはいまだに品薄です。両方ともネット通販のAmazonでは、相変わらずプレミアム価格がついて販売をしているということは、「それでも買いたい」という市場が存在するということです。情報源がTVからネットに変わることで、欲しい時に揃っていることは、その企業強さの象徴となる時代になったといえます。

そういう意味では、日替わり商品の安さよりも、欲しい商品が、営業時間の前に、しっかり売場に並べられているかどうかで勝負は決まってくると言えます。

いつ行っても品揃えできている店は、お客さんを引き寄せる力明らかに強くなっていきます。

実際に、ご指導させていただいている企業の店舗は、大手チェーン各社の数値より2~4ポイント以上高い数値を示していますし、それに見合った人時体制がとられているため、より販管費は低く抑えられ、より売上ロスが低いので収益力が高くなっています。

一見して、ひとひとりの作業はゆったりしていますが、ムダな動きが少ないので、人時売上高が改善され好循環で回っています。

こうした仕組み作りが上手くいく企業との致命的な違いは、セミナーでおつたえしていますが、

その多くは、経営として柱となる改善策をもっていなかったり、その利益を成長戦略に転換する仕組みが無いことから、いくらコストカットをしても結果をだせていないのです。

世の中には「改善だけでは成長できない」と言われる方もおられますが、成長戦略コストを生み出すのは、日々のオペレーション改善から生み出される改善資金が作れなければ、何もできないのは紛れもない事実だということです。

こうして徹底して取り組むことで、それがお客様の利益に繋がれば、改善という取り組みに、顧客が反応してるかどうかというかは分かるものだからです。

さあ、貴社では、まだ、安さだけでの集客をつづけますか?それとも仕組みで顧客を呼び込む力を強くしますか?


スーパー・GMS・ホームセンター・専門店チェーン社長向けセミナー、人時売上が劇的に変わる人時売上最大化のすすめ方、今期経常利益率プラス3%を確実にする実践手法を大公開