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今週の儲かる繁盛店の視点 第286話:「なぜ、売上減がチャンスなのか?その考えのない企業は、売上増に逃げようとする」

「先生、こうして人時をつけていくと、いろいろなことに気づきます。」

とあるチェーンの運営部長の一言です。

―――以下は、その運営部長さんからの報告です。

人時実績をみていくと、分かるのがその差でした。チラシの立ち上がりや、その前が高いのはほぼ予想できても、一番暇な曜日が予想以上に低く、これで回っているのか?店舗に確認にいくと、お店は問題なく回っていました。

人時実績を今一度、よく見てみると、毎週売れる日と普通の日の人時はほぼ変わらず、売上の少ない木曜日だけが、極端に少ない。普通の日も、ここまで人数はいらないのではないか?ということが見えてきたのです。

そこで、月平均を出し、多い日、少ない日両日の数値に印をつけてほしいと店長に指示し、どれが適正なのか店長の言葉で説明してもらうと、この店の人時は瞬く間に下がっていったのです。

今までは、一人一人の月間労働時間さえ、越えなければいいというアバウトなものでしたが、曜日によって使う目標を決めることで、お客様に迷惑をかけることなく、人時の調整がムリなくできることも分かりました。

―――よかったですねえ~ 

「人が足りない」話を鵜呑みにせず、数値を読み込み、ひょっとして下げられるのでは?と考えたことが、結果改善に繋がったのです。
その調子で頑張ってください!と背中を押させていただきました。

こちらの企業では残業しないで店舗運営をしていく。という方法を以前から模索していたのですが、中々良い方法が見つからず苦戦していました。

―――まずは、きちんとした数値に基づいて行動することが重要です。という旨を社長にお伝えし、運営部長が直ぐに動かれたことで、結果に結びつけることができ、ほっとしています。

但し、これはあくまでスタートラインです。そこからは、売上も落とさないように注意してください。とも申し上げています。

人時実績を見ていくと、レジのように業務見える部門は、売上に対して人を再配置することで、徐々に調整していくことが出来ます。

一方で、大半を占める売場や厨房作業となると、その内容がわからない為、こういった指導はすることができません。

残業をしないように!と言ったところで「またあの人残ってるな」ということはわかっても、何をしているのかはわからないことには変わりありません。

そんな中でも、こうして俯瞰し、一旦立ち止まって見てみることで、そもそも、どこに問題があってどこから手をつけていけばいいのか?と考える、心の余裕が持てることができることが大きいです。

と申しますのは、「人時」という聞きなれない言葉を使い、いきなり何かやろうとしても、それを正しく伝えていく仕組みがないと、思わぬところで足をとられることになるからです。

インターネット・SNSの普及とともに、フェイクニュースが出ると、拡散されウソが真実のように伝わる時代です。

社内で小耳にはさんだ、「人時」は独り歩きしそこから連想される、人員削減や収入ダウンといった誤ったことが、真実のように伝わってしまうからです。

そういったことに足をとられないようにするために、経営は目的を明らかにし、客観的なデータを見えるカタチにし説明していくことが必要となります。

「そんなものを作る時間はない」という声が聞こえてきそうですが、

実際に、こういったことをベースに話をしてくことで、様々な課題に対応する力が養われていくようになります。

前述の企業では、多い日と少ない日との差から、ヒントを見つけることが出来ました。
ところが、どうやって解決していけばいいのかわからないことから、再び立ち往生することになってしまったのです。

そこで、一計を講じ、運営部長には、店長と一緒に、各部門でどれだけの人時が、本当に必要なのか?確認してください。
といって動いてもらうと、その数値の裏からはいろいろなことが見えてきたのです。

ある部門では、小さなお子さんのいる人が多く、突発休があって、急に休まれてしまうと、その穴埋めのために、残業しなくてはならず月60時間を超している人がいました。

冷静に考えてみればわかることですが、残業60時間というと週30時間契約のパートさんが、2週間休んだことになり、それが直接的な原因ではないことが垣間見えてきます。

そして、次の手立てとして、該当部門のパートナーさんにヒアリングをしてみることを指示しました。「売場演出」や「発注」といった主任が抱えている作業遅延が、周囲の業務の遅延となって、残業になっていたことが浮かび上がってきたのです。

売場演出の簡素化、発注業務の標準化の必要性は、こういった現場の課題を引き出す仕組みがないと、創業時のやり方がそのまま、継承されていることがあります。
それが潜在化し、遅延要因となっていることが多いのも事実なのです。

自働車業界では、新車が売れなくなれば人手がいらなくなるので、容赦ない人員削減がおこなわれます。
電子部品企業においては、半導体需要の増減にかかわらず、本当に必要な人員はいくつかなのかを はっきりさせることで、人件費の肥大化を防ぐかが課題になっています。

チェーン経営も同じで、そもそも、売上が減っているのに、人手は今までどおり必要で、昔のやり方で、残業している矛盾があっても、それを指摘し改善する方法を誰も知らないことが原因だったのです。

こうして、人時という一つの指標を 提示しそれを運用し、必要のないところに、能力や人手がかかっていることを 常に経営が見抜けるような、仕組みが、今こそ必要になってくるとうことです。

「そうは言っても 何処から手を付ければいいのか?」という声が聞こえてきそうですが、

かつて人口増で売上が維持できた時代は、売上に偏った視点で何でも物事が判断されてきました。

例えば、「売上の高い企業」「売上の高い日」「売上の高い店」といった、何も考えなくても、注目しやすく、目立つ店をただ、真似ようとし、ほとんどはうまくいかず失敗しています。

理由は簡単で、高収益な企業ほど、「売上の低い事業」や「売上の減少する日」、「売上の低い店」でどうやって、利益率を確保する構造をつくりだすのか?その骨格部分がしっかりできているからです。

そういった確固とした構造部分は、外見からではわからないからです。

誰にとっても平等に与えられているのは時間です。何か新しいことを始め成果を得る為には、効果のない何かを止めなければなりません。

そのためには、こうした収支が分かる活動で、課題を早期発見して、構造部分から組みなおしていくコトになります。

弊社の門を叩かれる企業経営者の中には、ゼロから出発される方も多いのですが、何十年も前から人時生産性について、既に社内で取り組んでこられた方も多く、ここから先は、専門家のアドバイスが必要と感じプログラムをお申込みされる方がおられるのも事実です。

人生でも、ビジネスでもなんでも同じですが、成長し続ける企業というのは、最も強くて、最も賢くて、最もすばしっこい人の多い会社ではなく、最終的な成功を収めるのはこうした仕組みを愚直にモノにして「ウチには出来る」と叫びつづける社長の熱意であり、それに鼓舞された社員が、その想いを実現させているということです。

準備をして装備を揃えていくことは 誰にでもできますが、やり方を探し、情熱を注ぎ続けることは社長にしかできません。
「ウチには出来る」と強い社長の想いで利益体質づくりを目指す企業を、全力で応援させていただくのが当社の仕事です。

さあ、貴社では、まだ、売上の高い日だけに望みを託しますか?それとも構造的に利益が高くなる仕組みで、成長し続ける社長の夢を実現させますか?


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