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今週の儲かる繁盛店の視点 第290話:「遅延と優柔不断は仲が良い。これが一緒に起ると最悪です。これを仕組みで変えていくには…」

「先生 今まで、全ての売場がギリギリでどこもやってくれてると思っていたのですが、意外にも、必要ないところに結構時間をかけていたり、まだまだ、配分をかえていけば、十分できることがあることが解りました」とある店長の一言です。

また 別の店長は、人時(にんじ)予算を組むために調査をしはじめたところ、「なぜ、急に厳しいやりかたに変えたのか?」とか「プレッシャーを感じるパワハラ的なやり方だ!」といった不満がたくさん出てきて、本部に投書され、眠れない日々を送られたとのこと。

そんな中、社長が店舗に来て「店長が取組んでやっていることは間違っていないからこのやり方で進みなさい」と言われ改めて、そこから、いろいろ調べてやり方を工夫してます。という言葉もいただいております。

こういった意見が飛び交う場が、実力店長講座です。

皆さんに共通していることは、回を重ねるごとに、上司に言われる前に、自分の頭で考え、トライアンドエラーを修正してくように変わってきているということです。

この講座に参加される方は、社内で優等生方が参加されます。そういうこともあって、「失敗してはいけない」とか「なんでもお伺い確認する」ことが、あるべき店長の姿と思い込んでおられる方が多いのです。

人時に取り組んでいきますと、それが自ら成長の大きな足かせになり 会社の改善が進まない原因のひとつになってたことに気づくようになります。

「自らの頭で考え、自らの責任で行動する」…言葉にすればたった一行ですが、いままで経験してないことに、自ら踏み込むにはある意味「勇気」が必要となります。
その「勇気」ある行動をとれたことが、今までの殻を破るきっかけになったといえます。

先のケースの場合も、今まで皆の話をよく聞いてくれる人気者であった店長から、今回の取り組みで、パートアルバイト全員から総すかんを食らい、心がずたずたになったそうです。

そこで、コミュニケーションのとり方や、人時生産性について、ネットで調べ、本を読み漁り、何か変化を起こす時は「事前説明」が大切であることを知ったそうです。今回 そのプロセスを疎かにしたことが「誤解」を招き不満が爆発したことが分かったのです。

そういった「痛み」を知ることで、言葉使いや、その事前準備に改めて入念な体制をとったところ、少しずつ協力してくれる人が増えてきてようやく前に進み始めたところに、社長が来店され、「頑張れ!」と激励してくれたそうです。

これも、実に不思議なのですが、こうして痛みを乗り越える人は、必ずだれかしらが見ていて、救いの手を差しのべてくれる。ことが起きるものです。

問題は、このレベルの人は社内にそうたくさんいないということです。ほとんどは、日々の業務に追いまくられ、早朝から夜遅くまで働いて、疲弊しきった状態で、「人時生産性?そんなことやってられない」というのが 本音だと思います。

最初は、こういったお手本となる店を作っていくわけですが、どの店にでもできるようにしていくには、社長を中心としたプロジェクト体制が必須となってきます。

ローマは一日にして成らずというように、あの繁栄を築くまで、苦難の歴史があったわけです。チェーン経営も同じで、これまで人時生産性で結果をだしたことのない企業にとってみれば、一大事業であり、経営戦略なしにこの先の繁栄を勝ち取ることは出来ないのです。

見えないこと、経験のないことへの取り組みは、誰でも恐ろしいものですが、すでに、数年前から継続して取り組まれておられる企業では、効果が出ていて、この先5年10年の成長戦略を描かれています。

見方を変えれば、誰も足を踏み入れる人が少ないブルーオーシャンだからこそ、たくさんの資源があって、そこに踏み込むからチャンスを掴むことができると言えます。

「人時生産性…単なるコストカットじゃないのか?」という声も聞こえてきそうですが、

――――おっしゃる通りです。とハッキリ申し上げてます。

冷静に考えてみればわかることですが、利益を生まない事業のコストをカットし、利益を生む事業にそのお金を再投資することは、資本主義の会社経営そのものです。

社内の利益を生まない業務を止めて、商品開発のように利益の生む業務にお金を回すことで、粗利が改善され人時生産性は上がります。

また、給与が引き上げられ優秀な人材確保が進み、さらに、スクラップ&ビルドや改装が計画通りに行なわれるようになります。

もし、仮に、この3条件の揃った店が、貴社の店舗のそばに次々と出店して来たら、どう思いますか?ということです。

人口が増えていた時代であれば、安売りチラシを訴求して、食つなぐことができたことも、今の経営者であれば、それが、効き目があるかどうかは判断がつくはずです。

そういう意味では、生産性の高い店は、競合になると一番手ごわいということです。

実際に、お手伝いさせていただいてる企業では、そういうことが現に起っています。

大事なことは、経営として、まず、完成度の高い計画書をたて、優柔不断の芽を摘んでおくことです。

経営として体系化された計画があれば、たとえ、それが希望通りの結果通りにならなかったとしても、どこが遅れて上手くいかなかったのか?「痛い」ほどわかるものだからです。

遅延の痛さが分かっているからこそ、遅れず行動するようになり、ゴール到達のコツを掴むことができるのです。

さあ、貴社では、まだ、完成度の低い計画書で目標未達を繰り返しますか?それとも 自ら変わる計画で、勢いのある会社に変えていきますか?


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