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今週の儲かる繁盛店の視点 第301話:「改革はどのように進むのか?会社を大きく変えるために、必要となる条件はズバリ○○!」

「先生 非効率なやり方はやめればいいと言っても、店はやろうとしなくて…」

セミナーにお見えになった、とあるチェーンの社長さんからのご相談です

――――難しいんですよ その引き出し方というか、取りまとめ方、それをつかって数値を変えていこうとすると 店舗巡回の時にちょっとやそっと言ったぐらいで出来ることではないからです。

と申し上げると。

そうそう といった感じで社長の皆さん、頷かれます。

よくあるのが、「カイゼンは、出来るところから」とか「やり易いとこから始めて」とか「顧客の意見を聞いてから」といったことをやると とても時間がかかるだけでなく、まず進まないということです。

理由は簡単で、経営として非効率業務を止めさせていくためには、業務改革の柱となる企画を打ち立て、解決手順を提示していかないことにはだれも動くことができないからです。

非効率な業務というのは、そもそも何なのか? それは紛れもなく各個人が やってて大変!とてもじゃないけどやりきれない!毎日やるのには気がめいる、といった人の手で行われている業務ということです。

そいう意味では、一種のフラストレーションの塊といえ、会社を変えていく原動力となるわけですが、それを経営数値に変換する術がないと単なる現場の不平・不満にしか聞こえず活かすことは出来ないということです。

人口が増えていた時代は、モノを出せば売れた時代。安い賃金で人を雇うことが出来ましたし、売上を上げる為に人で対応することが一番手っ取り早かったわけです。
今は、モノを並べてもそれほど売れず、その人を確保する賃金がばかりが上がり利益を圧迫している状態です。

なんとか、売上アップを図るためにやるポイント○○倍セール、日替わりチラシといったことで確かに売上はとれますが、果たしてどれくらいコストかっていて、それが利益に結びついているか?

そこにも非効率業務は潜んでいて、それはあたかもウィルスのように見えない為、まずは、それを見分ける仕組みが必須となります。

また、キャシュレスについても、ポイント還元が受けられるからといって導入をしたものの、この優遇期間にコストを下げる仕組みを作ることができたか?ということです。

「キャッシュレスでは、コストは下がらないですよ」という声が聞こえてきそうですが、

キャッシュレス比率が急速に拡大した結果、すでに初期投資とランニングコストがかっかっていることから、とにもかくにも、どこでカバーして、利益を回復させるのことが今、最重要課題となります。

現実的には レジでの処理速度は速くなっても、経理の釣銭、両替、回収、記帳等の現金取り扱いコストは、全てキャシュレス化になった時にはじめて効果がでる話で、コストダウンにはなりません。

つまり、今、店舗オペレーションでリカバーする体制を、組んでおきませんと、売上はとれても減益。カード会社が儲かっているだけといったことになりかねないからです。

国内メガバンクは、キャッシュレス化になったとき、窓口で現金を取り扱う支店がなくなることから、先行してリストラを推進しています。チェーン企業も同じで、現金を減らすことで、業務はへることから、店舗のキャシュレス化を前提に準備を進めていけば業務は相当軽減されることになります。

将来、現金対応を止めるかどうかは別としても、現金(売上)を減らすことで、企業の現金(利益)が生み出されるというのは皮肉なことですが、キャシュレス化⇒人時生産性向上というのは紛れもない事実だということです。

さらに店舗では、今後、働ける人が減ることが予想されます、その際どうやって業務をリカバーするのかというと、本部では確認できず、事実上現場まかせとなります。

大事なことは、こういったことが通常時の人時売上対ではどうなっているのか?それに対して非常時は作業指示書や出勤シフトがどうなっていて、どういう人時売上で推移したのか?この記録が残っているかが重要になります。

そうした中で分かることとして、人に仕事がついたままの部門はいろいろな課題が浮かび上がってきます。例えば発注担当者が休むと、発注ができなくなります。水産加工の人が休むと、調理ができなくなります。レジの人がいなければ、レジはあけられません。

今、最も進んでいるチェーン企業では、こういうことを明らかにし、人時割レイバースケジュールを駆使し、人手が不足しているとこに人を引き当てる事ができます。
しかし、課題はその先にあります。人を人でしかカバーできないという業務のままでは、人時売上は全く変わららず、それでは間に合わないからです。

目指すべきはそれに代わるIT化や 機械化ということに経営として着手していかなければならないということです。そこではじめて、自動発注であったり、生鮮のPC化であったり、という業務の変換が必要となってきます。

全く人時売上があがらないの多くの企業は、こういったプロセスを得ず、仕組みをつくらないまま、先行投資をしたりしているということです。

大事なことは「利益を生まない非効率業務」という不満エネルギーを、人時に変換させ、かかるコストがどれくらいなのか?それを数値で示し、経営として一気に着手していくということです。

前述のように、人時生産性の改善は目に見えないものが多く、その対応策を間違えると、リストラ、パワハラ、ブラックといった、本来協力してもらわなくてはいけない従業員の方々に誤った情報が伝わり頓挫したり、最悪の場合始める事すら出来ないということがあります。

人は、これが 正しいとわかっても 変わりたくないという本能があり変わろうとしないものですが、危機に直面した時は思いのほか力を発揮するもので、こういったエネルギーを活かし改革の足掛かりとしていくことは戦略といえます。

本質的な経営としての取り組みのブレがなければ、不平と不満を光り輝くダイヤの原石に変え、倍返しができるくらいの報酬さえ出すことも決して夢ではないということです。

さあ、貴社では、この巣ごもり期間をじっと何もしないで過ごしますか?それとも次の一手の準備期間としてとらえますか?


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