今週の儲かる繁盛店の視点 第316話:「発注したコンサルが入ってもニンジ売上が上がらない会社の共通点とは?そこには 致命的に欠けてることがあります!?」
「少し前から、人時についてやってるんですが、効果が見えてこない。先生の本を読むと、うちのコトが書いてあるような気がしまして…」とあるチェーンの社長からのご相談です。
――――お読みいただき恐縮です。 どういったことですか?
「いや、コンサルを入れて1年ほど前からやってるんです。ウチの方がついていけてるのかどうか?その辺がどうも・・・」と、歯切れが悪い。
聞くところによると、お仲間の社長から、あるスーパーでLSPを導入した先生を、紹介して来てもらったそうです。調査をし、それと同じものを各店に導入されてるとのこと。
――――それで、良くなるなら、いいのではないですか?と申し上げると。
「それが…結果が変わってこない。それをどう活用していくのかは分からないんです。システムご出身の先生なもんで・・・」
人時スケジュールを組んでくれるコンサル?と聞くと聞こえはいいですが、どこかの企業でSE(システムエンジニア)をやってきた方に、全体の仕組み作りや構造改革を求めても、それは畑違いというものです。
何でもそうですが、まず、やってもらいたい目的をハッキリさせてからはじめないと、こういった問題は必ず起きます。
冒頭の企業の場合、社長の知り合い、安いし、LSPツールはどこも同じ。と考え、とりあえず発注されたらしいのですが…それが後に、こうした問題に発展するとは、この時は想像するよしもなかったということです。
弊社でも、そういった勇み足で後々ご苦労された企業を何社かお手伝いさせていただいておりますが、その中で最も厄介なのは、全体最適にならないLSP等のシステムの作り直し。ということです。
理由は単純です。作業性の低いものを使い続ければ、いつまでたっても儲からないからです。
そのシステム開発やコンサルに、いくらお金がかかったは別にしても、クライアント企業の利益を保全し成長させていくには、切り替えることがもっとも、効果が上がるからです。
例えば、
Q:レジだけのレイバースケジュールを導入したとしたら、どうなるか?
A:頻繁に、レジ応援のアナウンスが流れ、レジの効率は改善できても、各売場は作業が止まり売場の効率は低下します。
Q:生鮮食品だけで、レイバースケジュールを組んだらどうなるか?
A:各厨房の効率が優先して組まれ、店全体は生鮮に振り回され効率低下します。
Q:事務所や非食品部門のLSPが無かったら、どうなるか?
A:土日は、一日中、食品品出しやレジ応援コールで呼ばれ、事務や衣料や住関連の業務改善は誰もやらなくなります。
Q:物流センターの積載効率を優先すればどうなるか?
A:それに合わせて、店舗は人員を抱えなければならず、店舗人件費が超過します。
いかがでしょうか?
こいういったことは、一事が万事で、LSP導入が目的化してしまうと、このような部門間の利益相反がいたるところで発生します。
本来、人は争いごとを好まないもの、これを無理に進めようとすれば、抵抗勢力となって誰も変わろうとしない。という結末が待ち受けているということです。
「折角いれたので 多少なりとも流用できないものなのでしょうか?」という声が聞こえてきそうですが?
――――基本的にありません。とキッパリ申し上げています
経営視点で考えれば導入に時間を要している分、既にお金はかかっている訳で、その分を考えれば、すぐ投資回収から、始めなくてはならないということです。
こうして、儲からないと分かってどん底まで転がり落ちていく前に、途中で食い止める、企業体質の習慣作りは、成長企業になるための登竜門といえます。
と申しますのは、なんでも新しいことを始めるのは簡単でも、一旦やり始めたことを、止めるは想像以上に難しく、成長企業には、そういった生産性の低い業務を見直していく仕組みが社内に備わっているということです。
儲からないことを結果的に、ダラダラと続けてしまうことが、いかに企業にダメージを与えるかは、申し上げるまでもなく、今の営業利益率がそれを反映しているといえます。
各企業のお考えがあるので、それをどうのこうの言うつもりはありませんが、
一つだけ言えることは、
ニンジ売上を上げるめには「まだ、そのツールを使いこなせていない自社の担当部門の努力が足りない」と人に依存したやり方ではなく、誰がやっても同じ品質の出来あがる仕組み作りとツールの上に成り立つということです。
大事なことは、最初にツールを決めるのではなく、まずは、経営として基本骨子があって、最後に必要なツールを決めていく、全く逆の考え方だということです。
一方で、同じ轍を踏まぬよう社長自身が、弊社セミナーに参加され、新たに人時割レイバースケジュールで再スタートされた企業では、既に2年以上連続で人時売上を更新し続けておられます。
その企業もかつて、そういったこと間違えてらして、「先生、あんまり大きな声では言えないんですが、いやいや、あのままやってたら 大変だったて・・・」と大変喜んでおられ、
嬉しそうに語る社長の笑顔を見るのは、こちらも必死にお手伝いして、本当に良かったなあと思うところです。
詳細は、セミナーでお伝えしておりますが、
企業として、結果が変わらないのは、どこか間違ったやり方を続けているからであって、社長ご自身が、それを正しくやる方法の発見することで、企業の将来は大きく変わってくるということです。
さあ、貴社では、生産性を各部門の問題と捉え、収益低下を続けますか?それとも、全社のこととしてトライし、一気に上昇基調に引き上げますか?