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今週の儲かる繁盛店の視点 第323話:「意識を変えることを社員に期待する会社で、業績の変わった会社を聞いたことがありません。衰退企業にありがちな意外な落とし穴とは?」

「先日、店を回っていると、サービスカウンターに警察の方をお待たせしている光景をみて、「早く店長を呼べ!」とおもわずそこで、注意してしまいましたよ!」とあるチェーンの社長の一言です。

店長はクレーム対応で外出中、対応できる人間がいなかったのが問題だったのですが、「そういったことを標準化させていきたいんです」というのが、この社長からのご相談です。

―――――同じようなことは、どこ企業も抱えておられ、生産性の観点からとても大事なことです。と申し上げました。

どこでも、均一化した対応をとれるようするには、標準化が必要なことはわかるものの、何をどうすればいいのか?となると、こうした、個人の経験値に頼る業務は社内に意外に多く、同時発生すると、打つ手がない。といった切実な問題があります。

大型店であれば、出来る人間の教育をする。とか、そういった人員を常時配置して。といったことがある程度出来る店はあっても、小型店となると人員に余裕がないことから、こういったことが起きないことを、祈るしかないわけです。

実態を把握するために、逐次お客様相談室に情報投稿する仕組みがあるとこもありますが、各店が独自に、苦情ノートのようなものを作っているとこもあれば、営業日誌の片隅に書かれて終わり。というところもあります。いずれにしても、人海戦術のため、相当な手間がかかっていることは明らかです。

大事なことは、人が少ない中で、それをどうやり繰りするか?そして、それを落とし込む仕組みはあるか?ということになります。

クレームを抱えながら、売場の教育、人員体制を調整し、顧客情報管理し、再発防止をしていくわけですが、これを店ごとに、やろうとすると…相当なエネルギーと時間を要します。そのときは頑張って、なんとかなっても、人が変わればまた元に戻ってしまう。

前出の社長も、何度となくそういったことを見ていて、これは、根が深そうな問題と気づいていたものの、一貫性をもってやることができないか?ということを模索されていました。

ここで経営に求められることは、店長が手を離せない時、そのリカバーリーにあたるための「作業指示書」が作られているかどうかということです。

「え?、そこまで やる必要があるのでしょうか?」という声が聞こえてきそうですが、

作業指示書もなく、業務内容が明確に示されてない企業に共通してる点は、店長を筆頭に、各自が自分のペースで、バラバラに仕事をやっているということです。

各自が仕事に熱中しているのはいいですが、部門を越えた、お問い合わせやクレームが発生した時、だれも応対が出来ず、二次苦情に発展することはよくある話です。

かつて、人口が増え、ものが売れていた時代は、店にも人がたくさんいたことから、作業指示書などなくても、対応できていました。

今は、少子高齢化で 人手の少ない中、各売場の責任者も兼任でやってることがほとんどですから、部門を越えた企業として仕組みが無ければ、「意識をもて」と言われても、何をどうすればいいのかわからないから動けないのです。

実際に、クレーム対応に掛かっている店長の時間を計測すると、仮に月に2回クレームを受けるとして、年24回、一回の処理時間2時間とすると、年50時間はこれにかかっていることになります。

担当の部下も同じように時間がかかりますから約2倍として年間100時間。クレーム自体は1円の利益も生まないだけでなく、作業指示上の業務ができなくなることから、100時間の残業という形となって利益に影響することになります。

管理職の時給を2000円とすると年間20万円。25店舗のチェーンなら年間500万円ものお金が、毎年クレームに消えていく計算です。

クレームの多い店というのは、顧客満足度が低い一方で、人時売上の低い問題のある店ということです。

大型店やドル箱店では、それが表面化し見えてこなくても、その後ろにはヒヤリとする似たようなことが起きていています。それらを、根本的に解決する仕組みがあれば、そこにも人時売上をひき上げるポテンシャルがある。ということです。

そのためには、人の問題から、全体の業務の課題といった視点で捉え、解決していくことになります。

前出の社長は、こういったことについて、気にはなっていたものの、それをどうやって、全社の問題として捉え、解決していくべきか?その熱い想いが、その解決のきっかけになったといえます。

今は、作業指示書を、デジタル化させた人時割レイバースケジュールを自在に扱うようになり、不思議なくらいこういった問題はなくなりました

各店の人多い少ないといった問題を解決すべく、週に一度運営部長と協議し、目標とする高い人時売上達成に向け邁進されています。

さあ、貴社では まだ、クレームを教育や人の意識の問題として捉え続けますか?それとも、全社の課題として受け止め、儲かる企業へ変革していきますか?


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