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今週の儲かる繁盛店の視点 第33話「脱価格競争で成長する企業としない企業の違い」

33話1

 

「 近くに安売りの店が出来て苦戦してます。何とか価格値あわせしてるんですが中々厳しくて、打開策はありますか?」

 というご質問をいただきました。

———そもそも、「価格が安いから、というだけで負けることはありません。同じやり方しか対抗策がないのであれば苦しいと思いますが」とハッキリお伝えしています。

 

違う方法を考える「思考停止」にしてしまうのが「安売り思考」の病魔です

 日本にスーパーマーケットが出来て半世紀になります。高度成長期、バブル期を経て変わることが無かった唯一の事実は、人口が増え続けたということです。

 広い土地に、ショッピングセンターを造り、商品を棚に並べれば売れた時代は50年間つづきました。

 2010年を境に人口減少となり、これから50年間は減り続けるわけです。

 競合店ができなくても、お客様は減り、高齢化で食は細くなるのは明らかです。

 地方ではすでにその状況は始まっていますが、首都圏では団塊世代の最終組みが退職を向かえ一時的に潤っている状況が続いてます。

 客数が減る現象は、同質競合ができるか、人口が減るかといった大きな要因があります。

 しかし、どちらの店を選ぶかは安さだけで、選ぶとは限りません。

 価格の安さのほかにも、店員の接客態度、おすすめ商品のわかりやすさ、商品知識、レジの正確さ、レジのスピード、清潔感、という選択基準があるからです。

 他の項目はどうなっているのか?状況把握することが必要です。

 そのような基準を数値化し、従業員に常時知らせるいくしくみさえあれば、打つ手が5~6個すぐ出てくるのですが、一旦「思考停止」モードになってしまうと、中々抜け出すのは難しいのも事実です。

 今は、客数が減るのが普通です。

 少子高齢化のお客様に、価格訴求で、無理な数量を売り込むほうが、無茶な手法なのです。

 「安売り思考」を払拭し、利益が上がる視点でお店を選んでもらえる手法を駆使することで、「思考停止」を解除することが出来ます。

 

 
安売りすればするほど、経費が増える事実
 「そんなことないでしょう?どうしてですか」と驚かれるかもしてませんが、残念ながら事実です。

 輸入原材料費高騰でメーカー原価引下げは厳しくなっています。

 商品原価が変わらないとすると、仮に売価を5%引き下げた場合、30%販売点数増をしないと利益が取れない計算になります。

 当然ですが、30%点数が伸びたとしたら、商品陳列やレジスキャンにかかる作業時間も増えます。

 人件費をかけて、安売りをして、利益を減らす。

 人口増の時は、客数がいるから3割増で売れる日もあったのは事実。

 しかし、今は、その時の感覚で人時を設定してしまうと経費倒れとなってしまうのです。

 このビジネスモデルのロジックと現実を知り、そこから抜け出す方法こそが重要なのです。

 利益は、人口増の時では上振れすることはあっても、人口減の今は下振れとなります。

 

メーカー値上された商品を売り込む体制を整える

 2015年のメーカー値上げ品目は10品目 食油、パスタ、文具、即席めん、・・・それも3%~25%と急激上昇です。

 一度値上がりした商品は、下がることはありません。

 しかもこれは、1月~4月だけでして、5月以降も他品目の値上げは続きます。。

 こうした中で、安全、簡単に、美味しく調理する お店毎で自信をもってお薦めできる商品を売り込む体制が必要なのです。
 そもそも「メーカー側は値上げをしても売れる」と判断した商品が値上げされているわけです。

 値上げ後にしっかりと売る力をここでつけておく絶好の時期と考えれば、安売り店と差別化した、時流に乗る方法となります。

 その商品のユーザーとなり、実際に使ってみて、食べてみて 良い商品を選定し、5つの特徴を言えるように練習をする。

 そして、その商品を話題に、毎日10名にお声がけをしてみる。

 1ヶ月20日間で200名とこうやって対話をすれば 商品数量が変わらないことはありませんからね。

 

流通業ではない 小売業としてのプロとなることこそ王道
 かつては、小売も問屋も輸送や倉庫も流通業と呼ばれていた時期があったと思います。

 当時は、お客様に直接お売りするのは、小売業だけでした。

 いまは、インターネットが台頭し、直メーカー、直工場、直農家から購入できる時代です。

 これは、裏を返せば、小売業が魅力のある商品を開発し、仕入れてこなかった、そういう商品を魅力的に売り込んでこなかった結果です。

 お客さまから言われても「取り扱いないです」と言い続け その結果「あんたのとこで買わなくてもネットで買うからいいわ」と言われているわけです。

 だからこそ、お客様の声をいち早く、商品部に届け、それを仕入れ、売ってみる。ことが大事なのです。

 商品を手に取れる。試食や使い方をその場で確認できる。なんといってもその場で直ぐ買える。

 インターネット通販よりも恵まれた店舗として あぐらをかいてきたことを認め、もう一度、商品を自らの手で自信をもってお薦めできる体制を作るべきと考えます。

 

大事なことは、原材料費を引き下げや、人件費を削って、安全安心が維持困難となるリスクを考えれば、切り口を変えた販売手法の方が確実なのです。

 これからも続く、世界中の食料不足は深刻です。
 
 安売りが悪いということではなく、人口増の波に乗り、無理をしてきた歪を 修正すべき時に来てるといえます。

 正しく値付けをした企業はちゃんと利益をとっています。

 独りよがりの妄想値下げ企業は、個人犠牲の上に成り立ってきましたが、もうそれは限界です。

 さて、御社では、楽な「安売り」でリスクをとりますか?

 それとも、「正しい価格」で「足場固め」を進めますか?

 
 今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 
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