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今週の儲かる繁盛店の視点 第333話:「改革が進まない憤りを抵抗勢力にぶつけても何も変わりません。革新の実現に欠かせない2つのこととは?」

「先生、コスト削減だけでは縮小均衡になってしまうので、Y社のように商品ボリュームで売上のとれる店にしたいんです」

とあるチェーンの経営陣からのご相談です。

――――おっしゃる通り首都圏中心に展開しているY社は、商品や売場づくりも目を見張るものがあります。同時に、毎年販管利率の引き下げにも、力をいれてます。

Y社の決算報告を見ると、着実に販管費を引き下げているからで、「利益の3割をコスト削減で生み出すトヨタのような動き」ともとれます。

新型コロナの特需も束の間、国内チェーン各社は、毎年上昇する、販管費対策に重い腰を上げ、その人件費コントロールが課題となっています。

一方で、数年前からお手伝いさせていただいているチェーン企業では、どこにどれだけ人手がかかるか掌握し、それを儲かる業務に集中させることで、販管費が下がりはじめ、すでに、来期へむけ新たな計画が始動しています。

例えば、
これまで、あまり触れてこなかった「販促強化」も、検証を繰り返し行った結果、週に何回も売場と価格を変更することが、必ずしも利益にならないことが分かり、作業量軽減に向けて、大きく動き始めました。

また「売場手直し」や「接客」といったことも、LSP(レイバースケジュール)に組み入れてたのですが、無くても回ることがわかり、手の空いてしまう人を救済するようなやり方も、見直しをかけることになりました。

20年前に主流であった、固定電話が、携帯電話に移行し、そして、ガラケーからスマホへと、世の中がこれだけ変わっているのに、小売りの現場は、20年以上も前から作業のやり方が殆ど変わっていません。そして、その殆どが、人の手で行われてきました。

そういう意味では、科学的に儲からないやり方を早く見つけだすことが生産性を上げる近道だろいうことは誰の目にも明らかでした。

ところが、いざ手をつけるとなると、どこから手をつければいいのか?

小売チェーン独特の多種多様の業務と、それにかかる時間や、個人個人やり方があり、考えるだけでも気が遠くなり中々手を付けられないままだったのです。

もし、大量の人手を使いやっていくにしても、順番をひとつ間違えたり、現場判断で、手間のかかることを後回しにしたりすると、ありこちで計画の遅れが頻発し、動き出すまで相当な時間がかかります。

前職時代は、それを動かし結果をだすまで10年近くの歳月を要したわけですが、実際に、こういった取り組みを経て、無駄がなくなると社内に余裕が生まれ、自然と笑顔が出る明るい職場になる。ということです。

また、自らの手で作業分析を行い、利益を生み出す作業スケジュールで、店舗を通じお客さんと楽しい時間を共有し成果を上げることが出来た時は本当に嬉しいもので、小売チェーンで仕事をしてきて本当に良かったと感じることが出来ます。

経営は人時売上目標を設定し、これまで売上だけでしか見てこなかったことを改め、売上と人件費という2つの観点で、自社の店はどういうあるべきかなのかを追求していくことになります。

こういったステップを踏まずに、いきなり「カイゼン」をやろうとすると、必ず反発が起ります。そうならないように進めるためには、まず人時を使った考え方で、店のことを隅から隅まで知っておくことが、強みとなります。

「経営が、そこまで知る必要があるのか?」という声が聞こえてきそうですが、

売上だけでは、作業の中身は決して分かりません。

しかし、人時を通じて話をすることで、一人一人のやっている仕事を知ることとなり、従業員側から見ると会社が個人を尊重してくれてると映るのです。

実際には、こういったことを意図し、プロジェクトを進めていくわけですが、そこでは様々な情報が入ってきます。

「うちのチーフは、一人で仕事を抱えていて、誰も応援できない」とか「社員さんが 非効率なやり方で作業をやっていて残業代をいっぱい貰ってる」etc・・・といった、対立構造の情報です。これは、会議やミーティングでは聞くことのできない生の声です。

また、プロジェクト実験店では、店長に人時の裁量権を任せることも行います。

店長は目標に向け、自分の考えで人を採用したり、ローテーションをかけていくことになります。どこで人時が不足し、過剰なのかがわかるようになりその都度修正を行っていきます。

「朝の青果の品出し人員」「夕方の酒・飲料の補充」といった恒常的に人手が不足している部門に、実際に新規人員を投入する実験をしてわけですが、そこでは人を入れることでどのくらい人時売上アップできるか?

同じ売場を、少ない人員で回すことが出来れば、人時売上は上がります。ところが、人員を増やしたところで、売上が上がるかどうかわからず葛藤が続きます。

そこで、全体作業を俯瞰するツールの必要性を大きく感じ、LSP(レイバースケジュール)に興味がわくのです。これが分かった時、LSPを導入したいと手を上げる店が急増し、全社の人時売上が一気に変わるのです。

詳しくは、セミナーでお話ししてますが、まずは、社内の対立構造を掌握し、抵抗勢力をプラスに変えることが、企業飛躍の大きなポイントとなります。

さあ、貴社では、抵抗勢力にまだ、足を引っ張られことを懸念してますか?それとも、先手必勝で革新を成功させますか?


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