今週の儲かる繁盛店の視点 第341話:「攻撃は最大の防御なり!新規参入で成功できる企業と儲からずに終わる企業、この致命的な違いとは」
「先生、このまま続けても、赤字が増えるだけですし、コロナが収束してもどこまで戻るか…」とある外食企業の社長の一言です。
――――今は、攻める時。新領域を狙ってください。 ハッキリ申し上げました。
今回のコロナ禍で、外食・旅行をはじめとする多くの企業がいまだまともに営業が出来ない状態にあります。一方で、営業継続できたのは、インターネット通販、物流、そして食品日用品を中心に扱う小売チェーンでした。
これらに共通しているのは、十年に一度のこういった禍が起きても、営業自粛を受けることなく、むしろ営業を続けることを求められるということです。東日本大震災の時も同じであったことはまだ記憶に新しいことと言えます。
こう申し上げますと
「ネットや物流は畑違いだし、いまさら競合も多いスーパーなんて、儲からないのでは」という声が聞こえてきそうですが、
スーパーマーケット事業は、競合激化が進み難しいと思われていますが、実はそれほどでもなく、儲かるチャンスは数多くあるという事です。
理由はシンプルで、1店あたり年商10億~14億という、その高い売上高にあり、この売上は、1店舗当たりコンビニの5倍、外食一店舗あたりの10倍に匹敵することから、たとえ利益が1%であったとしても桁違いの資金を手元に置いておくことが可能だからです。
また、スーパーマーケット業界でみると、新規参入は20年近くほとんどおらず、良く見受けられる競合回避目的の資本提携は、高コストで脆弱な体質を招き、新規競合に弱いといえます。
ローコストオペレーションが大事とわかっていながらも、既存店収入があることから、現状維持のまま、投資をかけない企業が多く、気づけば老朽化した店舗と高齢化人材を抱え衰退する企業が後を絶たないのです。
新築の家でも、10年に一度の修繕工事をしなければ、いざ、売ったり、貸したりということへの転用が効かないばかりか、降雪や台風シーズンに雨漏りをしたりで日常生活に支障をきたすことから、修繕投資は欠かせないものです。
日に何千人もくるスーパーマーケット事業で、まともに収益を上げたいのならば、なおさら定期的な改装は必要で、そうした投資を積極的にやっている企業と、何もしない企業では、収益力に差が出ていくることになります。
そうは言っても、「スーパー経営の経験のない経営者がやって上手くいくのだろうか?」という声も聞こえてきそうですが、
スーパー業界は、チラシの価格や売場演出、店舗フォーマットといった見た目をとても気にする一方で、目に見えない、店舗オペレーションに投資し生産性を上げることは不得意であるということです。
語弊を恐れず申し上げれば、粗利=販管費といった高コスト体質のまま、表面的な売上を上げるために、移動スーパーやネットスーパーといった、売上さえ取れれば儲けはなくても…、といったどんぶり勘定の企業が多いのです。断っておきますが 移動スーパーやネットスーパーが悪いわけではありません、ドメイン事業で収益が低いまま、逆ザヤのビジネスをおこなえば、結果がどうなるかは火を見るより明らかだからです。
言い方を換えれば、これからスーパーマーケット事業に参入するには、こうした逆ザヤ商売をやらずに事業展開ができれば、圧倒的に優位な立場で商売が出来るという事です。
なんでもそうですが、儲けの源泉は直営売上であり、その肝となる作業指示書を使いこなすことが出来れば、後発企業であっても人時生産性で業界トップを狙うことは、決して夢ではないということです。
実際に、お手伝いさせていだいている企業では、経常利益率で1.5倍~2倍というのは、あたりまえで、それは、店舗オペレーションの作業計画の仕組みを活かす、このシンプルな取り組みを徹底させているからに他ならないからです。
さあ、貴社では まだ スーパー業界はハードルが高いといって進出を諦めますか?それとも攻めこそ最大の防御として新規参入していきますか? そういう会社をお手伝いするのが当社の仕事です。