今週の儲かる繁盛店の視点 第35話「新らしい一歩で成長する企業としない企業の違い」
以前、クライアントの経営者の方から 「いや~本当に助かったよ 社内では横断的な視点で 業務改革ロジックを作成できる者がいないんで・・・」
と会食時に言っておられました。
社長が組織の力量を試しながら成功することを 外からお手伝いすることができ、本当によかったなあと思っております。
中小・中堅チェーンの中には、そういったことに悩まれながら初めてコンサルティング依頼される方が結構いらっしゃいます。
かつて、高度成長期のチェーンストアは大量採用の多くの団塊世代によって支えられてきました。
その下の世代は採用が先細り、人数が少なかったため、残業をしてカバーする時代が20年以上続きました。
そのような労働条件の下、次第に応募者は減り、労働人口減少の時代に突入しました。
こうした背景からチェーンストアは、人に仕事がついてしまっていて、今も、殆どのチェーンではそこから脱却できていません。
ここに気づかれた経営者にとっては、今こそ、だれでも簡単に理解でき、新たな仕組みを備える絶好のチャンスと言えます。
省力運営で稼ぐチェーン店の時代の到来です。
時代に合わせた採用育成プログラムで差別化
あいさつのやり方、ビジネスマナーも重要ですが、実務に役立つ教育は殆どのチェーンではなされていないのが現状です。
私の時代も入社して、現場に配属され上司から教わったことで、覚えているのは返品伝票の書き方ぐらいです。
あとは、パートさんにお聞きしたり、自分で試行錯誤してやっていったものでした。
おかげで、何をやるのも自由でしたので、挑戦すればなんでも経験できましたし、それを取り上げてもらいながら昇格も出来たわけです。
しかし、何もやらないのも自由でしたので、何もしなくても給料が減らされたりすることも無かったため、考えない社員が増殖していきました。
そういう方々が今、幹部となり、新たな仕組みを備えるといっても何も作ることができないのです。
部長、店長、マネージャー、担当者、パート、アルバイト各職務の実務書があれば、それがどの職位の仕事で、その手順進めればいいか概ね分かっていれば責任も明らかになるわけです。
職務別の実務書があれば、パート・アルバイト経験者からの本社員登用計画もつくれますから、定着率は上がり採用・育成に関わる面で、圧倒的差別化ができます。
職務内容をクリアにすることが必然の時代と言えます。
店長実務力を高める「可視化マネジメント」で悩む時間や書類作成時間を0分にする。
パートタイマーやアルバイトの仕事は定型的なものが多いので、標準化は比較的スムーズに出来上がります。
問題なのは、店長・マネージャーの仕事です。
店長・マネジャーの問題は、店舗の経営分析や戦略立案が出来る人間が少ないということです。
店長になる人間は、現場の叩き上げが殆どで、本部経験豊富な人間は少ないのです。
大局的な視点でものを見たり、将来の店舗ビジョンを設定するのが苦手といえます。
数値に弱い店長も多く、営業成績どころか、売上の数値把握がやっとというのも事実です。
また、店長マニュアルといったものが存在しない企業も多く、幹部が変わると方針が変わることからどこでも作っていないのが実情です。
そこで一目瞭然に、全てを可視化してしまうことにより、そのお店の経営実態がクリアにするのが「可視化マネジメント」です
パートアルバイトから見て、お店の経営って本当にわかりやすい!
というレベルまで噛み砕き「可視化していく」と店長自身の理解度が深まるのです。
何よりも、従業員が経営に興味をもち、それが営業力に反映されることが一番のメリットと言えます。
全ての情報はパートナーと共有すると利益が上がる
そんな、重要な情報を社内に 掲示してよいのか?企業情報漏洩につながるのではないか?というお考えの経営者の方もいらっしゃいます。
米国ウオルマート 創業者のサムウオルトン氏は 生前会社を成功させるための10の法則を明言してまして、その4つめの法則でこう語っています。
「従業員にできるだけ全てのことを知らせなさい。
彼らは多くのことを知れば知るほど、よりよく理解し、より理解すればするほど、もっと関心を持つようになる。
一度彼らが関心を持てば、もはや止めることはできない。
もし、何が起こっているのかを社員に知らせないのなら、彼らは本当は重要なパートナーとして見なされていないと思うことだろう。
情報は力であり、同僚に権限を与えることによって、得られる利益は、競争相手に情報が漏れる危険を大幅に補うくらいの有り余るものである。」
売上やコストが店長のパソコンの中にあるようでは、利益の上げられる店など作れないということです。
実際に、これを実現されてるチェーンの経営者の方もいらっしやいます。
会社の利益と個人の成果がロジックでが可視化されると従業員のやる気は確実に高まります。
社外視点と人材登用が新たな取り組みを成功させる
「企業は人」と申しますが、ルーティンや現状の運営を維持するのは、社内人材で十分です。
「可視化マネジメント」「店長実務教育」「採用育成プログラム」といったような、何か、新しいことを始める時は、逆にベテラン社員に頼った経験主義は変化を拒みます。
経営トップとして、あまり、ギスギス言うよりかは 現場のやる気や自主性を尊重したいのはしごく当然のことと言えます。
そこで、第三者のプロの意見が重要になってきます。
その時に大事なことは、同時にそういう視点の人材を経験を積ませ再現できるように育成しておくことです。
私がお薦めしているのは、業務改革というような新プロジェクトを立ち上げその責任者に抜擢するようにお話しております。
プロジェクトは期間限定で目的が明確化されていますからそこに配属された人材は、結果を生み出し、自ら貢献意欲を高め、社内幹部候補不在のリスクを回避できます。
また、それに関わった多くのメンバーは全体最適思考も醸成されます。
大事なことは、どのようなステップで成功にもっていくのか?
それと並行して、戦略と実務がすすめられる人材をどう確保するか?この2点にかかってきます。
ここに、いち早く着目された企業こそが「新たな一歩を踏み出せる」チャンスを掴んだと言えます
さあ、御社では、社内人材にだけに変化を求めますか? それとも、社外のプロに目を向けますか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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