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今週の儲かる繁盛店の視点 第358話:「衰退企業に限って、中身が見えない業務で予定をいっぱいにする。その理由は、経営危機から目をそらすことが簡単に出来るから」

 

「先生、今までやってた作業指示書を、IT化するとたしかに作業時間が減ってきます。問題は、その空き時間に何をやらせるかなんです。」

とある企業の、経営者からのご相談です

――――そのまま あえて何もやらせず、暇にしてください。ハッキリ申し上げました。

「えっ?、空いた時間にPOP作成作業や、掃除、手直しをやらせてますが…」

――――空き時間のための作業を作るのではなく、それぞれの作業は、いつやるのが儲けに繋がるのか考え、必要業務として最初から組みなおしてください。と申し上げました。

小売チェーン業界では、「とりあえず」とか「空いてる時間に」といった隙間に、雑務作業をひきあて、手が空かないようにするやり方が一般的に良しとされてきました。

その背景には、人口増で、売上が伸びていた頃は、常に多めに人を抱えていないと突発対応ができなかったために、長めの週30時間以上の契約の方が圧倒的に多かったからです。その後人口減で環境は大きく変わり、人時生産性が重視されるようになったことから、空き時間そのものありかたが問われるようになったのす。

そうは言っても ひとりの店長が何十人もいる部下の動きを把握することはできません。そこで、時間帯ごとにすべき仕事は誰が担当しているか分かるような仕組みが必要になってくる。という訳です。

収益力の高い企業に共通していることは、どこもひとり一人が何をやっているか分かるようになっていて、管理者が冷静な立場でどこをチェックすれば収益が上がるのか?ハッキリしているという点です。

「うちにも出勤シフト表はありますが…」という声が聞こえてきそうですが…

――――出勤シフト表で、どうやって収益をコントロールされるのですか?とお聞きすると

「えっと…」と言葉に詰まります。

出勤シフト表とは、単に雇用契約にもとづく日々の勤務時間帯が書かれたものです。これに対し作業指示書は、企業の目標達成に向け決められた業務をいつ誰がやるのか?を表わしたもです。

出勤シフト表が契約人員に作業を割り当てるものであるのに対し、作業指示書は作業の量と流れに人を割り当てていくものです。
大まかな個人契約中心型の仕事のやり方から、企業が高収益を得るためのやり方に切替ていくということです。

これにより、どの時間帯にどれぐら人が必要なのか明確になるため無駄のない採用ができます。また、業務内容が明らかになることから、「週2時間だけ働きたい」といった短時間契約希望の人でも、十分活用することが出来るのため、より幅広く人材を集めることが出来るメリットがあります。

また、営業面では、どこで業務が滞り、売上が落ちた原因が明確になるため対策が取りやすくなります。

実際に作業指示書を作ってみると分かるのですが、日々多忙と言われている売場を客観的な視点でつくってみると、終日忙しいと思われていた売場も、本当に忙しいピークは1時間程度で、それ以外は、ゆったりとしていることがわかります。

例えば、青果は、開店前の品出しがピークとなり大量に人手が必要になります。鮮魚や惣菜は開店直前から昼までがピーク、レジは昼と夕方。グロサリー日用品は夜間。というふうに、それぞれの作業ピーク時間がはっきり見えます。

人は変わるコトを好まない生き物、こういった構造を理解し使いこなすためにはある程度時間がかかるとういうことです。

問題なのは、団塊世代がリタイアし、高齢化が進んだことや、コロナ禍でテレワーク化したことで、一日の売上ピークの時間帯が平準化する動きに大きく変わってきていているということです。

もし、リアル店舗でピーク時間以外だからといって品切れが頻発しようものなら、その画でネット通販や競合他社にお客様は流れてしまうということです。そのためピークにあわせた、作業の組み方を大きく修正していくことが重要になります。

しかし、多くの企業が縦割り組織なため、簡単に部門の壁を越えて柔軟に支援をだせません。その証拠にレジが混んでいても、他部門は自部門の作業を淡々と焼ていて、レジでお客様をお待たせすることがなくならないのです。

勤務シフト表しかもたない縦割り型組織体制の恐ろしさといえます。

一方で、実際に業務改革を柱として、作業指示書を運用されている企業では、様々な進化をしています。全体計画の中で、細かく短時間契約の人を割当ていくことで、作業ロスが減り、店舗コンディションが良くなります。結果的に新規採用を実施しても総人時が減り、人時売上は毎年上がり続けています。

縦割り組織でも、作業指示書を作り、人を横断的に活用することで、企業収益を上げ続けることは出来るという事です。

さあ、貴社では、まだ、長時間労働社員に依存し、落ちゆく数値を眺めていきまか?それとも、短時間で、無理なく収益を上げる方法で、明るい未来を実現させていきますか?それを決めるのは 経営者のあなたです。


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