今週の儲かる繁盛店の視点 第365話:「なぜ、店舗改装しても業績改善しないのか?〇〇を数値化しようとしない改装で業績改善出来ない、その理由は…」
「先生、改装したのですが、どうも数値があまり良くなくて…」とある企業の社長さんからのご相談です。
――――今回の改装の目的は何ですか?
「もちろん 売上アップですが、今回は老朽化した施設の改修がメインです」
――――老朽施設改修なのに、売上アップを見込む?って少し無理があるのでは?
「ええ…」と歯切れがよろしくない。
かつての店舗改装は、店をきれいにする。かっこよくする。目を引くような仕掛けをいれれば、売上を維持することができました。
今は、そういった投資をしても、思うような売上にならないというより、むしろ下がってしまう傾向にあります。
理由は、簡単で、過去の改装で売上が上がったのは、人口増のおかげ。ということです。
「そう言われたら 身も蓋もない」という声が聞こえてきそうですが、
言い方を変えれば、この先、人口減が進む中、人口が増えていた時のやり方に固執するとリスクが高い。ということです。
これまで、人口増で売上を目標にすることが出来た時代は、店を改装し、商品と仕込んでチラシを打てば当たったことから、改装は店舗活性化の王道とされてきました。
ところが、人口減で常識が変わったことから、店舗改装の新らたな役割が求められるようになった。ということです。
前職時代の会社が破たん状態になった時、改装や新店なにもかもが何年も封印され、悔しい思いをしたことを思い出します。
そのことを思い出すたびに、常に、新たな投資をする時は、何が必要で、ここではこれ、あそこにはあれ、といったふうに、手に取るよう、鮮明にイメージし、その道筋を描き、その通りに進めることの重要性を改めて認識します。
そうすることで、難題や、どこに問題やリスクが潜んでいるといったこもハッキリできることから、改装が上手くいかない、こんな時どうすればいいのか?といったことに、明確な方向を指し示すことができるといえます。
これは、チラシや改装に留まらず、ヒト、モノといった投資への考え方に磨きをかけることに大きく役立ちます。
何のための改善投資なのか、なぜ業務改革が必要なのか?といった自問自答で答を創り出すプロセスが、改装の成否を大きく左右するからです。
改装を成功させている経営者には2つの大きな共通点があります。一つは経営として、実現させたい願望を「はっきり」もっている。ことと、二つ目にそうした実務力育成には一定の時間を設定している。ということです。
と申しますのは、これらをまとめ、さらに落とし込んでていくためには、最短で2年~4年の時間を必要とすることからですが、これを一足飛びに「売上をあげる」といった安易な道を選んでしまうと上手くいかないことが多いからです。
冷静に考えてみればわかることですが、改装はお金が入ったからやるといった場当たり的なものであっては決してならないですし、収益をあげていくための、導線計画を策定にはそれなりお金との時間がかかる。ということです。
自粛によって、人の動きが制限され、都心に買い物行くことすらできない中、
自宅で、家族と過ごすのに欲しいものや、テレワークで必要なものへと、生活者の関心がシフトし、生活様式が大きく変わってきています。
いままで 会社で自分の担当範囲だけ考え働くやり方から、家族と過ごす時間の大切さであったり、仕事を家庭に持ち込むためのテレワークスペースのプチリフォームといった、自分たちの持っている資産の活かすお金の使い方が注目されてます。
従業員にとっても時間やスペースを有効活用するために、自ずと作業効率への関心が高まるということです。
こういった傾向を踏まえ、これからの改装成功のポイントは、商品部は商品改廃を年間どれぐらいのペースで実施していけば何パーセント売上成長を見込めるか?そして、それを実務ベースで実行していくためには、店舗で、どれくらいの人時が必要なのか?さらに、そういったことを少ない人手でやってくのには、どういった新しいウェポンが必要で、…等々を想像していくことといえます。
一言でいうなら、仕事を業務量で把握し、収益を上げる計画を作っていくということです。
そういう意味では、改装は、見栄えを変えてチラシ打ちその勢いで売上を伸ばすやり方から、着実に生産性を上げていくための土台作りであるということに、大きく役割も変わってきているということです。
既に、このプロジェクトに取り組まれている企業では、業務改革から着手し、そこに必要なものだけに投資する改装計画を策定しています。
業務改革を通じて、執行計画を描け実践できる人材が増え、予算達成の再現性が高まり、業績が変わることで社内の士気はあがっています。
さあ、貴社では まだ、売上膨張と老朽化改修だけの、改善投資を続けますか?それとも、業務改革で説得力のある業績結果を残し大きく飛躍しますか?