今週の儲かる繁盛店の視点 第39話「優位に戦う市場で成長する企業としない企業の違い」
「イトウさん、個店舗の力をつけて売上回復を狙いたい・・・」というご相談を受けました。
ここ数期の減益をなんとかしたい。その想いが伝わってきました。
——-お店の「強み」を設定し特徴づくりをしていきましょうと、お話をさせていただきました。
これまで、一律の「薄利多売」のあり方を見直し、強みを活かし、無駄なく価値を提供していくことがまず必要です。
私はこれを「厚利適売」と呼んでいます。
厚みのある価値ある商品を適時提供していくことで利益を確保していく手法です。
「薄利多売」のドーンと出店してスカスカの利益体質から、「厚利適売」はコツコツと改革を積み上げザックリ儲かるパターンがつかめたらそれを多店舗化していくやり方です。
当然のことですが、 儲からない店舗は多店舗化してもやはり儲かりません。
今まで、いい物件があるからムリをしてまで出店をしていしまったが、ツケを支払うだけの利益をとることは出来なかった。
多店舗化どころか、その赤字店をどうすべきか?こういう問題に直面されておられる方が実に多くいらっしゃいます。
それとは反対に、高い販売力に支えられた商品づくりを進めてこられた方は、無駄なコストを見直すだけで、多店舗化を進められておられます。
この違いは 優位な市場を発見し、それに合わせ店の強みを厚くしてきたかどうかということです。
企業の強みが打ち出せませんと
大手スーパーのように、同じ品揃えを繰り返せば価格戦争に巻き込まれます。
価格の決まっている書籍であれば、巨大な品揃えのアマゾンに勝ち目はありません。
豊富な商品量のユニクロが出店すれば、そこにお客様はもっていかれます。
生き残るには、大手にはない地域性や専門性を打ち出していくことが必要です。
少子高齢化、労働人口の減少、地方行政の半分は消滅すると言われています。
インターネットの普及とネット通販の台頭している中、高度成長期のチェーンストアは人口増の時は商品棚に並べれば売れた時代の店舗スタイルでは、人口減の今、パイが減るわけで、このやり方が通用しなくなってきてます。
画一的な総合スーパーチェーンは、PB商品を作ったり、ドミナント戦略、店改装でコストダウンを図ってきました。
その結果、出店退店を繰り返し、ついに売上上位の総合スーパーは利益が出なくなる構造になってしまっています。
本部中心の大手は特徴の無い店を作りすぎ淘汰されつつあります。
だからこそ、中堅中小チェーンは個性を活かした店をつくる最大のチャンスの時期といえます。
優位に戦える市場を明確にして、お店の「売り・強み」を設定することが必要なのです。
今までやってきた、商品を棚に並べるだけのお店を 具体的に変えていくには手順があります。
まず、現状のお店の中で、おすすめ商品を発掘紹介していくために、棚から商品をひきだして、価格以外にどんな付加価値があるのかをお客様にお伝えしていきます。
その商品群の売上シェアを1% 2% 3%・・・と販売力をつけていきます。
お客様と対話をしていく中で、お客様の声を活かした 品揃え、地域情報、最適組み合わせを、顧客に提案していきます。
そして最後に、店舗の中のムダを無くす運営改革の実践化と進めていきます。
この3つのステップが個店を強化する骨格部分となります。
いわば、お客様の声を徹底活用した店づくりをやってしまうのです。
その3大メリットは
①店内の既存利益率の高い商品群が売れ始める。
②お客様との対話から必要情報が入手でき、品揃え改善が進み新規商品が売れ始める。
③店舗のムダが削減進み不要なコストから利益が生まれる。
と言えます。
企業の「強み」とは、社長自身が意外に気づかれておられないことが多いのも事実です。
社内では、当たり前のこともお客様にとっては「凄い」こともありますし、いろいろ画策しても「こんなサービス不要」というものもあります。
こういったお客様との対話は「宝探しの地図」のようですが、その中にヒントがたくさん含まれているので、たくさんのお客様と対話することが一番の近道と言えます。
さて、貴社では この社内に埋もれた宝を どうやって発掘なさいますか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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