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今週の儲かる繁盛店の視点 第404話:「今ある低迷の原因は何か?成長できない壁の正体とは?」

「先生、もう2年半もどこにも出かけれていません。社長としてこれでいいのかどうか…」とあるチェーンの社長さんからの ご相談です。

聞くところによると、小さな町なので、誰かが陽性になるとすぐにわかってしまう。企業の評判が落ちてしまっては…とのことから、社長自らが、自粛されているとのこと。

会社の業績が、順風満帆で、最高益だったというのならそれも良いでしょう。しかし今は、殆どの企業の業績は厳しく、業績好調企業は僅かです。

そう言う意味では、何とか上向きにしなくては…と歯を食いしばっていこうと考える企業の社長ほど、「今こそ動くべき」と活動されています。

先週もある地方都市から 都内までわざわざ上京された社長さんと面談しましたが、「開口一番、先生、昨日は、首都圏の話題の新店をいくつか見て、この近くのMビルの美術展を観てきました。たまにはああいうのもいいもんですね~」 と元気いっぱいです。

――――新幹線は、どうでしたか?

「3割ぐらいの乗車率で、空いてて安心です」と言っていましたが、さかのぼること数週間前、お見えになった時は顔色はすぐれませんでした。

実は、この社長さんも、ここ1年ほど鎖国ならぬ鎖社状態で、社長席に籠城されていたそうです。

しかし、ここ数カ月の状況をみて、昨年とは明らかに状況が違うことに気づき、出張を決意されたそうです。

社内であれこれ考え、アイデアは出すことは出来ても、現実的にどうするかとなると分からない。ネットやオンラインセミナーでは、机上の成功談は聞くことが出来ても、どこに、壁や落とし穴があるのか?といったことは、なかなか伝わってこないものです。

リアルで直接面談することのメリットは、「不都合なことや、うまくいきそうにないこと」をその場で、「出来そうにない」と感じることが出来る。ということです。

各社お考えがあるので、どうこう言うつもりはありませんが、どこかの企業の改善の成功話を聞いたくらいで、社員が頑張って働いてくれて 業績が良くなるくらいなら苦労はしないということです。

むしろ、業務改革を上手くいかせるコツは、相手との軋轢や、違和感、温度差と言ったこと感じる場に、社長ご自身が身を置くことにあるといえます。

それを理解した上で、水面下で準備をし、体制を固めてからすすめていくことで、はじめて一定確率で成果を得ることができるものだからです。

現状の収益構造を変えていくということは、今まで、企業として仕組みをつくらず、社員に丸投げしてきた業務を見直していくことになります。

言い方をかえますと、これまで、社員が裁量権を持って自由にやってきたことを認めないということです。

社長がこの社員心情を理解しないまま、他社の好事例の話をし「こうやればいいんだ」と軽々しく伝えようとすれば、業績不振の経営に対する不満が噴出、抵抗勢力や造反者が増え社内は、大変なことになるということです。

一方で、業革で成功されている社長の共通点は、セミナーやオンラインミーティングの後、悩みに悩まれ、業務改革を自社ですすめるにあたってどうすべきかを考えます。そして導線計画を作り、自社に「足りていないことは何か」を知り失敗のリスクをとっているということです。

「それは、やっていくなかで見直していけばいい」という声が聞こえてきそうですが、

人は、だれしも、失敗はしたくないものですが、不思議に同じことを繰り返してしまうのもまた人間だからです。

実際にこちらの企業でも、今回、異業種から多く採用したものの、人手を多く使い時間をかけてやるやり方を変えないまま進めてきた結果、必要なところにパートアルバイト採用できない事態を、繰り返すことになっていたのです。

自社の業務内容を把握し、そこに適正に人をあてがうことができていたか?という問題について着手してこなかったため、人件費という最も高いコストで代償を払い続けることになったのです。

自粛特需前までは、作業スケジュールのようなものも少し手つけていたものの、売上が上がったことから、その話はいつのまにか立ち消えとなっていました。

そこに、売上対策チラシの本数を増やしたところ、人件費が増えどうにもならない状態に悩まれ、上京されたそうです。

――――なぜ、そのようなことが起きたのですか?

「うっ」と言葉に詰まります。

おもむろに、業務改革の組織のあり方について片手間にやろうとしたことや、成功までのコストや時間軸についても甘く見てきた事が、これまでの失敗要因であったことを吐露されました。

そこで、腑に落ち、はっと気づかれ、次に何をすべきか見えたそうです。

人はだれも、自分のことは見えないものです。現実問題として、ご自身の会社状態を客観視することは、本当に難しいものです。

しかし、なんらかのかたちでこれを乗り越えない限り、再び同じ失敗をくりかえし前に進むことができないのです。

社長としてのこの思考プロセスが理解できない限り、人時を使って、作業指示書をつくり、人時売上を上げる。ことは難しいのです。

国内チェーン多くがいまもやり続けている、人海戦術型 竹槍方式で戦うというやり方に対し、組織的に図上指示で人を動かし、無駄なく収益を上げるようになるためには、まず、最初にこのステップがなければ一歩も前に進まない。ということです。

さあ、貴社では、まだ、販促強化チラシの本数増でこの危機を乗り越えられると考えますか?それとも、効果のとれる企画を増やす改革に着手されますか?

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