今週の儲かる繁盛店の視点 第42話「課題解決で成長する企業としない企業の違い」
「イトウさん、個店の伸び悩みを真剣にとりくまないといけない、効果的なやり方を教えて欲しい・・・」というご相談を受けました。
——-お客様のお困りごとを解決する手順は決まってますか?とお聞きしています。
すると、「お客様の意見は 店舗が聞いて対応している」とのこと
——–お客様はどういう問題を抱えていますか?
とお聞きすると、「そこまでは、直ぐにはででこないですが、店に聞けば直ぐ分かります・・・」
なんだか、禅問答のようですが、現状把握ができていないために次に打つべき手が判断できない状況であることはわかりました。
顧客は何に困っているのか?どんな、商品を取り扱って欲しいのか?どんなサービスを望んでいるのか?
ここさえ判れば、儲かる店舗をつくる方法が浮き彫りにすることができます。
今は、人口の増え続けた時代の店舗運営では 人件費、水光熱費、原料値上げを吸収できず、利益の出なくなる店舗が増え続けています。
こういった中で、お客様の希望にマッチした利益の高い商品を 発掘して売り稼ぐ手法を見つけなければ、利益は残らず成長戦略がとれなくなります。
いきなり、これをやろうとしても、現状抱えている業務もあるし、何からやったらいいのか皆目検討をつけるのが難しいわけです。
まず、必要なのは「考え実行するための 人材を確保すること」です。とハッキリと申し上げています。
個店が独自に考え利益を生み出すようにすればどうするのか?
私がお手伝いさせていただいている中で、売上利益が上げられない会社の共通点として「考えの無いコスト削減」をやっていた。ということが上げられます。
残業時間の強制カット、退職者発生後の新規採用ストップといった、見えるコストをカットするやり方は、従業員のモラルダウンとなり、お客様をレジで並ばせ、品切れを引き起こします。
当然、売場案内も無く、いつクレームとなってもおかしくない接客状態にありました。
そこで、社長の許可を得て、ある店舗で、人件費を再投入して、以前の状態に人員体制を戻しました。
表面的に人件費を削るのではなく、あるべき状態を意図的に作り出し、利益に結びつく作業に集中させ、それ以外のコスト分散をやめ利益をだすことは可能かどうかの、実験を繰り返し行ったのです。
労働コストの分散を是正する手順に基づいて、全ての作業を俯瞰し、個別作業のやり方を揃えていきました。
ここまでくると、無駄な作業が見えてくるので、徐々に利益にならないものを止めるようにします。
これだけで、もう絶対削ることができないと思っていた労働コストが自然に下がってきました。
労働コストを利益確保に集中する手順
この労働コストの余力を活用し、利益に厚みのある商品発掘を行い、その付加価値をお客様に伝えるようにしていきます。
大事なことは、一気に大量に売り込むというやり方から、販売予測たてて日々提供していくやり方に切り替え、最適在庫を体制を維持していった。ということです。
これにより 運営コストは下がり、利益率の高い商品構成比が上がり業績アップに繋がったのです。
私は、これを「薄利多売」の向こうを張って「厚利適売」と呼んでますが、これがジワジワと利いてくる事にいつも快感を感じております。
「薄利多売」ではコスト削減がうまくいかない理由
薄利多売で利益を稼ぐには、多数の量を売らなければならないので、大量商品陳列や商品移動作業の労働コストをかけ続けなければなりません。
そういった状況下でコスト削減をやると、レジで待たせたり、在庫切れや価格間違いによるクレーム対応に、二重に労働コストがかかります。
作業に余裕が無い中で、作業コストの見直しをしようとすると、減収となるため、永遠に負のスパイラルから抜け出せなくなってしまうためです。
「厚利適売」とは単なるコストアップではない
厚利適売は、販売予測を立てて適正在庫をもつことに重点をおくため、極端にコストは上がらない。
利益の厚い商品売上シェア向上により利益が向上する。
売るべき商品設定や販売予測を従業員が作るため、思考力が高まり、品切れ改善される。
全体、個別作業、不要作業改善に取り組むことができるようになり、利益が上がる構造に変わっていきます。
効果的な手法として
商品発掘、販売予測、作業指示の三つを組み合わせることによって、それは効果を発揮します。
しかし、このようにお伝えしても、そうはならないのが悩ましいところであります。
プログラミングという言葉がありますが、コンピュータ動かすウインドウズやマックのような、オペレーションソフトの中の指示命令言語のことです。
これが無ければ、インターネットも、エクセルもなにも起動させることができません。
パソコンの操作で困った時は、大抵はコールセンターに電話するか、システムに詳しい人に聞いて解決します。
そうです、分厚い取扱説明書を読んだりせずに、「同じ画面を呼び出して、どこをクリックしたらいいのかを教えてもらう」ことが一番の近道だからです。
これを 自己流でやろうとすると 「間違えて、違うアイコンをクリックしたら戻れない!」「画面が消えてしまった!」、、、といった大変なことになります。
店舗オペレーションも同じです。
作業指示書で従業員に効率的に働いてもらうためには、「それをこういった手順でやりなさいという命令指示」ができる人に聞いて、やることがポイントとなります。
しかし、実際に動かし、コストを引下げ、利益を上げる活動をしてくと必ず予想外の問題にでくわします。
それを解決するために熟知した人間に「その場で聞ける状態をつくる」ことが近道となります。
さあ、貴社では 自社での遠回りを選びますか。それとも、効果的な手法を手に入れ近道を選びますか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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