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今週の儲かる繁盛店の視点 第436話:「なぜ、経営環境が変わったのに、過去の延長線上のやり方を続けようとするのか?新たな経営指標を持とうとしない業界の行きつく先は?」

先生、売上が減っているのに、忙しさは変わらないって言うんですよ。先日お見えになった、ある企業の社長さんからのご相談です。

お話しをお伺いすると、コロナ前に比べ売上が落ちていることから、販促強化で、価格訴求チラシを追加し売上アップを狙ったものの、売上は上がらず販管費だけが上がってしまったとのこと。

――――仕事柄 多くの経営者の方とお会いし関わらせていただいておりますが、その9割以上の方が同じ問題を抱え悩んでおられます。とハッキリ申し上げました。

人口が増えていた頃は、何か新しい企画を投入すれば何でも上手くいったことから、多少人手がかかっても乗り切ることは出来ました。

しかし、経営の環境は大きく変わり、客数減と、人件費、エネルギー、原材料高騰といった三重苦でますます厳しい状況を迎えています。

いままでのように人手に頼った売上対策をとろうとすればするほど、苦しくなるのは火を見るよりも明らかといえます。

これから再び収益をあげていくためには、売上アップだけに依存したやり方を見直し、売上とコストのバランスを踏まえた人時売上を使うことが必須となってきます。

ところが、人時売上を使ったことのない企業にとっては、イマイチピンとこないことから、何のことか理解できず一向に業績改善が進まないということです。

泳げない人が本を読んだだけでは泳げるようにならないように、人時売上も同じで、頭でわかっていても、その環境に飛び込み試行錯誤していかなければ、収益を上げることは出来ないからです。

中には、「売上さえ取れていれば、人員削減などしなくても上手く行くはず…」と堂々と言う社長さんもいます。

しかし、現実は極めて冷酷です

売上はいい時もあれば悪い時もあることから、売上を落とした月は、内部留保の取り崩しと、借入金でやり繰りすることになり、カバーできないレベルの落ち込みが続けば、赤字の二文字が浮かんできます。

売上だけに依存した綱渡り状態の経営から、これからは、誰でも安心して渡ることのできるコンクリート橋にすることで、ムリなく利益を出せるような経営にすることがポイントになってくるという事です。

事実、そこが上手く機能し収益力が上がれば、企業は元気だし、社内は間違いなく活気に満ちています。給料も上がるし、何よりも社長の表情は力強く晴れやかです。

一方で、昨年どれだけ売れた企業でも、今年になって全く売れず、コストは上がるとなると、社内の活気は失せ、どんよりとした空気が漂い始めます。

店舗の士気は上がらず、責任のなすり合いのムダな会議が増えていくといった事が起きます。

社長はといえば、顔色が悪く不機嫌。現状をどうするかで頭がいっぱいで、イライラしながら打開策を考えるも、原因も解らず、対策も打ち出せない状態。

巨大な船が沈んでいくがごとく、確実に会社は傾いていきます。

このままでいくと、資金不足を補うために、さまざまな経費カットをしますが、それでも足りなくなれば、お金になりそうな事業を売却したり、資金流出を防ぐリストラが行われてからでは手遅れだということです。

その為には、人時売上をどう効果的に使い、成長のための投資が出来るかどうかが、成否の大きな分かれ目になるということです。

業界課題にもなっている、少ない人員でより高収益があがるようにするには、売上高を中心にしたのやり方から、売上と人件費を一つにした人時売上中心のやり方に変えていかなくてはなりません。

見方を変えれば、これまでやってきた、各主管部門によって行われる部分改善から全体の収益を上げる全社改革に切り替え、主管部門から出される儲かっていない業務を精査し見極めていかなくてはならないということです。

例えば前出の企業のように「売れそうなものを店に送り込みチラシを打って、残れば何でも安く売る」…ということを得意としてきた企業もあります。

大変失礼かもしれませんが、収益で困っている企業の大多数がこのパターンをとっています。

本来、チェーン小売ビジネスとは、店の生産力を上げる為に本部がサポートを行うものであるにもかかわらず、その効果検証なしに本部から一方的に指示を出すやり方がルーティン化していませんか?ということです。

「それで、回っているのだから問題ないのでは…」という声が聞こえてきそうですが…

そこには全て企業としての「作業賃」がかかっているということです。

それも、何か商品が売れた対価ではなく、「何か手足を動かしたり、作成したり、レジを打ったり…」といった作業に対して対価を支払うという動きになっているということです。

大事なことは、各個人のやっている「作業賃」がどのくらいなのか?ということを会社として調査して明確にするということです。

そもそも店舗での「作業賃」が決まっておらず、何でもタダで出来ると思っていることから、店舗の時間外労働が増えるのです。

こういったことを改善するためには、今まで個人任せで行われてきた業務を一度会社の手元に置いて見直し、社内の基準を設定しノウハウ化していくことになります。

ノウハウと聞くとどこかの企業でやっている特別なテクニックや手法があって、難しいものと思われがちですがそうではありません。

むしろ、どんな作業であっても、最初にそれを分解して考え、手分けしたり、一括化してやるようにして利益を生む作業にしていくことが重要だからです。

収益力の高い企業というのは、特別に一人で高い売上をとってくるセールスに強い人が何人もいるとか、売れる売り場を毎日作れる人がいる企業でなく、誰でも出来るようにすることで、一定の確率で営業利益が上がるようにしているということです。

小売りビシネスに限らず、ビジネスに於ける利益を上げる基本プロセスは同じです。顧客の声に耳を傾け、商品仕入れ、店舗運営の人を活用し利益を上げるための仮説を立て、検証される仕組みが無ければ、企業にお金が残ること自体不思議といえるでしょう。

自社の作業工程を分析し、どうすれば、お客様を増やすことが出来るのか?その作業工程を組み立て、その通りに作業指示書に落とし込み進捗を確認する。

ここから得られる情報は、企業にとって計り知れない宝の山だという事です。

さあ、貴社では、まだ、売上アップだけを目指し、意気消沈の状態を続けますか?それとも、人時売上という新しい目標を掲げ、大きく羽ばたきますか?


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