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今週の儲かる繁盛店の視点 第444話:「なぜ、同じ業種なのに、店長業務の内容がこんなにも違うのか?店長の仕事の質を変えられない企業の行く末は?」

先生、店長とかが見るべきデータが揃ったチェック一覧みたいなものってあるのでしょうか?とある企業の社長さんからのご相談です。

――――もちろんあります。無かったら店長はなにをすればいいのかわかりませんからね。ハッキリ申し上げました。

お話をお聞きすると、先代からこの会社を引き継いだ時、そういったものを作らなくては…と思っているうちに、5年の月日が過ぎ、未だ手付かずのままとのこと。

売上や客数といった数値はどの企業でも毎日見ることが出来るものの、今、問題となってる、人件費やロスといったものをチェックする為に、何をどのようにすればいいのか、イメージがわかなければ何も手を打つことができないわけです。

伊藤自身、前職時代店長をしていた時も、そういったデータが全くなかったことから、店長の仕事の半分が、品出しや商品移動といった作業にあてがわれ、収益率を改善することが出来なかったことは拙著「時給2000円払っても営業利益10%出せる収益モデルの作り方」(エベレスト出版)の中でも触れました。

営業利益率を高めるには、こうした、作業中心となってる店長の仕事のありかたを変えていく事が第一歩になります。

そこでは、いかに少ない人時で、高い利益をあげていけばよいのか?といったことを店長がすぐに行動できるような店舗運営のスタイルに変えていくことが条件となります。

「そうはいっても、そういったデータやシステムもうちには揃っていないし」という声が聞こえてきそうですが…

誤解のないように申し上げますが、データやシステムを揃えたところで、結果が変わるわけではないということです。猫に小判ではないですが、どんな素晴らしいデータやシステムも、そのものの価値がわからない者にとっては、何の値打ちも感じることができないからです。

そのためには、まず、自社の実態を把握し、自社の店舗運営力を上げる為になにが必要なのかを突き詰めて整理しなければなりません。

その上で、始めは手作業でやりながら、少しずつ足しこんでいくと言った感じで必要データを集めていく事になります。

ある程度パターンができたら、ここは機械化したほうが早く正確性が求められ部分をシステム化していきます。

一見地味な取り組みのように見えますが、こうした日々の積み上げが、企業の収益力の差となり出ることが、これまで、長続きせず苦い思いをされてこられた経営者のかたであればお分かりになることと思います。

人時売上の低い日が多ければ、月次の人時売上はあがりませんし、高い日が増えれば、月次の人時売上高は上がってきます。

日々の人時売上の要因を分解して、目標値にすることで、営業利益率が上がることにつながる仕組みをつくっていくということです。

営業利益率の高い企業というと、「売上の上げ方がうまいスタッフが揃っている」とか「バイイング力のあるバイヤーがいる」とか「自社独自のヒット商品がある」というイメージがあるかもしれません。

もちろん、そういったスタープレーヤーやヒット商品も重要です。

しかしながら、そういったことはごく一部であり、基本はだれでもできるように業務を標準化して作業指示書に組みいれ運用出来るようになって、収益率が変わっていくことになります。

表面的に目立つことに意識を向けるのでなく、地味ではあるが、いつでも、誰でもできる人時の効果的な活用法を従業員の皆さんに伝えるには、どうすればいいのかを考えるということです。

そういったことから、弊社では常日ごろ、「店長を丸腰で店に立たせてはなりませんよ」と申し上げています。丸腰とはどういうことかと言えば、店長が店内巡回する際、店舗運営の実績を示す資料も無ければ、実態をチェックする端末もない。用意してあるのは携帯電話と売上実績だけ、というような状態でこれを丸腰店長と呼んでいます。

世の多くのチェーン経営者の方に、ここで、申し上げておかなければならないことは、

「店長の責務は店舗ロス最少化と新規顧客開拓」であるということです。

このことが腹の底からわかっていない限り、すべての準備も活動も、水の泡になってしまうからです。

喉から手が出るほど欲しい「利益」なのに、自店の店舗運営状況を掴み、どこを修正すべきかを示した一覧データ=店長レポートが、日々出力されないということは、これを丸腰と言わずなんというのか?ということです。

店長レポートとは、売上、人時、商品ロス、品切れ、現金ロス等の店舗が管理すべき項目数値が毎日の実績となって出てくる帳票のことです。

店長は出社したらこのレポートを片手に売場巡回をすることで、売場のスタッフと情報交換をし、どこにロスが潜んでいるのかをマークしていきます。 
 
もし、人時実績予算オーバーの場合、どの売場のどの業務が時間通りに終わらなかったのか?とか、品切れ件数の多い売場の発注はどのようにおこなわれているのか?であったり、

自動発注であれば実在在庫の異常値修正がルール通り行われているか?はたまた、レジの過不足金に至るまで、一目でわかるようになっているといったものです。

塵も積もれば山となるという言葉通り、毎日1万円分のロスが発見でき翌日から改善が進めば、何もしなくても1年後には365万円の営業利益率が変わってきます。

実際、これまでご相談になられた方々で、店長レポートが日々出力されるという企業はゼロで、導入すると驚くべき確率で 結果が変わっていきます。

よくあるのが、売上未達の売場に対し、接客指導だとか、魅力的な売場づくり、商品ボリューム、話題性といったことを、売場長に指導する。ということを言われる方がいます。

全く関係ないとは言いいませんが、そもそも、店長レポート重要チェック項目にはそういったことは掲載されません。

理由はシンプルで、表面的な売場の見た目と人時生産性の本質とは無関係だからです。

むしろ、目に映らない、品切れ、値下げといった、ロス実績がどう改善されていくか?で店舗収益率は大きく変わるものだからです。

さあ、貴社ではまだ、作業に翻弄された店長を放置し、利益をとりこぼし続けますか?それとも、課題が明確に示された仕組みで、楽に営業利益を上げていきますか?


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