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今週の儲かる繁盛店の視点 第454話:「なぜ、他社事例をいくら集めても 利益が増えないのか?ものまねが好きな企業の行く末は?」

先週から、企業が本格的に動き出し、いざ出張しようとすると、ビジネスホテルはどこもいっぱいです。
 
首都圏では新型コロナは過去のことになっていて、幹線道路は物流トラックでいっぱいですし、JRの駅も通勤時間は以前の状況に戻っています。各企業は業績回復を目指して全開で動いているのに対し、地方は未だ様子見で、かなり温度差を感じる今日この頃です。

帝国データバンクによると、経済再開による物価高倒産、働き手不足、日銀の金融引き締め等で、利払い負担増の懸念があり、不況の入口になるとの予測がでています。

近くのスーパーに行っても、とにかく値段が高く普通に買い物をしても、すぐ4千円を超してしまうのには驚きを隠せません。

食品スーパー各社の決算を見れば利益率1割減はまだ良いほうで、中には3割~7割減という前代未聞のところもあります。

セミナーやご相談にお見えになる方も、「とにかく効果の出ることを」とか、「どこかの好事例とかやり方やヒント」

といったことを聞いて来られる方が多くなっています。

先日も、「電気代が高くて、利益は半分になってしまった!何とかしなくては…」とある企業の社長からのご相談を受けました。

聞くところによると、水光熱費が倍近くなって、それが大きいとのこと。

――――電気料金の構成比はどれくらいですか? 

「えっ」と少々ばつの悪そうに、答えに詰まります。

水光熱費が上がったといっても、人件費とは比べれると僅かな額であることから、その削減にも限界があります。言い方を変えれば、水光熱費が増え、利益が半分になってしまったというのは、その低い利益構造に問題があるということです。

各社お考えがあるので、どうこう言うつもりはありませんが、競合が…、電気代が…、原材料費が…、と悪化の原因は他にあると言っているうちは、人時生産性を上げることは出来ません。とはっきり申し上げています。

コントロール出来ないよそのことに気を取られ、やらなくてはならない社内に潜む闇に気づかず、売上比13%以上を占める人件費を溝に捨てているのと同じだからです。

やるべきは、人件費を投じているひとつひとつの業務が、利益を生み出しているかどうかに光を当てていくことであって、それを見直すことさえ出来れば、人時売上を上げることは出来るからです。

単にムリ、ムダをなくすといったことだけではなく、現場では何がどのように行われているのか?といった記録を示せる仕組みづくりが大事ということです。

物価は今後も留まるところを知らず上がり続けます。一方で、給与のベースアップは追いつかず、ますます生活は苦しくなっていきます。世知辛い世の中になり、盗難などの嘆かわしいことが起こりやすくなります。

現に物価高騰に苦しむ米国では、小売りチェーンがスマホ会計を取りやめたり、セルフレジのありかたを会員だけに見直したりといったことが起きています。

盗難による棚不足が多発すれば、電気料金の比ではない額のお金が消えていくことになり、そういったことを防ぐには、作業指示書のもと、商品の流れを明確にする仕組みが不可欠になってきます。

作業指示書を作ってこられなかった企業は、商品の値下げや、廃棄といったロス対応が個人にゆだねられていることがほとんどのため、ロス率も高くなりがちです。

この先、企業利益をどう確保していくかを考えた時、作業指示書がある企業とない企業の差は、益々大きくなっていくということです。

作業指示書と一言にいっても、今やってることを紙に書くといった簡単なことではありません。その目的は、同じ作業であれば、誰でも、出来るように業務を明確に整理し運用していくことにあるからです。

業務を明確にして運用出来るということは、時間内に業務が終わり、年次有給が取得できるようになることを意味し、実質賃金を上げることに繋がります。

しかし、人は変わることを好まないもの、自社でそういったことをやろうとしても、今までやってきた既存の仕事を守ろうとするため、形や名称がかわるだけで結果を変えることが出来ないのです。

また、進むべき方向性や手順が明らかになっていないと、常に課題が先送りされ、ひとつのことを変えるのに、何年もかかってしまい、改善の指示を出したものの気づけば、5年が過ぎていたという、笑うに笑えない話はよくあることです。

ここから脱却するには、社長を中心とした業務改革プロジェクトを立ち上げ、まず、作業指示書を策定していくわけですが、この仕組みを作り上げてから、店舗で発生するロス改善の順番で進めていくことになります。

すべてのロスは、業務の一つ一つや人の動きを見てる作業指示書が無ければ、どこに問題が潜んでいるかわからないだけでなく、やり方や進め方が分からないまま無理にやろうとすれば、改ざんや不正問題に発展しかねないからです。

誰も好き好んでロスを出そうとしているわけではないのですが、各部門としての責任がかかってくることから、誰もが本当のことに触れずに、ブラックボックス化してしまうということです。

こういったことを、作業指示書を使いはっきりさせていくことができれば、ピンポイントで改善することが出来るようになり、あいまいなや指示や重複した情報がなくなり作業スピードが上がるのです。

かつて、人が大勢いたときは、漏れやダブりがあっても誰かがカバーしてくれたことから何とか回すことができました。しかし、限られた人数で、高収益をあげていくにはこうした作業指示書なしのままでは、生産性は下がることはあっても上がることはないということです。

言わずもがな、こういったことを他社事例にないかと探すことに時間をかけても、そこには、自社の利益に結び付くようなことは何もないということです。

早く効果を出していかれたいのであれば、自社の実態を、誰が見てもどこに問題があるのか?わかる独自のものを作り改善を進める以外、企業として生き残る方法はないということです。

経営者の仕事とは、企業の生産性を上げ、人々がより豊かに、より幸せになるように、政策を考えることです。

いま、日本はチェーン業界だけでなく、ありとあらゆる業界が厳しい不況に苦しんでいます。そして、誰もが、苦難に負けまいと歯を食いしばり懸命に日々を送っています。

それは、いつかきっと、だれもが笑顔になれるような、明るい未来が来るはずと信じているからです。

そんな、消費者や社員に寄り添い、支え、力になる企業を実現したいと本気で考える社長を応援していきます。


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