今週の儲かる繁盛店の視点 第458話:「なぜ、膨れたコストをそのままにするのか?膨張コストを成長に変換することのできない企業の行く末は?」
長きにわたり大騒ぎしたコロナも来月13日からマスク着用が解除され、ようやく遅い政府の判断がだされました。
旅行、航空等の交通関連企業の需要は、正常化が進んでいく一方で、在宅特需で伸びたECやネットスーパーの伸びは一桁台まで減速しています。
先行している米国でも、2022年は経済回復と同時に在宅特需の減速で、IT企業各社で赤字事業の撤退や、大規模人員削減が次々行われたことは記憶に新しいことといえます。
日本でも、大手のように体力のあるとこは、赤字事業撤退や人員削減が行なわれていくことになると思いますが、中小ではそういったことはなかなか難しいものです。
先日も「先生、店長業務を標準化していきたいのですが・・・」とオンデマンドセミナーを聞かれたあるチェーン企業の社長さんからご相談をいただきました。
聞くところによると、売上がとれるネットスーパーや移動スーパーに力を入れ売り上げを伸ばしてきたものの、売上失速のコストが重くのしかかり、成長戦略への投資が難しくなってきてるとのこと。
そこでまず、本業収益強化のために、作業割り当て表をまず1店舗でいれてみたものの、使われていないままになっていました。
ーーーなぜ使われないのですか?とお聴きすると
「使うようにと、言ってはいるのですが…」と少々ばつの悪そうなお答え。
作業指示書の目的は、誰が何をやっているかわかるようにするわけですが、他にもう一つ大事な役割があります。
それは、非効率業務を見つけ、人時売上高を改善していくことです。入れることが目的ではなく、導入後の使い方如何で、利益の出かたはまったく違ってくるからです。
なぜ、こう言ったことが出来ないのか?理由はシンプルで、導入する前の事前準備ができていないためです。
作業量に見合う人員体制になってなかったり、単位時間といったことが曖昧で、使えなかったということです。
そういう意味では、すべての業務を見直し、一店舗あたり最低年間1千万のコスト改善させていくレベルの目標を掲げ取り組んでいかないことには、収益構造など変えることはできないということです。
仮に一店舗3人のプロジェクトメンバーの人件費1千万をかけ店舗実態を調べ上げ、非効率業務改善で、一年間で一店舗1千万のコスト改善ができれば、次年度以降1千万の収益改善×プロジェクト導入店舗数の計算で中期計画見込みが算出できます。
しかし、人は変わることを好まない生き物、自分のペースで仕事が出来なくなることに対し、抵抗したくなるものです。そのため、社長を中心としたプロジジェクトを組織し、導入目的を丁寧に説明していくことが欠かせません。
合意形成のもと、人についた仕事から仕事に人をつけることによって、作業のないところへの余計な人時の配分を削減していくことが初めて可能となるのです。この課題を解決していかない限り、残る利益が少ない、結果を出すのに時間がかかる、常に人が足りない状態
といった負のスパイラルからは抜け出すことは出来ないということです。
さあ、貴社では まだ、売上確保にこだわり増えるコストを放置しますか?それとも根本的な収益構造の改革から始め、大きく成長しますか?