今週の儲かる繁盛店の視点 第461話:「なぜ、自己流改善がダメなのか?その原因が理解できない企業の行く末は?」
先週は関東でも春一番が吹き、一段とに春らしくなりました。来週からはマスク規制が撤廃されることから、スポーツジムではすでにマスク規制が解除れ、マクドナルドではカウンター越しのアクリルボードが無くなりました。
長かったマスク生活が人と人との壁になっていたことは明らかで、お互いの表情が見えるようになると人の動きは活発化します。
すでに、規制緩和された欧米各国では、ビジネスの動きが活発になり景気回復に動き出したことはまだ記憶に新しいことといえます。
一方、在宅勤務で売れたパソコンは下火になり、半導体大手企業は減収。在宅特需で売れた通販やネットスーパー、出前などの在宅需要は大きく減速し一年前と状況は大きく変わりました。
出生数は統計史上初の80万人切りの激減で、人口推計予測による少子高齢化が10年以上も早まり、労働人口減に対する生産性の改善が喫緊の課題になっています。
「人時売上は、これまでの組織のままだと難しいことの意味がやっとわかりました」セミナーに参加された社長さんの一言です。
お話をお聞きすると、社内で業務改善チームを作り、優秀な店長をリーダーに据え、「好きなように進めていい」と自由にやらせてはみたものの、減益状況は一向に変わってこないとのこと。
ーーーーうまくいかない 問題はどこにあったのでしょうか?
「うーん それが分からないので…」と口こもられます。
――――人時売上を上げたい。そして営業利益を着実に増やしたい。と社長ご自身が本気でそう願うなら、今日限りで、自前の改善にサヨナラを告げるべきです。と、はっきり申し上げました。
これまで、多くの企業の社長にアドバイスを提供してきましたが、残念ながら、その中で、ごく稀ですが、まったくといったいいほど改善しない企業があります。
そして、そうした企業にはある共通した特徴があります。
それは、こちらから提示したアドバイスを全く実行しようとしないことです。アドバイスを実行していないのだから、人時売上を改善できなくてあたりまえなのですが、それを指摘しますと、
「いやあ、ウチには今までのやり方があって、それを変えて果たしてできるかどうか…」決まってこんなセリフを口にされるのです。
各社お考えがあるので、それをどうこう言うつもりはありません、正直申し上げれば、アドバイスを実行するもしないも、社長の意思で決めていくことだからです。
しかし、社長として、今一度よく考えてみていただきたいのです。
今、手にされている企業の業績は、偶発的に起こっているものではなく、社長ご自身が決断してきたプロセスによってもたらされているものだということです。
もしも、今の企業業績に満足できていないのであれば、その結果に至るプロセスを変えない限り人時売上をはじめとした、顧客満足度や従業員貢献意欲といったことを駆使した、人件費高騰や離職といった問題を改善することは不可能だからです。
貴社には、今までやってきたやり方があるかもしれません。しかし、少子高齢化・労働人口減少と環境が大きく変化した今、そのやり方は、社長が望んでいる結果をもたらしてくれているかどうか?ということです。
もし、この問いに「ノー」と答えるのなら、もっと望ましい結果を手に入れるために、そのプロセスを変えなければならないということです。
世の中には、自己流でやって生産性改善してうまくいく企業もあります。しかし、それは、一部の天才的な能力の持ち主の社長さんだけです。
コラムをお読みの社長自身が、私と同じごく普通の経営者であるなら、我々がお手伝いしてきた企業と共に結果を創り出してきた人時売上改善手法を一緒に学び、社長自身が望まれる結果を手にいれていただきたいのです。
業務改善チームを作って結果が変わらないのには何か問題があって、その問題が特定できていないからです。上手くいかない問題を明らかにしないまま、人を変えたところで状況が良くなることはありません。
「好きなようにやればいい」といえば聞こえはいいですが、そのすべてはあらかじめ決まった中での「好きなやり方」です。何も決まっていない状態から、何かを創り結果を生み出すのとはわけが違い、それで、業績改善が進んだとしたら奇跡といえるでしょう。
業務改善で成果を得るには、人時売上目標を設定し結果を導き出していくために、どのように進めていくか?ということをゼロから作りあげていくことになります。
現状の実態を調査し、どこに問題があってそれを解決するためにはどうすればいいのか?一つの店で結果が出せたら、多店化を進めていくためにはIT等を使った投資はどうすればいいのか?といったことを体系化し主管部門の協力を得て結果を出していくわけです。
社内で優秀な奴だから…まじめなだし、と思うかもしれませんが、まじめで優秀イコール業績改善に貢献出来るとは限らないからです。
むしろ、いままで是としてきたことを疑ってかかることが、この仕事のすべてであり、そういう意味では、批判的な態度をとってきた社員の意見が、その企業危機を救ってきた例をいくつも見てきました。
昨日まで正しかったことが、明日から変わることが普通になったいま、現場で業務がどのように行われているか把握できていないことが、極めて高いリスクになるということです。
さあ、貴社ではまだ、自己流で社内のやる気と利益を落とし続けますか、それとも、結果を出せる方法で、社長が望む結果を手に入れますか