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今週の儲かる繁盛店の視点 第471話:「なぜ、帳尻合わせのコスト改善がダメなのか?そこから抜け出せない企業の行く末は?」

GW明けというと、初夏で結構暑くなってくるはずですが、今年は涼しく過ごしやすい感じです。

うっかり薄着をしていると風邪をひき、コロナに間違われてしまうのでは?と逆に注意が必要だったりします。

その新型コロナも5類移行で、人出は一気に増えました。

都内某所では、金曜の仕事帰りに軽く一杯?といった人々と、4年ぶりの開催となる「神田祭」のお神輿を観る人々で街は大いに盛り上がりをみせていました。

どの街でもこうして、有志が集まった祭りで人と人とがふれあい、地域経済は活性化していきます。

企業の業務改革も同じで、儲かっていない会社の現状に関心をもち、何とかしようとする意志をもったものが中心となり動いていくことが重要になります。

先日も

「ウチはまだ作業指示を口頭でやってるので、それを作業指示書をつくって出来るようにしたいのですが・・・」と少し前にセミナーに参加された企業の社長さんからのご相談です。

お話をお伺いすると、勤務シフトを作業指示書として使っているため、どこに作業の無駄があるのか?わからず、コストが下がらない。

また、売上の高い店も少ない店も、同じようなやり方でやってるため、効率が高い店と低い店がでてきても、手の打ちようがなくて困っている。とのこと。

人口が増えて売上が伸びていたときは、こうした問題は表には出てくることはありませんでした。そういう意味では、業績不振時にこうして様々な問題が出てくるのは、ある意味、健全化が進んだ証拠といえます。

――――特に困っておられることは何でしょうか?とお聞きすると

少し前の経営陣のとき「利益の出ない店舗は人を減らせ」と半ば強引にやってきた時期があって、強制的に頭数を減らして帳尻あわせをやってきた功罪が大きい。といった話がでてきました。

そのため、現場での教育や、お客様対応といったノウハウが教えられなくなって、その後、若手の離職が増えてしまったとのこと。

結果はともあれ、終身雇用が主流の時代、当時の経営者はよくその決断をされたと思います。

むしろそういった、痛手を伴う経験があったからこそ、企業として業務改革に向け動き始めることが出来てたと考えられるからです。

収益構造を変えるために、どういった機能が必要で、そのためには何が不足しているのか?その体制づくりのためのリストラはむしろ健全な企業活動といえます。

日本でも、今は定期的なリストラは必要と考える企業は増えています。しかし、その多くは、目先の利益目的であって、将来へ向けたものになっていないということです。

特に、目先の人員整理だけを先にやり、後から改善をやっていけば…といったやり方をすると、問題は先送りされ、業務改善は進まぬまま高齢化だけが進みます。

断っておきますが、高齢者が悪いということではありません、実際に、お手伝いをさせていただいている企業では、頑張って力を発揮されておられる方もたくさんおられます。

しかし、現実的な問題として、定年まであと何年?と先のことを考えてしまうと、意欲が落ちてしまうことから、高齢化は悩ましい問題といえます。

ややこしいのは、その年齢層の人の問題だけで解決しないということです。例えば、運営部長が60前後だとすると、その部下は30~50代で、上司であった運営部長さんの仕事のやり方が刷り込まれているということです。

これから、プロジェクトの中心となり動いてもらう世代が、昔からやってきたことという固定概念に凝り固まっているため、そこを解きほぐしていくことに意外に時間がかかるからです。

特に、過去、リストラをやった経験のない企業の場合、そういった痛みを経験した幹部、中堅がほとんどいないので、業務改革=人員整理、どうせ変わらない、逆らわないほうが無難、といった見えないものに対する恐怖心が、その動きをさらに遅くします。

その世代に積極的に活動してもらうためには、企業が成長に向けた業革をすすめていくためのやり方手順が「体系化」されてなければなりません。

体系化とは、業務改革とは基本的にどのように進めればいいのか?誰にでもわかるように、言語化されていることです。しかし、小売業界のように、習うより慣れろといったことを重視してきた業種の場合、言語化が苦手な人が多く、仕事は見て覚える、とか、こういった感じで、といったものを 口頭指示するのが殆どです。

人がたくさんいて、人件費も安かった時は、そういった上司の口頭指示を真似ていれば何とか回すことが出来ました。しかし、少子高齢化、人件費・原材料費高騰の影響で、こうしたその場限りの口頭指示や小手先の改善では、企業全体の収益率を引き上げることは出来ません。

利はもとにありという言葉がありますが、儲かる商品を仕入れて売ることで生き残ることができたのは昔の話です。今は、利益の出る仕組みで回せるモデル店をつくり、強い運営力をもって多店化していくということです。

リストラのような大ナタも時には必要になります、しかし、継続的な利益を生み出す工夫ができるのは、店舗運営だけしかありません。そのためには、現存店で収益率がきちんと毎年上げることができる、ロールモデル店をつくり、結果を出していくことが最短ルートであることは誰が見ても明らかだということです。

収益率が低下している現存店の業務内容を精査し、収益構造に変えていかない限り、再び帳尻あわせの失敗を繰り返すことになるということです。

さあ、貴社では、まだ、帳尻合わせのコスト改善で目先の利益にこだわりますか?それとも、業務実態に合わせた人員配置で収益力強化の一歩を踏み出しますか?


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