今週の儲かる繁盛店の視点 第49話:「社長の時間活用で成長する企業とできない企業の違い」
「イトウサン 売上は上がっても 戦略投資の利益がとれない。どこかで成長軌道にのるきっかけを つくっていかねばならないのだが?」
先日 ご相談にお見えになった経営者の方からの質問です。
—–ご自身で考える時間をつくってますか?とお聞きすると「移動時間とかに考えてまとめてる・・・」というお答え
日本の小売りチェーン経営者は、なんか椅子に座って考えるのが嫌いな方が多いようで、動いていたり何かしながら やらないと時間がもったいない感があるようです。
ですから、スケジュールもいっぱい入っていないと 気がすまないようで、朝から夜中までパンパンに詰め込む。
しかし、外国のチェーンは全く違います。
CEOといえども、一日中 デスクで考えをまとめる日をしっかり決めて 年度政策の進捗や中期計画の立案をします。
また、従業員にちゃんとつたわるように、メッセージの出し方やスピーチの仕方もちゃんと学び時間をとって練習をしてます。
当然、四半期に一度は役員と幹部を集め、何日もオフサイトミーティングで議論をすることは日常的です。
夏休み、冬休みも二週間は絶対にとります。だから、従業員も二週間とることが出来るのです。
こういうことから、アメリカ、イギリスの店舗改革のスピードは日本のチェーン店の15年先を歩いています。
当然ですが、コンサルタントや専門機関の出入りも多く、自社にない能力はすぐに囲い込みます。
ですから、自社の社員が一流コンサルタントレベル以上の知識やノウハウをもった人間がたくさんいるのです。
一方 日本のチェーン店はどうでしょうか?
相変わらず、仲間内の役員の意見であったり、メーカーや同業の会食やゴルフでの情報交換が主になっています。
イエスマンの部下や取引先の意見や一般的にでているマスコミ情報は、殆ど役に立ちません。
そういう会社の現場に限って、店舗や本部の改革は立ち遅れ 相変わらず従業員のサービス残業で会社が支えられています。
このような、サービス残業の上に成り立っている企業は間違いなく淘汰されます。
私の触れた外国のチェーンは、大昔にそういった課題はクリアしてました。だから、圧倒的に生産性が高いのです。
社長として、新しいことに取り組む時は、たとえ競合であろうとも、先を走っている人を尋ねて必ず聞きます。
そのためには、まず 社長として自分の政策をまとめることが第一歩となります。
そういった前提で、本質部分を探るために人に会いに行きます。
日本のトップは動いて汗かいて 一般情報をたくさん集めまたがりますが、海外チェーンのトップは頭でまず汗をかいてから 選りすぐれたたった1つの情報を求めます。
外国小売りチェーンで、メーカー並の利益を 叩きだしてる企業はたくさんあります。
日本のチェーンストアというと 殆ど利益が残らない。
改革の遅れが その差にでているのは、火を見るより明らかだと私は考えてます。
事業計画を「ご自身で考える時間」をとられているかどうかで、次回の会議で発言するスピーチの内容は変わり、会社が変わり、利益が変わります。
さあ、スケジュール中に 利益に結びつかない止めるべきスケジュールは何件ありますか?
成長チェーンは 決断の時を決める
衰退チェーンは 決断の時を避ける
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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