今週の儲かる繁盛店の視点 第50話:「店舗改革で成長する企業とできない企業の違い」
「これから、経費は毎年上がる。どこかでその対抗策を考えなければならないのだが?」
先日 ご相談にお見えになった経営者の方からの質問です。
—–業務の棚卸しをされてますか?とお聞きすると「やっていない・・・」というお答え
チェーン店を1つの船に見立てれば、スイスイ動いている間は みんな油断して 小さなムダや非効率が積み重なっていきます。
そしてふと気がつくと、会社が重くなり、しがらみやいろいろなことで、身動きがとれなくなっている。
大型船は、毎年メンテナンスしないと喫水が下がり、速度が遅くなると言われてます。原因は人です。乗組員が自室に本などの私物を持ち込んで、それが積もり積もって、船が重くなり沈みこむそうです。
人の手の掛かるチェーン経営の仕事は、本部では本部の悩みがあり、自分の部門だけで解決できず、ダブリや非効率なコトが積もって、重くなり動きが鈍くなります。
部門間で利益相反が起こり、本部の士気は益々下がってきます。
自分たちは前と同じように仕事をしているのに、なにかうまくいかない。
危機感はあるものの、何をしていいのかわからない。
こういった沈滞ムードを吹き飛ばすためにも、沈む前に改革を急いでいかなければなりません。
一方、店舗では、仕事は増えることは あっても減ることが無いため不満が積もっていきます。
例えば 店舗事務所にある点検表 昔からあるもの、運営部からのもの、以前の部長が決めたもの 同じような点検表3枚に押印が1分かかるとすると、一年間で365分で6千円。
たかが、6千円でもムダな仕事をやらされている身になれば「なぜ 意味のないことをしやらなければならないのか?」と考え士気は下がります。
本部と店舗がひとつとなり、業務改善に結び付けられるしくみがあれば、商品の出し方ひとつにとってもやり方が変わってきます。
例えば、毎日2000ケースの商品を売る店舗では、1ケースに1分かかる時間を半分にする改善ができれば6000千円ものお金が残るようになります。
ところが、残念なことに、こんな理想的な改革案は、社員の中からは出てきません。
理由は簡単で、「もし達成できなかったら・・・」と誰もが考え、その責任は社員にはとれませんから自ら志願してやる人などは現れるわけがないのです。
これこそが、社長の仕事となります。
もちろん、実際に進めるにあたっては 社長の信頼の置ける部下を任命して入念に準備をし、施策を練り上げていきます。
一旦軌道に乗れば、中期計画の基盤が出来上がることとなります。
こうした仕組みが揃って、はじめて、個人個人が考え創意工夫で、お客様にモノを提供することを自分の喜びとし成長を実感できます。
企業の成長は人の成長なくしてはありえません。
さあ、貴社では、成長し続けるチェーン店をつくるために、仕組みをつくる時間を月に何時間とっていますか
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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